第8話 魔物を倒せ!!激突スモールラビット!?

ギルドの資料室に向かったラッキーはいつも薬草採取をしている草原と草原を越えた先にある森に出る魔物について調べていた。


「さて・・・さっそく魔物について調べるか・・・。何度も草原には薬草採取に行ってるから草原に出てくる魔物については把握してる。後は今の俺で倒せるかだよな・・・」


ラッキーは資料室で魔物のステータスや特徴、弱点について見ていく。


「草原に出てくるゴブリンやスライム、スモールラビットなんかは俺でも倒せそうだな。ステータス面でも問題ないし、それに鉄の剣と皮の鎧も装備してる。草原から出て森に行かない限りは大丈夫だろ。」


草原に現れる魔物はスライム、ゴブリン、スモールラビットだ。たまに森からウルフやオークなどが出てくる事もあるが、森に近づかなければ問題ない。


もちろん、ゴブリンは集団で現れる事もある。ラッキーが問題ないと言ったのは魔物が1体で現れた場合である。


「気を付けないと行けないのはオーク単体とウルフの集団、それにゴブリンの集団だな。焦らずに行けばいけるはずだ。よし!!今日の目標は魔物を10体倒してモンスターガチャのスキルを使う事だ。それに、魔物を倒せば報酬ももらえる。薬草採取だけじゃその日暮らしのままだったからな。」


草原の魔物について調べたラッキーは、装備品を再度確認して、草原に向かった。


「とりあえず薬草採取を終わらせるか。」


ラッキーはいつものように薬草採取を行う。毎日毎日薬草採取をしていたラッキーに取って、薬草採取は慣れたものだった。今ではもう毒草や雑草を取る事もないので、魔物を警戒しながら薬草採取に励んだ。


すると・・・


「おっ!!スモールラビットだ!!しかも1匹!!ちょうどいいじゃん。」


草原をピョンピョン飛び跳ねるスモールウサギを見つけた。

スモールウサギを発見したラッキーは鉄の剣を握りしめ、徐々に距離を詰める。


スモールラビットに近づいて行くとき、スモールラビットもラッキーに気づいたようで、ピョンピョンとラッキーに向かってきた。


「落ち着け!!ただのウサギだ。大丈夫だ俺!!昔からウサギは何度も狩っただろ!!」


ラッキーは子供の頃から護衛の騎士とともにスモールラビットはよく狩っていた。もちろん騎士達のフォローがあっての話だが・・・。ラッキーは剣を握りしめてスモールラビットが来るのを待ち構えた。


そして・・・


スモールラビットの突進にタイミングを合わせて、両手で持った鉄の剣を思いっきり振り下ろした。


タイミングはバッチリだった。


鉄の剣を受けたスモールラビットは「キュー!!」という叫び声をあげて吹き飛んでいった。


「やったか?」


ラッキーは吹き飛んでいったスモールラビットを凝視する。


すると頭の中で声が聞こえた。


『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと9体です。』


「おおーーー!!神様の話は本当だった!!10体倒せばモンスターガチャスキルが使えるんだ。しかも魔物を倒したかどうかもこれでわかるぞ。」


夢で聞いた話はウソではないと思ってはいたが、頭の中にアナウンスが流れた事で新しいガチャスキルを使えると確信したラッキーはハイテンションになった。


ラッキーは先ほど倒したスモールラビットに近づく。


「討伐を確認したって言ってたから倒してるよな・・・。うん。ちゃんと死んでるな。スモールラビットの討伐証明は丸い尻尾だったな。それに毛皮と肉を素材として引き取ってくれるって資料には載ってったっけ。」


魔物討伐は、魔物の討伐で報酬を得て、更に、魔物の素材の売却で報酬を得る事ができる。要は魔物討伐は冒険者にとってとてもおいしい依頼なのだ。


もちろん命を賭ける必要があるので、ハイリスクハイリターンではあるが・・・。

そして、魔物の素材をギルドまで持帰る事が前提になるが・・・


「解体なんかしたことないからどうやって毛皮と肉を取り出せば良いかわかんないや。ギルドに持って行けば解体してくれるんだろうか?だけど何匹も持って移動なんてできないよな。たしか子供の頃はマジックバックがあったからそれに入れてたよな~・・・。は~。さすがにマジックバックは高すぎて手が届かないな。」


ラッキーは解体の仕方をギルドで教えてもらおうと思い、とりあえず血抜きだけする事にした。


そして、討伐証明である尻尾を切り取り、血抜きをしたスモールラビットをその場に置いて次の魔物を探す事にした。リュックは持ってきていたが薬草がすでにパンパンに入っており、スモールラビットを入れる余裕はなかった。


「とりあえず今日は魔物を10体倒そう。スモールラビットだったら素材はあきらめるしかないか・・・。討伐証明の尻尾だけ集める事にしよう。」


ラッキーはその後、薬草採取はほっぽり出して魔物討伐に精を出した。


自分一人で魔物を倒せる事がわかったので、そこからのラッキーは積極的に魔物を探し討伐していく。


『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと8体です。』


『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと7体です。』


『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと6体です。』



『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと1体です。』


『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。10体の魔物の討伐を確認しました。平均討伐ランクはF。Fランクのモンスターガチャスキルを使用できます。』


「やったぞ。魔物を10体倒した!!。」


一日草原で魔物を探して、倒すを続けたラッキーは見事に10体の魔物を倒す事に成功した。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る