第34話 再会
「えっと、久しぶりだね」
「久しぶりですね。また会えて嬉しいです」
ジュースを一口口に含み、ニコッと笑う。その様子を見て、近くにいた店員が頬を染めて去っていった。そりゃそうだよな。なんせ、綾芽は都会を歩けば5分に一度はスカウトやナンパされるほどの超絶美人なのだ。
そう、綾芽とは今日の放課後、会うことになっていた。場所として指定されたのは前にも訪れたカフェ。何か大事な話があるのかなとか思ったんだけど。当の本人はめっちゃニコニコしてるんだよなぁ。
「そういえば、なんであんなに電話してきたの?」
「そうですね……単に声が聴きたいから。そして会いたくなったから、ではダメでしょうか」
「いや、別にダメではないと思うけど、まさか電話とか来るとは思ってなかったから。もしかしたら大事な用事とかあるんじゃないかと思って」
「別にそういうわけではないです。この前言ったじゃないですか。まずはお友達になってほしいって。友達って、よく会って遊ぶものだと思うんです。だからそういうことをしたいなって」
なるほど……そういうことか。
綾芽とは確かに友達になった。かといって男女の友達でそんなに連絡を取るのかどうかは、前世で陰キャだった俺には分からないけど。
たぶん、綾芽は女友達と同じ感じで俺に接してくれようとしてるんだろうな。てことは、綾芽との恋愛フラグはわりと折れたんじゃないか? 男女の友情は本当にあるのか問題は別として、なんとなく綾芽には恋愛対象として見られてない気がする。これは半分希望的観測も含まれてるけど。
それなら俺には好都合だ。
「遊ぶ、かぁ。たしかに友達ならもっと遊ぶよな」
「そうなんです。そこで質問なのですが、錦小路さん、この後予定ありますか?」
「いや、今日はないけど」
そう。今日は凪月に陸上の練習があったから、勉強会はなしだった。
「それなら、この後どこかに行きませんか? 近くに、ショッピングモールとか、あとは映画館とかあるので、何かできるんじゃないかなぁって」
「そう、だな……この近くはいろいろあるし、何でもできるかも」
「ですよね! やった……! 男の人と遊びに行くなんて私、初めてです!」
綾芽は本当に嬉しそうに笑う。その顔を見て、俺もどこか満たされたような気持ちになった。
もし綾芽と繋がったら死ぬとしても、一度は付き合ってみたいなぁなんて、危険すぎる考えだろうか――
☆あとがき
今回文字数が少なくて、また間が空いてしまいすみません。
実は学業がかなり忙しくてなかなか執筆することができませんでした。
今もあまり落ち着いてはいませんが、できるだけこの作品を終わりまで導くために頑張って更新していきますので、前より更新頻度は落ちると思いますがよろしくお願いします。
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