第30話 100回目のメモリアルに神界では・・・
「ミラ!ようやく100回目ね。」
「うん。確率2倍だし良い素質が出るかも。」
「そうね。ラッキーの運なら期待できるわね。」
ラッキーがデイリーガチャスキルを使用すると、出て来たのはホットドックだった。
「あ~・・・パンだった・・・」
「ま、まあしょうがないわよ。ラッキーも言ってるじゃない。2倍って言っても0.6%なら、出ない方が普通だわ。モンスターガチャとの関係で考えたら、あっちがか確率10%だから、それの30分の1の確率だもの。2倍になっても15分の1だしね。」
「うん。」
「それよりも100回目に確率が2倍になるなんて、そんな事あったのね。ミラは知ってたの?」
「知らなかった。だけど今ならわかる。」
「どういう事?」
「ラッキーさんがスキルを使った時になんとなく理解したの。連続で使うとボーナスが発生するみたい。」
「連続で・・・。なるほどね。100回目っていうのは100回連続でデイリーガチャスキルを使ったって事なのね。1日でも使わなかったら連続記録が途切れるからボーナスもなくなるって事ね。」
「うん。」
「なら今後、200回300回と連続でスキルを使えば、素質が出る確率も上がっていくって言う事ね。」
「うん。」
「それは・・・ヤバいわね。今は2倍かもしれないけど、例えば、確率が10倍20倍、いや100倍とかになったら素質取り放題じゃない。」
「100倍・・・。なるかな?」
「う~ん。そんなすぐに100倍にはならないとは思うけどね。ラッキーははずれで出るパンも気に入ってるから途中で途切れる事はないと思うわ。なら今後更に素質を手に入れる確率が上がっていくのは目に見えてるわね。」
「うん。早く素質出てほしいな。」
「そうね。あっ!!そういえば父さんがミラを読んでたわよ。」
「父さんが?」
「ええ。今から一緒に行く?私も呼ばれてるから。」
「うん。」
ミラとマイは父ゼウスの元へ向かった。
ゼウスはミラ達のいる神界のトップだった。ゼウスの与える素質は勇者だ。下界での勇者の功績により、ゼウスは長い事神界でトップに就いていた。
「父さん。ミラを連れて来たよ。」
「父さん。久しぶりです。」
「おおミラにマイよく来た。」
「それで父さん。どうしたの?」
「うむ。それがな・・・ミラが与えた素質の事だ。この前上位神様と話す機会があって、ミラが与えたゼンパンの素質に話になったんだ。どうやら上位神様にとってもゼンパンの素質は特殊だったみたいでな。ゼンパンの素質にとても興味を持たれているんだ。」
「へ~。上位神様からしてもミラの素質ってやっぱり珍しんだ?」
「ああ。なんせ儂の知る中で、最も優秀な素質だからな。もちろん。儂の知らない素質もあるだろうし、上位神様なら儂の知らない素質も色々と知ってるだろう。その上位神様もゼンパンの素質の事は知ってたが内容はあまり知らなかったらしい。」
「上位神様でも知らない事があるのね。」
「ああ。多分更に上の位の神が作ったんだろう。」
「もっと上って・・・」
「ああ。この世の全てを作ったとされている創造神のムー様だろう。」
「ムー様・・・。そんな方がミラに素質を与えてくれていたの!?」
「儂もミラの素質を知った時にもしかしたら。とは思っていたが、まさか本当に創造神様から与えられていたとはな。上位神様から聞いて儂も驚いたわ。」
「それで?父さんはその話をするために私達を呼んだの?」
「いや、上位神様、今回興味を持っているのはゼロ様というのだが、ゼンパンの素質の事を定期的に報告してほしいと言われてな。ミラとマイが良ければ定期的にゼロ様にゼンパンの素質の事を話してもらおうと思って。」
「それは・・・。」
「父さん。ミラには無理よ。人見知りなのを知ってるでしょ。」
「それは・・・そうだが。今回の件で、もし上位神様に気に入られたらミラもマラも今よりも位を上げる事ができるんだ。これはチャンスなんだぞ?」
「それは・・・わかってるけど・・・。」
「ミラはどうだ?」
「私は・・・ゼロ様にうまく伝えられるか自信がない。」
「そうか・・・。マイはどうだ?」
「そうね。私も上位神様と話なんてしたことないから、うまく伝えれるか不安だわ。それにゼンパンの素質はミラの素質だし、私からゼンパンの素質の話なんてできないわ。」
「そうか・・・。なら図鑑を作るのはどうだ?」
「図鑑?」
「ああ。上位神様からは、直接話すのが難しいようならガチャスキルで出た素質やアイテム、パンなんかを図鑑に記録してほしいと言われている。」
「どうやって記録するの?」
「ゼンパンの素質を持ってる、ラッキー君だったかな?ラッキー君が図鑑を持っているだけで自動的に内容が更新されるみたいだからこっちからは特に何もすることはないよ。まあ、上位神様からいつ話題が飛んでくるか、わからないから定期的に見守って、内容を儂に教えてはほしいんだがね。」
「それなら大丈夫よ。」
「うん。ラッキーさんを見守って、父さんに伝える事はできる。」
「ならそれで決まりだな。上位神様にその事を伝えて図鑑を貰っておこう。」
「でも父さん。その図鑑ってラッキーに渡すのよね?」
「ああ。もちろんだ。ラッキー君が持たないと効果を発揮しないだろうからな。」
「ラッキーはいつも魔物の素材をパンパンにして持ち歩いてるわ。図鑑なんて持ち歩けないんじゃないの?」
「それは・・・。」
「マジックバック。」
「それよ!父さんマジックバックを一緒にラッキーに渡せばいいわ。」
「なるほどな。それなら負担もないか・・・。わかった上位神様にその事も伝えておこう。」
「よかったわね。ミラ。」
「うん。ラッキーさん。マジックバック欲しがってたから。」
ラッキーの知らぬ所で、ラッキーの欲しがっていたマジックバックを手に入れる為に、ミラとマイが行動を開始するのだった。
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