第84話 一方その様子を眺める神界では・・・
「金色に光ったわ。」
ミラとマイは、神界でラッキーが、Dランクの10連モンスターガチャスキルを使うのを見ていた。
「残念。金色の光ならレアな素質を期待したんだけど・・・。」
「うん。でもリルがとても喜んでるよ。」
金色の光が出た、ラッキーの10連モンスターガチャスキルからは、オークキングの肉と上薬草、そしてパンが出ていた。図鑑でオークキングの肉とわかり、リルに渡すと尻尾をブンブン振ってうれしそうに食べている所を神界から見てほっこりしていた。
「たしかにそうね。それよりあれはどういう事なの?ミラはわかる?」
マイは、手に入れたアイテムとパンを見ながらあ~でもない。こ~でもない。と不思議がっているラッキー達を見てミラに尋ねた。
ラッキー達の前にはパンが19個出ていたからだ。本来であれば、1回目の10連ガチャスキルからハイポーションにパンが9個、2回目の10連ガチャスキルから、オークキング肉と上薬草にパンが8個で、パンは17個のはずだった。
「うん。Dランクからはハズレが出た場合は確率で同じパンが2個でるらしい。」
「えっ!?どういう事?」
「私も詳しくは知らない。そういう仕様?みたい・・・。」
「・・・だから通常17個のはずが19個もパンがあるのね。ラッキー達は当然、知らないわよね?」
「うん。」
「そうよね。その2個出るっていうのはハズレだけなの?もしかしてアイテムも確率で2個出たりするの?」
「ハズレだけ。」
「そう。ラッキーならその内気づくでしょ。だけどDランクにランクアップしたのは失敗だったわね。あのままEランクの10連ガチャスキルを20回使っていれば何個か素質が出ただろうし、同じ素質が出ても、それはそれでミラが言ってたシークレットガチャスキルが使えるようになるもの。」
「大丈夫。カラースライムを倒せばすぐ。」
「あら?ミラは知らなかったの?ラッキーが倒したのは2000体でしょ。なら後8000体倒したらそれ以上は倒せなくなるわよ。」
「知らない・・・どうして・・・?」
「アクアダンジョンの17階層は下界ではハズレ階層って呼ばれてるみたいだけど、実際はアタリ階層なの。神達の間ではスペシャルフロアーって呼ばれてるわ。あそこはね。経験値も少ない、ドロップもない代わりに1万体倒すと銀色か金色のスライムが現れるの。」
「それ・・・ラッキーさん達も言ってた・・・。」
「そうよ。噂話って言ってたけど実際にあるわ。過去にも何人かは経験してるのかもしれないわね。ただ、あそこは1万体倒すと次からは入れなくなるの。」
「だから・・・。」
「そう。だからラッキーがランクアップ目的でドンドンカラースライムを倒しても残り8000体しか倒せないわ。8000体倒して使えるようになった10連モンスターガチャスキルをランクアップしちゃうと、それから先は今までのように地道に倒して行くしかなくなるわ。カラースライム相手なら8000体倒すのもすぐだけど、他の魔物なら8000体はかなり厳しいわね。」
「そっか・・・。ラッキーさんに伝えた方がいいかな?」
「心配しなくても大丈夫よ。Dランクのモンスターガチャから新たな素質が出る可能性もあるし、出なくてもアクアダンジョンで探索してるならEランク、Fランクのモンスターガチャも自然に貯まるわ。王国武道会まではまだ日があるし、それまでにシークレットガチャも使えるわよ。」
「うん。」
「だからミラは今まで通りラッキーを見守っていればいいのよ。これからレベルも上げないといけないしラッキーのしないといけない事は多いわ。でも今回、他の冒険者と出会えたのは大きいわ。レベル以外の部分で大きく成長したもの。ラッキーは順調に成長してるわ。」
「うん!」
マイの言葉にミラは普段見せないような笑顔を見せた。
(かわいい!!まったくこの子は・・・。ラッキーの事となると目の色が変わるんだから。)
「姉さん。カラースライムの銀と金はどっちがいいの?」
「そうね。ドロップはラッキー達が言ってたようにミスリルか金塊なのよ。ミスリルならラッキーの剣を強化できるし、金塊なら新しい装備を買う事ができる。どっちでも良くなるとは思うわ。」
「よかった。」
「ラッキーのあの感じならきっとカラースライムがいる17階層には行くでしょうし、8000体なんてすぐだからきっと挑戦するでしょう。1万体倒さないって事はないと思うわよ。」
「うん。」
(ラッキーの今の運の数値は890だったわよね。後3回同じ素質を手に入れれば運の数値が1000を超える。ミラは運が1000を超える度にシークレットガチャスキルを使えるって言ってたから、EランクかFランクの10連モンスターガチャスキルを10回引けばきっとシークレットガチャスキルは引けるはず。ランクアップできるのも魅力だけど・・・。ここはラッキーの行動を信じるしかないわね。)
ミラとマイはオークキングの肉で盛り上がってるラッキー達を温かく見守るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます