第108話 毒か劇薬か


 「それは見逃せないな」


 オーウェンに迫る禍々しい光。それを防いだのは学園長だ。

 無詠唱で氷の壁を出現させる。壁に阻まれた光は、音もなく霧散した。


 「オーウェン!」

 「聖女様、ご無事でしたか」


 安堵したように微笑む彼は、傷だらけだ。慌てて彼のもとへ駆け寄り、祈信術で傷を癒す。


 剣すら持てぬ状況で、教員と戦ったのだ。傷を負うのも無理はない。

 こんなときくらい、自分のことを気にすればいいのに。彼は真っ先に私の身を案じてくれた。


 「あなたこそ、無事でよかった」


 私の命に従い、目を光らせていたのだろう。その過程で、ハリス先生の異変に気づいたようだ。

 私たちの到着を信じ、傷を負いながらも耐えてくれたのか。


 「ふふ、感動のご対面って感じね。青春らしくていいわ。

 でも、どうしてここが分かったのかしら?」


 笑みを浮かべて問いかけるのは、ハリス先生だ。

 この状況で笑えるとは。逃げられないと悟ったのか、動き出す素振りもない。


 どこか楽しげな彼女に、苦い気持ちで口を開いた。


 「オーウェンが実技訓練場を出る前のことです。彼は、右腕を高く挙げてくれました。

 そこには金のバングルがついていた。オリエンテーションで、私たち生徒が獲得した物です」


 最終課題を終え、配られたバングル。手にしたのはこの森だった。

 声一つあげられない中、何とか出したメッセージ。森へ誘導するつもりだと判断した。


 「なるほど。彼の機転とあなたの的確な判断力が噛み合った結果ね。素晴らしいわ」


 そう告げる彼女は、いつも通りの微笑みを浮かべている。

 本当に、何も変わらない。窮地に追い込まれたとは思えぬ姿だ。


 「ハリス先生。いくつか質問しても?」

 「かまわないわ。もちろん、私が答えるかは別問題だけれど」


 どうぞお好きに。微笑む彼女に、公爵が苛立ちを露わにする。真面目な彼からすれば、彼女の態度が癪に障るのだろう。


 「随分と余裕だな? 自身の罪が暴かれ、死罪になるかもしれぬというのに」

 「あら怖い。なんて、言うと思って?」


 ねえ、アクランド嬢? 彼女は私に水を向ける。

 どうやら、私をご指名のようだ。


 「先生は、死罪を恐れはしないでしょう。……あなたはもう、長くない」

 「大正解! 満点をあげたいくらいね!

 そのとおり、私はもう長くない。そう遠くない未来に命を落とすでしょう」


 死体を操る術は、術者の寿命を代償とする。

 ハリス先生が一連の犯人なら、彼女に残された時間は少ない。ベント子爵領の事件は、7年以上前に始まったのだから。


 「それが分かっていて、なぜこのようなことを? 命を懸けるほどのものでしたか?」


 私は静かに問いかける。自身の命を懸けてまで、この惨状を起こす理由が分からなかった。

 間違いなく、王妃が関わっているのだろうけれど。それにしても、自身の命を天秤にかけるほどのことか。


 「ええ。意味はあったわ。だからこの事件を起こしたのだもの。

 いえ、一連の事件、というべきかしら。私がもう長くないと知っているのだもの。ベント子爵領の一件も、私が犯人と気づいているのでしょう?」


 彼女が明るい笑みで告げた。

 なぜ、そんな風に笑えるのだろう。優しかった先生が、今となっては恐ろしく見える。


 「自白してくれるとはありがたい。では、君は誰の指示で動いた?」


 公爵の問いに、彼女は「なんのことかしら」と首を傾げる。それに伴い、彼女の黒髪が揺れた。

 彼女の髪に懐かしさを覚えた日が、今では遠い過去のようだ。


 「とぼけるな。君一人でここまで大掛かりな事件を起こしたと? 一体、何のために」

 「私は術師ですよ? 単に実験したかったとは考えられませんか?」


 誰だって、自分の使える術は試したくなるでしょう? そう語る彼女に、公爵は声を詰まらせる。


 おそらく、理解できないモノを見ている気持ちなのだろう。

 分からなくもない。語られた理由が本心なら、同じ人間と思いたくもない。


 けれど、違う。彼女には、そうしなければならない理由があったはずだ。


 「先生、一つ質問を。なぜ、ベント子爵領をお選びに?」


 我が国には、多くの街がある。ジェノーネ帝国に比べれば小さな土地だが、決して狭い国ではない。襲う対象などいくらでもあったはずだ。

 その中で、なぜあの地を選んだのか。


 「ハリス男爵領から近かった、それだけよ。実験するなら、結果まで見届けないと。近場を選ぶのは当然でしょう?

