第71話 3人パーティになったらガチャスキルからは・・・
ラッキー達はオークが現れる森へと来ていた。
「ラッキー様。冒険者登録していきなりオークは怖いんですが・・・。」
「大丈夫よマリア。私とラッキーならオーク程度余裕なんだから。ドーンと構えといていいわよ。」
「そうだな。それにリルだけでもオークは倒せるかマリアは何も心配しなくて大丈夫だよ。」
「リルちゃんってそんなに強いの!?」
『そうだぞー。オークなんか俺の爪で一撃なんだぞ。』
リルはマリアに抱かれていた。家でリルを見た時から気になっていたらしく、移動中はずっとリルを抱いていた。
もちろんマリアにもリルの言葉はわからない。キャンキャンキャンと吠えているようにしか聞こえない。
だが言葉が通じなくても、通じるものがあるのか、
「リルちゃん。頼りにしてるからね。」
とリルを撫でていた。
『まかせるんだぞー。』
「それにしても冒険者登録して、いきなりオークの討伐なんかしてよかったのかしら?はじめは薬草採取とか街の掃除とかから始めるって言ってたのに。」
「いいのよマリア。早く冒険者に慣れてもらわないと私もラッキーも困るもの。」
マリアは冒険者登録をしていなかったので、フロンダールの街で冒険者登録をした。もちろん
ランクはGランクだ。
ギルドで情報を集めた結果、フロンダールからは少し離れるが、中級のダンジョンがある事がわかった。全ての攻略は難しいかもしれないが、今までよりランクの高い魔物が出るのでレベル上げにはもってこいの場所だ。
しかし、中級ダンジョンへは冒険者ランクがD以上でないと入る事はできない。回復役のマリアがいた方がランクの高い魔物とも戦いやすいと結論づけたラッキー達は、まずは、マリアの冒険者ランクを上げる事にしたのだ。
流れはこうだ。オークを狩って、リルの食事を確保しつつ、マリアの冒険者ランクをGからFにする。Fランクになったら、フロンのダンジョンを攻略する。
初級ダンジョンは通常Eランクにならなければ入る事はできないが、Dランクの冒険者と一緒ならFランクでも入れるのだ。
そして、初級ダンジョンのフロンを攻略すれば、マリアの冒険者ランクはFからDにランクアップする。
Eランクを飛ばしてDランクに簡単になれるか疑問はあったが、マリアの素質である聖女が関係しているらしい。
初級ダンジョンを攻略したらDランクになれる。とマリアが言っていたのでその点は問題ないだろう。
全員がDランクになれば、中級ダンジョンに挑戦し、レベルを上げる計画だった。
『ラッキー。あっちにオークの匂いがするんだぞ。』
「あっ。リルちゃん。」
リルはマリアの腕の中から飛び出して森の奥へと駆けて行った。
「どうやらリルがオークを見つけたみたいだ。」
ラッキー達がリルを追いかけて行くと、そこには何度も狩った事のあるオークがいた。
「あれが・・・オーク。」
「リスボンにいるのと変わらないわね。どうする?」
「リルにまかせよう。問題ないだろうから。」
ラッキー達はリルとオークの戦闘を眺めていた。戦闘と言っても一方的にリルがオークを痛めつけているだけだったが・・・
「リルちゃんって本当に強かったんだ。!?」
「ああ。原初の森の主、フェンリルの子供だからな。正直俺よりも強いと思うぞ。」
「そうなんだ・・・。」
『ラッキー。いつもみたいに残りは持って帰ってほしいんだぞ。』
リルが食事をしながら、食べきれない所をラッキーにマジックバッグに入れるようにお願いしてきた。
「とりあえず安全にオークが狩れるのはわかっただろ?他の魔物とかもいるから俺とシルフィーとリルが中心に狩って行くからマリアは援護をお願い。」
「わかったわ。」
その後、オーク以外にも複数の魔物を倒していったラッキー達。この辺りの魔物のランクはオークを中心にEランクの魔物が多くいた。Dランクになっているラッキーにとっては問題なく対処できた。マリアも始めは戸惑っていたが数をこなすうちに慣れていき最後の方は連携も問題なく取れていた。
暗くなる前に魔物討伐を切り上げたラッキー達。
「それにしても本当にパンが出るのね。」
魔物を狩っている時にマリアがガチャスキルを見たいと言ったので、10回貯まっていなかったが、モンスターガチャスキルを使用してマリアにスキルを見せた。
カッコよく素質が手に入ればよかったのだが、結果は安定の食パンと人数が増えたからなのかどうかはわからないが、チョコ、クリーム、つぶあんの入った3色パンが2回出た。しかもデイリーガチャスキルからも3色パンが出た。
「今日は運が悪かったな。できればパン以外のモノが出るのも見せたかったんだけど・・・。」
(てか3色パンですぎだろ?3人になったタイミングで出るとかなんか操作されてる感じがするよな。もしかして出るモノって確率じゃなくて誰かが操作してるのか?)
「あら、私は3色パン好きですよ。」
「私も!!まあ私はメロンパンの方がよかったけどね。」
「シルフィーはメロンパン好きだもんな。」
『俺はコロッケパンが好きだぞー。』
「リルはコロッケパンが好きだってさ。」
「コロッケパンもメロンパンもおいしいですよね。ラッキー様。明日もガチャスキル見せてくださいね。明日はどんなパンが出るか楽しみですね。」
マリアの中ではラッキーのガチャスキルは色んなパンが出るスキルという認識になったようだ。
ガチャスキルの話をしながらギルドに戻ったラッキー達は素材を売却し、マリアは自分の家へ、ラッキー達は宿へと帰って行った。
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