洗剤君

第1話泡

最近さお肌の艶がよくないつぼみ

あほんと？

実はいい洗剤見つけたんだ

えまじ教えてよ

これが非買品なの

それよかさ

最近あんまり夜遅くだと

このあたりにも出るんだって

何が？

変出者

まじどんな奴なの

よくわかんないけど

全裸で走りまわるんだって

犬だけど

なんなのランド冗談キツイ

あもう十時だ

そろそろ帰らないとうち

両親がめっちゃ五月蠅いんだよね

もう高校生なのに門限まで決めてさ

だる

それじゃあね

またね

ただいま

遅くまで遊んでて

夜更かしはお肌に悪いわよ

大丈夫私は

それよりお腹すいたごはんは？

もうありません

え――

おむすびでよければできるけど

じゃあそれでいい

先にお風呂入っちゃいなさい

はーい

シャーー

それじゃあ使いますか

この泡立ち

う――ん癖になる

君がきてからお肌がつっるつる

でも不思議

他の人には見えないなんて

僕はお肌にトラブルをかかえる人にしか見えない

ふ――ん

私の肌そんなにトラブってたの

28パーセントの潤いしか保っていなかった

それって何基準よ

全国女子高生平均値

どうやって調べたのよ

姫本さん今日の放課後屋上にきてくれる？

望先輩どうしたんですか急に

委員会の仕事で手伝ってほしいことがあるの

わかりました

つぼみ帰ろう

ごめんちょっと用事頼まれちゃった

残念またね

うん

いた先輩何を手伝えばいいんですか

うちから出て行った子返してもらおうか

なんのことよ

その艶やかな髪

水がはじけるような肌

急につくれるものではないわ

知ってるのよ私

あの魔法の洗剤を使っているわね

どうして知ってるんですか

あの子は私のところにいたの

それをかってに妹が持ち出して

どこかにやったの

たかが全裸で夜空をかけめぐってただけで

お姉ちゃんがおかしいだって笑っちゃうでしょ

変出者は先輩だったんですか

てかホントの話だったのかよ

いいこといずれ貴方も私のように美肌を見せたいと

思う日がくるわ

その前に処理しないと

いやよもう普通の洗剤に戻れない

君も

洗剤シンドロームか

誰貴方

僕は僕さ

でもまあ古い友人がつけた名前だと

ビュウティフルポップが気に入った名前だね

変出者？

よく間違えられるよ

でも君は昨日最高の泡洗剤だと

僕を楽しませてくれた

えあなた洗剤君？人間だったの

半分間違えだね？

そう僕は女性の悩みから生まれた

泡

君の毛肌からハートの中までつるつる

これ一本でね

えええ嘘でしょ

僕の特殊能力は泡になること

それ以外は苦手でね

使い続けると美しさを追及し続ける

だが僕は僕だけで生きれない

菌が共生するようにしかね

だからシンドロームに陥る前に他の者のところに

行く必要があってね

シンドロームにかかっちゃうとどうなるの

この人のようにやがて身を亡ぼす

だから君ともお別れだ

そんなの寂しいよ

難しい感情だね

私のものになりなさいビューティフルポップ

君が僕に勝てるなら

丸腰の相手に何ができるの

拳銃？よけて

僕は実体のない泡さ

どんな攻撃も意味をなさない

だけど君はお人よしだね

こんな僕を助けようだなんて

知らないわよ体が勝手にでただけ

ああああ私じゃない本当に撃とうなんて

思わなかったのに

君にはお仕置きが必要だね

今まで与えた水分を抜いてしまおう

いやああ乾燥肌はもういやなの

行っちゃった

私もいずれあれになるの？

大丈夫これからお手入れを欠かさなければ

綺麗な肌を保てるよ

良かった

じゃあ僕は行くね

君と同じように悩んでいる人のために

今日までありがとう

そうだこれあげる

なんだい？

ミサンガ

これが切れたら願いが叶うんだって

貴方も願いの一つはあるんでしょ

ありがとう貰っておくよ

それと最後に一言

乙女の素肌の上を泡ではうなんて

キモイから

あははは初めてそんなこと言われた

じゃあね変態さん

いい子に出会えるといいね