第29話 100回目のデイリーガチャスキル⁉
ラッキーが今日もデイリーガチャスキルを使おうとすると、いつもと違うアナウンスが流れた。
『おめでとうございます。本日で丁度100回目になります。つきましては・・・』
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アイン達のパーティとオークを討伐してから、ラッキーは森での魔物討伐に精を出していた。
朝起きてから、ギルドに行き魔物討伐の依頼を受ける。依頼を受けた後は森へ行き魔物を倒す。早めに切り上げてギルドで報酬を貰い、剣術の訓練をする。
ラッキーは3日依頼を受けては1日休みのローテーションをコツコツと毎日積み上げていた。
週に1回はアイン達のパーティと合同で依頼を受けて、刺激を受けていた。
森では、気配察知を使いながらウルフやボアを中心に狩っていく。トレントやコボルトなども倒せるようになっていた。
ラッキーにとっての優先順位は1番にモンスターガチャスキルを使う為に、魔物をたくさん狩る事。次にお金を貯める為に素材をたくさん売却する事だ。
ラッキーはもったいないという意識を奥底にしまい込み、倒した魔物の中でも高値で取引されるモノのみを厳選して持帰るようにしていた。
ウルフで言えば、牙だ。ウルフは毛皮も素材として重宝されるが、素材をその場で、はぎ取るのは時間がかかる。かといって丸まる持って帰ると他の素材が持って帰れない。
他の魔物で言えば、コボルトは討伐証明の角と魔石に武器や防具を、トレントは討伐証明の枝と魔石、ボアは討伐証明の鼻と魔石に一部の肉をそれぞれ素材として持ち帰っていた。
毎日毎日精力的に魔物を狩って、剣術の訓練にも精を出していたラッキーは大きく成長していた。
レベルは3から5へと上がっていた。お金も順調に溜まってきていた。そして・・・モンスターガチャスキルからも素材が3つ出ていた。
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「なんだ!?100回目!?」
『今日でちょうど100回目のデイリーガチャスキルの使用になります。特別に今日は素質が出る確率が2倍になります。』
(アナウンスの人って会話できるの!?・・・いや偶然か。って確率2倍!?・・・といっても2倍になっても0.6%って・・・確率低すぎない?まあでも、気配察知の素質以降は戦闘で使えない素質ばっかりだったから、丁度100回目って事でレアな素質が出るかも。)
ラッキーは森の魔物討伐をメインにするようになってから、モンスターガチャスキルから3つの素質を出していた。
その素質とは・・・【料理】、【掃除】、【踊り】の3つだった。
ちなみに、宿暮らしのラッキーは料理をする必要がない。それに公爵家にいた時も料理なんかはしたことがなかった。掃除も同様だ。宿の掃除は部屋の掃除は宿の従業員がしてくれる。公爵家にいた時も掃除は使用人がしていた。
そして、極めつけは踊りの素質だ。ラッキーは公爵家から追放されたので貴族ではなくなっている。踊りを披露する場など今の所、全くなかった。
ラッキーは今回得た【料理】、【掃除】、【踊り】の素質に関しては手に入れたまま全く成長させていなかった。いや成長させる気がなかったのだ。
なので、料理も掃除も踊りも全くできないままだった。
(モンスターガチャスキルからはちゃんと素質が出るんだ。まあ使える素質が当たるとは限らないけど・・・。だったらデイリーガチャスキルからも素質がきっと出るはずだ!!)
ラッキーはデイリーガチャスキルを使った。
現れた光は白!!
「白!!いや・・・なんかちょっと金っぽい光にも見えるぞ!!」
光が収まっていくと・・・
そこには・・・
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そこには・・・
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いつものパンが現れていた。
「結局パンかよ!!!」
今回ばかりは素質が出る事を期待していた。いや素質が出ると思っていたラッキーは誰もいないのにパンに向かって、盛大にツッコんだ。
「まあ確率2倍って言ってもこんなものか。期待して損した・・・。」
ラッキーはパンを拾い上げた。
「おっ!!これはホットドックか。まあパンの中じゃ当たりだな。」
出て来たパンはホットドックだった。
「まあ今まで出た事がないパンが出たから良しとするか。それにレベルもさっき5に上がったしな。」
どこまでも前向きなラッキーだった。そして自分のステータスを確認する。
レベル: 03 → 05
力 : 40 → 60
体力 : 38 → 58
敏捷 : 35 → 55
器用 : 33 → 53
魔力 ; 32 → 52
運 : 510
【素質】:ゼンパン(デイリーガチャ・モンスターガチャ)
【素質】:剣術(剣術がうまくなる。)
【素質】:気配察知(人や魔物の気配をがわかるようになる。)
【素質】:料理(料理を作るのがうまくなる。)
【素質】:掃除(掃除するのがうまくなる。)
【素質】:踊り(踊りがうまくなる。)
レベルが上がった時には素質が手に入っていたラッキーだが、レベルが4に上がった時にはモンスターガチャスキルから素質が出なかったのでレベルとスキルには関係性がない事を知ったので、今回レベルが5に上がって素質が手に入らなかった事に戸惑いはなかった。
「まあレベルとお金は順調だ。素質もまあ増えては来ている。ステータスもどんどん上がっている。Eランクに上がったらダンジョンを見に行ってもいいかもしれないな。」
そう言ってラッキーは、今日の森での魔物討伐を終えて、デイリーガチャスキルで当てたホットドックを食べながらギルドに向かうのだった。
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