性別が変わればお近づきになれると思っていました・・・が!
Rod-ルーズ
第1話 失恋のきっかけ
「好きです、付き合ってください!」
「ごめん、ちょっと興味ないんだよね。君のこと」
体育祭も終わり、クラスでの打ち上げが行われた後オレは好きな女子生徒に告白をした。そして、フラれた。
「元気出せって千冬。いきなり矢野に告白するなんてレベルの高い所業だったんだよ」
「そうそう、でもお前の勇気に関しては見直したよ。やっぱりすごいな」
週明けの月曜日、俺の告白したという話は学年全体で広まることもなく俺の友人間での話のネタになっただけでとどまっていた。きっと、彼女は言いふらすようなことはしなかったのであろう。
矢野三守(みもり)クラス、校内を見渡しても彼女ほどの美人はいない。艶のある長い黒髪、くっきりとした目でスッピンの状態でもきっと美人なのであろうと感じさせる。
肌も白く薄化粧な装いの彼女が、時折アイメイクなどメイクに気合を入れてくる日があるが、俺はそのギャップに少なからず惹かれていた。
だからこそ、イケメンでも高身長でもない普通の男子高校生である中野千冬(ちふゆ)は恋をしたのだ。
不釣り合いかもしれない、だが自分が彼女の隣になって和気藹々と青春を謳歌していることを想像すると動かずにはいられなかったのだ。
「でもさ、俺あの人のことを見直したわ。だって絶対告白なんてされたら言うにきまってるじゃん?でも週明けの今まで俺たち以外で話題にしている人いないんだぞ?これって口外しなかったってことじゃね?」
「確かに・・・俺だったらブスに告白されたら真っ先に言ってると思うわ」
友人たちの会話を黙って聞いているが、確かにそのことは思っていたりしていた。どうして彼女は話さなかったのだろう。彼女の取り巻き・・・
普段つるんでいる女子生徒は甘く見ても口が堅いようには見えない人であった。それが、体育祭前と変わらない感じで話している様子だと何も知らないのだろう。
(いやいや考えすぎだ。単純に話すほどのことでもなかったのだろう・・・)
どうしてもポジティブに捉えることができない、それはきっとフラれたことが原因なのだろう。俺はそっと目を伏せて一日が過ぎることを待った
そうすれば、この前の出来事も忘れることができると思ったので
「結局、寝る前まで考えているなんて思った以上にメンタルが乙女なんだなぁ~」
家に帰りそのまま夜を迎えたわけだが失恋の痛みは消えていない。それほど、彼女のことを思っていたのだと思い込むと少しは痛みが落ち着いてくる。
「もし、付き合えるとしたら何が変わればいいのかな・・・?」
もし、付き合えるのなら・・・そう思いながら眠りこけていった
「んっ・・・もう朝かぁ・・・アレっ?」
ベットから起き上がりカーテンを開けようとした時に自分の違和感に気付く。風邪を引いた感じではない、ただ違和感は感じていたのだ。
クラスの女子生徒のような声が自分の耳元へ聞こえてくる、その声の主と言えば・・・自分からだった。
「な、なんだこれ・・・お、おれ・・・女になっている・・・!?」
スマホのOFF状態の画面に映った寝ぐせのついた長い髪に細長い眉毛・・・俺は寝て起きたら女の子になっていた!?
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