エロゲの主人公をいじめるクズな悪役に転生した俺、モブでいたいのになぜかヒロインたちに囲まれている
時雨
第1話 悪役に転生したって最悪すぎない??
「くそっ、やっぱ泣けるぜこれ」
俺は目を擦って再びパソコンに向き合った。
画面を流れているのは一時代を築いたとまで言われるエロゲー、「そしてセカイは藍色に」のエンディングだ。
「ヒロインは可愛いしエロいし最高なんだよな。ほんと――
はぁっとため息をつく。
錦小路 楓というのは、このゲームにおける悪役だ。主人公をとにかくいじめ抜き、ルートによってはヒロインを殺そうとしたり、なんなら主人公襲ったり。途中から何がしたいのか分かんねぇし、とにかくうざい。
ヘイトしか溜まらなくて、最低で人間のクズの塊のようなキャラ。
このゲームをプレイした人達の中でもこのキャラだけはとてつもなく不評で、錦小路のせいで☆1をつける人が現れるほどだ。
もはやネタにもされない不評っぷり。
「マジでこいつだけが残念なんだよな。なんで製作者はこいつ作ったんだよ。まっ、最後どのルートいっても死亡エンドだからいいんだけどさ」
ぼそっと呟き、ベットに寝転がる。
そう、この存在するだけで最悪なキャラは、絶対に死ぬか刑務所行きなのだ。一応はスカッとするから、まだ救いがあるってもんだぜ。
「あーあ。ヒロインたちに会えたらなぁ。特に
ま、二次元だから会えるわけないんだけどな。
それでも……ほんとに夢でも良いから会いたかったぜ、だって初恋の人なんだから。
ぼんやりと考えながら、俺は目を閉じた。
――何時間くらい寝ていたのだろうか。
「どこだ、ここ」
ふと目を覚ませば、そこは見知らぬところだった。
明らかに広すぎる部屋。やたら高級そうな家具。それから――
「誰だ、俺?」
洗面所の前で呆然として呟く。
目の前の鏡に映しだされているのは、俺とは似ても似つかない顔で。
今の俺は中性的な顔だけど、前の俺はもっとごつい感じだった。あぁもう、今とか前とかややこしいな。
「なんかどっかで見たことあるんだよな。この顔。えー、誰だっけ」
頭を捻って必死に思い出す。
けっこう整ってるし、芸能人とかだっけ。でもなんか違うんだよな。ほんとよく見てた気がするんだけど。えーっと……
顔を上げると、鏡の俺と目が合う。えーっと……?
「あれぇ? これもしかして……」
何度か鏡を見た俺は、最悪の事態に気づいた。
「もしかして、錦小路 楓だったりする……?」
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