第13話 ・・・__【遥  side】

 だりあが、初めて私達の教室に顔を見せた、イケメン君に、呼び出されてるのがわかった。放課後に体育館の裏。


瑛一クンがトイレに行った隙に、彼は彼女に二言三言言って、呼び出しのアポをとった。


その事を瑛一クンに言うのかなと、教室に戻ってきた彼と彼女を見てるのだが、一向に報告の気配が無い。



代わりに、その見知らぬ男子は、時折瑛一クンを睨んでいた。



遥には、だりあは瑛一に劣らず異性にも同性にもモテる印象がある。

だから告白ごとき、日常茶飯事なのかな?と想えて安心して油断してたら、二人の居ない教室で、以下の話を耳にした。


「昴、帰ってきたな」

アイツ「バイクに乗るために」生きてる様なもんなのにな。

「で、呼び出しが難攻不落のだりあちゃんかよ」

「しばらくバイクに乗らねーとも先公に」言っていたから。

「きっと真面に告るんだぜ」と彼等の会話が、終わるのが聞こえた。


瑛一クンに恋してるだりあ(さん)。

二人は鉄壁を築いているので、瑛一クンに教えないと、だりあ(さん)が、瑛一クンやほかの生徒に、酷い目にあう。だから放課後まで全ての授業に集中出来なく、会話を聞いた以降の全授業から「注意散漫」と、特別課題を与えられた。



家ではやる気が起こらないので、放課後教室でするか?と考えてたら、

放課後体育館裏の「だりあへの告白?」を想い出し、どうしたら良いか?遥は、わからなくなってしまった。

私は瑛一クンみたいな真面目に他人も自分も大切に出来る感覚の男子の方が、だりあ(さん)にあうと想うから、二人の邪魔はしないで欲しいと想った。だいたい、つるんでないどころか、友達でもない私にすら、

だりあ(さん)は瑛一クン一筋だとわかるのに。


私はスキー合宿の恩返し的に、そうとらえて居た。


大切な瑛一クンを私の命を救う為、吹雪の中の捜索へ、嫌々でなく進んで彼の背中を押してくれた(と、ツレの子達が言っていた)彼女は、彼女の本命の男子と上手くいって欲しい。

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