第26話 オークとの戦闘開始・・・結果は?

ラッキーはアインのパーティとともに、討伐依頼を受けて、オークを倒す為に森に来ていた。


ラッキーは剣術の素質を持っている事と、気配察知のスキルが使える事をアイン達に伝えていたので、森の探索はラッキーを先頭に行っていた。


森を探索する事1時間・・・。ラッキー達はオークを見つけた。


「でかい・・・。あれがオークか。」


ラッキーはオークを捉えてそう呟いた。


「ああ。でかいな。しかも棍棒持ってる・・・。どうする?」


「大丈夫だ。アイン。オークの攻撃は俺が盾で防ぐ。アインとラッキーが接近戦で攻撃してくれ。ユキとシェリーは後方から魔法で攻撃してくれ。シェリーは森に火が付かないように気を付けてくれ。」


「ターキーさん・・・。はい。わかりました。」


(大きなオークを見てなにを怯んでるんだ。元々今日はオークを倒しに来たんだろ。オークは動きが遅い。ヘイトはターキーさんが稼いでくれるはずだ。俺は予定通りオークの後ろにまわって剣でオークを斬るだけだろ。)


ラッキーは初めてオークを見て怯んでいたが、両手で顔を叩き気合を入れなおした。


又、アイン達パーティも森でオークを見かけた事はあったが、今までは戦闘を行わずに逃げていたので、直接対峙した事はなかった。


今回初めて対峙すると予想以上に大きかった事でアインは動揺していた。


しかし、アイン達のパーティは優秀だった。動揺しているアインに変わり、タンクのターキーがしっかりと指示して建て直していた。


ターキーが大きな盾を持って先頭に立つ。両脇にはアインとラッキーが剣を握って様子を伺う。ユキとシェリーはその後方で杖を構えて魔法の準備をしていた。


「ターキー。助かった。予想以上にでかかったからちょっとビビっちまった。」


「ああ。大丈夫だ。相手はオーク1体。俺達は5人いる。作戦通りやれば問題ないだろう。」


「ああ。首を切り落とせれば、素材も傷めないで済むから一番いいんだが、そうもいっていられないな。ラッキー。素材の事は気にするな。まずは倒す事を優先しよう。足を狙って機動力を落とすか、手を狙って武器を持てないようにしよう。」


「はい。」


(そうだな。とりあえず、あの棍棒は脅威だ。後ろに回って背中を切り付けようかと思ったけど、側面から腕を狙った方がいいか。)


ターキーの左隣りにラッキーはいたので、オークの手はラッキーが狙う事になった。


先制攻撃はユキとシェリーだ。ミラの水魔法とシェリーの火魔法がそれぞれオークを襲う。


ユキは水魔法の素質を、シェリーは火魔法の素質を持っていた。どちらも同じFランクの冒険者。まだまだ駆け出しなので使える魔法は初級のボール系の魔法だ。


ユキのウォーターボールとシェリーのファイアーボールがオークに直撃する。


オークは自分の防御力に自信があるのか。それとも防御する。という考えがないのか、棍棒で防いだりせず魔法をその身に受けていた。


「ウガー!!」という声とともにオークが少し仰け反った。


そのタイミングでアインとラッキーがオークに向かう。ターキーもタンクとして正面にオークを捉えて前進する。


オークの目にはターキーの大きな盾が目に入っているんだろう。棍棒を大きく振り上げてターキー目掛けて攻撃する。


ガキン!!という音とともにターキーがオークの攻撃を防ぐ。だが、オークは力が強い魔物で有名でランクもEランク。ターキーは攻撃を防ぐ事は出来たが吹き飛ばされた。


(ターキーさんが吹き飛ばされた⁉やっぱりあの棍棒は脅威だな。でもこの隙に。)


オークが棍棒を振り下ろした所にラッキーが剣を思いっきり振り下ろした。


「固い!!」


ラッキーは草原でいつもスモールラビットやゴブリンの首を切断しているように、今回もオークの腕ぐらいは剣の一振りで切り落とせると思っていたが、オークの身体は予想以上に固かった。


ラッキーの剣はオークの腕を捉えたが、オークの腕が固かったので切り落とす事は出来なかった。


しかし、ラッキーの攻撃を受けてオークは右手に持つ棍棒を落とす。そしてオークの腕からは血が噴き出ていた。


「グガー!」と左手で血が出ている箇所を抑えて、落ちた棍棒を拾おうとするオーク。


そこに背後に回ったアインが背中を切り付けた。


予想外の所からの攻撃でオークは大きく仰け反った。その隙にラッキーはオークの棍棒をオークより先に拾い、後方に放り投げる。


「今だ!」


アインの声で、ユキとシェリーが再度魔法をオークに放つ。アインはオークの背後から次々にオークに傷を入れていく。


そして最後はラッキーがオークの胸を剣で突き刺した。


うまく心臓に刺さったのか。剣を突き刺されたオークはその場に倒れた。するとラッキーにはいつものアナウンスが流れる。


『Eランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと9体です。』


(よし。アナウンスが流れたって事はオークを倒したって事だな。)


ラッキーはオークに近づく。


「ラッキー!!気を付けろ。まだ死んでないかもしれないぞ。」


アイン達はラッキーのように討伐のアナウンスが流れないので、この場でオークが死んでいるのを知っているのはラッキーだけだ。


ラッキーはオークを触りながら死んでいるのを確認して、アイン達に死んでいる事を伝えた。


「アインさん。オークはやっぱり死んでます。」


「そうか。ターキーが吹っ飛んだ時は焦ったけど、なんとかなるもんだな。」


「ああ。俺達でもオークが倒せるのがわかったのは大きいな。」


「やったね。オーク初撃破!・・・でもこれどうするの?こんな大きいの・・・」


「そうだな。とりあえずラッキー。近くに他の魔物がいないか調べてくれ。」


「わかりました。」


オークを倒した、ラッキーとアイン達は周りを警戒しながら、オークの後処理を開始するのだった。

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