第7話 「恐怖」


琉斗は家も失い、居場所を失った。

あるのはお金とスマホだけ。それ以外は全て家だ。

琉斗はため息をつき、道中に言った。


「お前はずっとここにいて、俺らを支えてしんどいよな。俺もだ。というかみんな忙しいよな。...まずは食料調達だよな。」


琉斗はそう言って、コンビニへ行った。

そしてそこで弁当を200円ほどで買い、公園で食べた。

人々は俺のしんどさを知ってるわけがない。この出来事を知っているのは俺と柏だけだ。

親に会いたい。そしてまた幸せな生活を送りたい。

ここは神奈川。親がいるのは山口。3000円くらいで行けるわけないよな。

はぁ、一人ってこんな寂しいもんなんだな。でも、柏とはいたくないな。

悩んでいながら弁当を平らげ、いつの間にか夕方になっていた。

琉斗は言った。


「やっばい。もう夜じゃないか。えっどうしよ。」


琉斗は焦りながら空の弁当を捨てて走った。

早く居場所...というか、寝床を探さないと。

琉斗は走って走って走りまくった。とにかくおじゃまできる建物は...

...ん?待て。

あれは...寝袋?何でこんな草むらに寝袋が?

誰かここで寝ているのか?と思いつつ寝袋に触れた。どうやら誰もいないらしい。

琉斗は嬉しそうに言った。


「ラッキー。寝床ゲット。何でここにあるのか知らないけど、まあ命のためだ、持ち主がいたらお願いしよう。でも待って、学校の保健室は?でも、警察がいる可能性があるな...交番で寝泊まりさせてもらうか?よし。一回そうしてみよう。」


琉斗はさっそく荷物を持ち、寝袋をもとの場所に置いて、学校へ走った。

時刻は19:30頃。もう真っ暗だな...

急ぎで走るのに夢中だった琉斗は、いきなり誰かにぶつかってしまった。

琉斗とその相手はお互い謝ろうと目を合わせよう...と、相手を見た時、

何か見覚えのある人物が目の前に立っていた。

相手は言った。


「琉斗?ここにいたの。やっと見つけた。風呂に入っていた時に逃げ出して...私心配してたのよ?ほら、早くあなたの家に戻りましょう?」


柏だ。ぶつかった相手はナイフをもった柏だった。

ナイフはギリギリ当たらなくて助かったが、またあそこで監禁される。

琉斗はまた殺されるかもしれない恐怖と、また犠牲が出るかもしれない気持ちに、体が固まった。

琉斗は柏に縄で縛られ、ガムテープで口を塞がれた。

またあのような日々を過ごされる。

また牢屋の中で閉じ込められる。

終わった。。。

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