第25話 オーク遭遇⁉予想以上に・・・でかい‼

朝からラッキーは、そわそわしていた。


「武器も手入れしたし、アイテムも持った。大丈夫だよな。」


今日はアインのパーティと一緒に魔物討伐を受ける日だ。ラッキーにとっては初めての森になる。森の魔物はオークやトレントにコボルトなどEランクの魔物が出てくる。


今まで草原でFランクのゴブリンやスライム、スモールラビットを相手にしていたラッキーにとって、一ランク上の魔物はまだ戦った事がなかった。草原にも森から移動してきて見かける事はあったが、危険を回避して逃げていたからだ。


「とりあえず、剣術の素質を持っている事と気配察知のスキルが使える事は伝えても大丈夫だろ。ゼンパンの素質の事は伏せておくからデイリーガチャスキルもモンスターガチャスキルも使うのは控えよう。」


素質を持っていなくても、スキルを覚える事はできる。そして素質を持っていると関連するスキルを取得しやすくなる。


例えば剣術の素質を持っている者は、素質を持っていない者と比べて身体強化や気配察知などの戦闘に関わるスキルが多少覚えやすくなる。といった感じだ。


二つの素質を持っているのは珍しいので、ラッキーは素質は剣術のみで、気配察知はスキルとして覚えている。という設定で行動する事に決めていた。


「遅れたら感じが悪いから早めに出るか。」


ラッキーは早々に準備を終えて、集合場所のギルドへ向かった。


ギルドに着くと、案の定アイン達はまだ来ていなかった。それはそうだろう集合時間の1時間前に到着しているのだから・・・


「ラッキーさん。今日は早いですね。今日は森へ行くんですか?」

声を掛けてきたのは受付嬢のナンシーだ。


「ナンシーさん。おはようございます。はい。今日は森へ行ってオークを狩って来ようと思っています。」


「オークですか!一人じゃ危険ですよ。」


「あっ!!すいません。一人じゃないんです。アインのパーティと一緒に依頼を受ける約束をしてまして。ここで待ち合わせしてるんですよ。」


「フォースターとですか?なら大丈夫ですね。あそこのパーティは今森を主戦場としてますから。」


「はい。ソロじゃ不安だったので、俺もアイン達について行って、森の感じを掴もうと思ってて。」


「そういう事なんですね。わかりました。でも気を付けてくださいね。森の中ではオークが一番の強敵です。気は抜かないで下さいね。」


「はい。ありがとうございます。」


アイン達が来るまで時間があったので、ラッキーは資料室で森に出るオークの事を調べていた。


【名前】   オーク

【生息場所】 リスボンの森

【危険度】  ランクE

【特徴】  体調は2mを超える。大きい個体になると3mを超える者もいる。手に棍棒を持っている個体もいる。動きはそれほど早くないが力が強いので、攻撃には注意が必要。体重が150キロ~300キロある。オークの肉は素材として人気が高い。更に睾丸は滋養強壮の効果があり高値で取引されている。


「なるほど。オークの中でも大きさがまちまちで武器を持ってるヤツもいるのか。それにしても300キロって・・・5人で分けても一人60キロ。重すぎだろ・・・。まあ睾丸と一部の肉だけ取って持って帰る人がほとんどなんだろうな~。」


資料室で調べものをしながら、集合時間になったので、集合場所に向かうと、すでにアイン達が到着していた。


「おうラッキー。早いな。」


「おはようございます。早く着きすぎたんで資料室でオークについて調べてました。」


「おっ。ラッキーは勉強熱心なんだな。」


「まあ、死にたくないですからね。」


「そりゃそうだな。それじゃオークの討伐依頼を受けて森へ行こうか。」


フォースターとラッキーはオークの魔物討伐を受けて森へ向かった。


「ラッキーって剣術の成長が早いけど剣術の素質を持ってるのか?」


「そうだね。素質は剣術だったよ。あれ?アインも剣使ってるよね?アインさんの素質って剣術じゃないの?」


「ああ。俺が授かったのは身体強化だ。剣術と相性がいいから剣を使ってるんだ。まあ身体強化はけっこう便利だからな。俺は気に入ってるんだ。」


「そうなんですね。たしかに身体強化って便利そうですね。」

(アインさんって身体強化の素質なんだな。他の人はどんな素質なんだろう。てか素質ってあんな軽い感じで聞いて大丈夫なのか?)


「アイン!ダメじゃない。他人の素質を詮索するのはトラブルの元ってこの前も言ったでしょ。ラッキーも!聞かれたからって簡単に教えちゃダメよ。」


「やっぱり素質って簡単に教えるのっておかしいんですね。」


「そりゃそうよ。トラブルの元ね。ある程度はわかるだろうけど聞くのはマナー違反ね。」


「でもよユキ。ラッキーはもう仲間みたいなもんだし問題ないだろ。?オークを倒す上でお互いの素質を知っておくのも大事だと思うぜ。」


「そうだな。アインの聞き方は軽かったが、アインの言う事は一理ある。オークは動きが遅いとはいえ、力が強い。連携がしっかりしていないと危ないからな。」


「俺は気にしてないので大丈夫ですよ。言わなかっただけで俺もみんなの素質には興味がありましたから。」


その後、それぞれ素質の確認をして、連携の確認をした。しばらく森を探索していると目当ての魔物がいた。


「でかい・・・。あれがオークか。」


豚の顔を持つ2mを超えるオークを発見したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る