Fall in love

ー出会いー1

　今日は久し振りにテレビ出演になった春（しゅん）。

　春は歌手なのだが最近は沢山、色々な歌手が出て来てしまい人気が低迷していたこの時期に久し振りのテレビ出演だった。

　今時、あまりない春のグループバンドも今年で、もう十年。　一時期は人気があったものの最近はCDを出すのがやっとの春のグループ『ZERO』。

　でもまだファンがいるのだから解散は出来ない。　自分達もまだまだやって行くつもりなのだから。

　本当に今日は久し振りのテレビ出演。　春は他のグループメンバーを引き連れて挨拶周りの為に本日出る歌手の楽屋周りを始める。

　次から次へと挨拶を済ませると最後に本日、司会を勤めるデュエットで歌手をしている二人の楽屋へと入って行くZEROのメンバー。

「どうも、はじめまして、ZEROの春です。　今日はよろしくお願いしますね」

　そう笑顔で今日の司会者であるデュエット歌手に握手を求める春。

「どうも、はじめまして。　僕が憧れの人に僕の番組に出演してくれて嬉しいですよー」

　ゴーの方も立上がり、そこで二人は握手を交わす。

　春と同じ位の背のゴー。　ゴーが立ち上がったことで目線が合ってしまったようだ。

　流石は有名なデュエットとして活動しているだけあるというべきか綺麗な顔つきに笑顔が素敵なゴーだ。

　何故かその素敵な笑顔をするゴーに引き込まれ、言葉さえも失ってしまったようで今のだけで心臓がときめいてしまったのかもしれない。

　しかし恋愛の歌詞ではないが本当にその歌詞が当てはまりそうな人に巡りあったような気がしているのかもしれない。

「では、本日はよろしくお願いしますね」

　そうゴーは笑顔で口にするのだ。