第92話 味方を増やせ
宿を取ったラッキー達は、1週間後の王都武道会まで人目を避けながら参加者の情報収集と最終調整をする事にした。
ラッキーはまず自分の今のステータスを確認した。ついでにレベルが上がったシルフィーとマリアも同じように確認する。
【ラッキー】
レベル: 20 → 25
力 : 210 → 260
体力 : 208 → 258
敏捷 : 205 → 255
器用 : 203 → 253
魔力 ; 202 → 252
運 : 950 → 1220
【素質】:ゼンパン(デイリーガチャ・モンスターガチャ・シークレットガチャスキル)
剣術・気配察知・料理・掃除・踊り・計算・生活魔法
身体強化・穴掘り・靴磨き・早起き・早食い・お笑い・交渉
大声・テイム・健康・ハードワーク・斧術・トラップ
転移魔法
【シルフィード・リスボン】
レベル: 20 → 25
力 : 100 → 125
体力 : 180 → 195
敏捷 : 180 → 195
器用 : 180 → 195
魔力 ; 297 → 332
運 : 35
森の魔導士(風魔法、土魔法、人物鑑定の素質を持つ)
【素質】:風魔法(風魔法が使える。)
【素質】:土魔法(土魔法が使える。)
【素質】:人物鑑定(ステータスや素質が見れるようになる。)
【マリア・フロンダール】
レベル: 18 → 24
力 : 150 → 180
体力 : 86 → 110
敏捷 : 81 → 105
器用 : 200 → 230
魔力 ; 300 → 360
運 : 28
聖女(治癒魔法、光魔法、祈りの素質を持つ)
【素質】:治癒魔法(治癒魔法が使える。)
【素質】:光魔法(光魔法が使える。)
【素質】:祈り(治癒魔法を使った時、効果が増加する。)
「いつみてもラッキーはずるいわ。一人だけレベルが上がった時の能力値の上昇幅が多すぎるもの。」
「いやいやシルフィーやマリアだって魔力が高いじゃないか。激レアの素質持ちだから当然だろうけど俺の能力値で300を超えてるのって運だけだぞ。」
「今はまだ魔力だけはラッキー様よりも高いですが、それも後に追い抜かれると思います。ラッキー様ステータスの上昇幅が大きいですから。」
「まあその事はいいわ。それよりもこれからどうするの?まさかずっと宿屋に籠ってるって訳じゃないわよね?」
「そうだな。俺はまあ王都で見られてもかまわないが、マリアは見つかるとやばいんじゃないか?」
「そうですね・・・。折角王都にきたから教会とかにも行きたい所ですが、さすがに今は危ないかもしれないですね。」
「たしかにそうね。じゃあ私とラッキーで動きましょ。まずは教会に行くのよね?」
「ああ。毎週教会には行ってたからな。今日がその日だから行けば会う事はできると思う。」
「もう一度聞くけど会って大丈夫なのよね?」
「ああ。あの二人は俺が追放される前もかなり心配してくれてた。きっと味方になってくれる。」
(それに・・・拒絶されたらされたで家族に諦めもつく。あれから1年と半年・・・元気にしてるかな?)
「わかったわ。なら早速いきましょう。」
「やっぱり私も!」
「そうだな〜。ならマリアは虹の集いのカフェで待っててくれないか?母さん達とは教会の後に何度かあそこでパンケーキを食べたんだ。個室なら見つかる事もないだろうし。」
「そうね。教会で騒ぎになっても困るからその方がいいかもね。」
「わかりました。それと、今思い出したんですがラッキー様のお母様は教会でお祈りした後、いつも外の庭園を30分程歩いていました。そこなら怪しまれずに会えると思います。」
ラッキーとシルフィーの二人は教会に向かった。ラッキーだけは顔がバレないようにローブを被っていた。
教会に着くと、多くの人がお祈りに訪れていた。
「まだ来てないみたいね。」
「ああ。俺達もお祈りして庭園でくるのを待つか。」
しばらく待っていると豪華な馬車が教会に止まった。馬車にストライク家の家紋があったのでラッキーとシルフィーはすぐに気づいた。
「あれね。」
「ああ。」
馬車から降りてくるのはスタイルの良い女性と7歳ぐらいの女の子。
(母上、スイート・・・)
「じゃあ予定通り行きましょう。ラッキーはここで待ってて。私が後について行って庭園にきたら声をかけるから。」
「わかった。」
シルフィーが2人の後について行った。
(会うのも久しぶりだな。あの時は味方してくれたけど今でも俺の事覚えてくれてるだろうか・・・。)
少し不安になりながらラッキーは彼女達を待った。
10分程待っているとマリアが言っていたように、2人は庭園に現れた。
(来た!)
2人は庭園をぐるっと周り、池に架かっている橋を歩いている。
「すいません。ストライク公爵夫人のクッキー様ですよね?」
タイミングを測ってシルフィーが話しかける。
「あなたは?」
「リスボン辺境伯の長女シルフィード・リスボンと申します。クッキー様のファンなんです!握手してくれませんか?」
「えっ!?あっはい。いいですよ。」
(握手って!?ファン?・・・まあ母上は綺麗だから女性ファンは多かったけど・・・)
握手しながらシルフィーはクッキーの耳元で小さく呟く。
「いきなりすいません。落ち着いて聞いてください。クッキー様の息子のラッキーが、クッキー様に会いたがっています。今、向こう側でローブを被ってるものがそうです。」
「!?」
ラッキーはシルフィーから合図がきたので、被っていたローブを脱いだ。
クッキーはシルフィーの言葉に視線を向ける。
「あっ・・・本当に・・・」
クッキーと目が合うとラッキーは軽く会釈した。
「ここでは騒ぎになります。虹の集いにてお待ちしています。」
「・・・わかったわ。」
クッキーから了承の言葉をもらい、シルフィーはクッキーの元を離れた。それに合わせてラッキーもローブを被り直しその場を離れたのだった。
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