ー告白ー10

「え? 春さんに好きな人がいるんですか? そういう悩みって誰にでもありますよねー。 僕はあまりそういう話は公には出来ませんが、ここなら、大丈夫ですよね? そういう話、僕もしたかったんですよー」


 そう言うとゴーは春の近くに寄って来る。


「スイマセン……答えになってなかったですよね? うーん、僕の場合は最近、仕事が忙しくて、そういうことはあまり縁がないのですが昔の僕は好きになったら、好きって言ってましたよ。 もし、縁があるのなら、愛のキューピッドが二人を繋げてくれるんですからね」


 春とは正反対のゴー。 自分は逆に言えば告白して振られるのが怖くて告白することを逃げてきたのかもしれない。


「じゃ、ゴー君は男を好きになったことある?」


 何だか急に春はゴーの言葉に勇気付られ、やっとストレートに聞けるようになってきたようだ。


 確かに聞けるようにはなったが、相手の顔をまともに見ることは出来ない。


「男を好きに……ですか?」


 最初は驚いた顔をしていたゴーだったが意外や意外、いつもの表情になると、


「僕はありだと思いますよ。 現に僕も好きな人いますから」

「……へ?」


 ゴーからの意外な答えに逆に驚いたのは春の方だ。


 春の心の中でリピートされるゴーの言葉。


『現に僕は今……好きな人がいますから……』


 ……いやいや、間違っても自分のことではないだろ。


 春は頭を振ってゴーが言った言葉を消していく。


 これ以上は恥かしくて聞けないでいる春。 春は今、頭も心の中までもショート寸前だ。


「……ってか、春さん、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫。 変なこと聞いてゴメンね」

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