 それに、死体を操るのって結構大変でね。術者はあまり離れられないの」

 「なるほど。ベント子爵領であれば、ハリス男爵領と隣接している。先生の希望に沿う土地です。

 学園で魔獣騒ぎを起こしたのも、先生が実験しやすい場所だったから」

 「そうよ。さすがアクランド嬢ね」

 「……なんて、言うと思いましたか?」


 私は首を傾げ、にっこりと笑う。先程の彼女の言葉を、そっくり返させてもらおう。

 予想だにしなかったのか、彼女はパチリと目を丸めた。


 「先生がベント子爵領を選んだのは、距離だけが理由ではない。一因ではあるでしょうが、他に理由があった」


 断言する私に、ハリス先生は眉を寄せる。そんな彼女に私は笑みを浮かべた。


 「ベント子爵は、以前から病に冒されていた。狙うには都合のいい土地です。対処するにも当主が思うように動けないのですから」


 病床にあった子爵は、でき得る限りの策を講じたけれど。万全とまでは言えなかった。

 当然の話だ。彼がどれだけ願おうと、身体が動くかは別の問題なのだから。


 「ハリス男爵領と隣接しているのは、ベント子爵領だけではありません。他の子爵領やケンドール辺境伯領も隣接しています。

 にもかかわらず、ベント子爵領を選んだ。それなりの理由があると考えるのが自然です。

 例えば、ベント子爵領だけは仲間外れだから、とか」


 私の言葉に、ハリス先生が目を見開く。良い反応を引き出せたようだと、薄い笑みを浮かべた。


 「ベント子爵があの地を治めているのは、他の伯爵家に託されたゆえのこと。決して、ケンドール辺境伯家から託されたわけではございません。ハリス男爵家や他の子爵家と異なり、ベント子爵家が属する家は別にある。


 つまり、ベント子爵領で被害が起きても、ケンドール辺境伯家には迷惑がかからないのです。仲間外れゆえに、実に都合のいい土地だと思いませんか?」


 私の言葉に、先生はガラリと表情を変えた。見開いた瞳は細められ、警戒の色を見せている。どうやら図星のようだ。


 「ベント子爵家がケンドール辺境伯家と繋がりのある家だったなら。最初から、選択肢にも入らなかったでしょう。

 ベント子爵領は仲間外れな、都合のいい地だったのです。

 ロクに防衛できず、助けを求めることも難しい。いつまでも苦しませることができる、都合の良い場所だった」

 「っ、ちょっと待ちなさい!」


 我慢ならなかったのか、ハリス先生が口を挟む。その顔には、どこか焦りの色が滲んでいた。


 「あなた、自分の言っていることを理解しているの? その言い方は、私だけでなくケンドール辺境伯家まで疑っているのと同義よ!」

 「いえ、先生。私があなた方と表現したのは、ケンドール辺境伯家を含みません」


 私の言葉に、先生は怪訝そうに眉を顰める。私の言い分が理解できないようだ。

 正しく伝わるように、はっきりとした声で告げる。


 「私が示唆したのは、ケンドール辺境伯家ではない。殿です」


 その一言に、場の空気が凍った。

 正確には、ハリス先生が凍り付いたというべきか。他の面々に驚きは見られない。誰もが王妃を疑っていたのだから当然だ。


 ハリス先生だけが、驚愕に目を見開いている。

 とはいえ、彼女とて、王妃が疑われたことに驚いたわけではない。王妃が怪しいと、驚いているのだ。


 「あなた……本気で言っているの?」

 「もちろんです、先生。王妃殿下と先生にとって都合が良かったと申し上げております」

 「なんてこと! 相手は一国の王妃よ!? 証拠もなく疑うなど、何と馬鹿げたことを……!」

 「嫌ですわ、先生。私、証拠がないと言いましたか?」


 頬に手を当てて、ため息を吐く。そんな私に、先生は息をのんだ。


 「これでも聖女と呼ばれる身。様々なことを見聞きするのです。例えば……不可解な取引とか」


 先生がピクリと指を震わせる。ブリジット嬢ほどではないが、焦りが見てとれた。冷静さを欠き始めたか。


 「王妃殿下の取引履歴が明らかになりました。

 興味深いことに、殿下は小さな薬屋と取引なさっていました。それも6、7年もの間ですよ? 御病気でもないのに、治療薬まで買われていたとか。侍医を頼れないご事情でもおありだったのかしら?」


 不思議ですね。そう語る私を、先生は凝視する。信じられないものを見るかのように、ただ目を見開くばかりだ。


 「その取引は、9月の上旬に終わりました。長い付き合いなのに、残念なことです。

 ……まあ、もっと残念なのは、店主が行方不明になったことですが」


 ちらりと先生へ視線を向け、笑みを浮かべる。一つ一つ逃げ道を潰すように、言葉を重ねていく。


 「そういえば先生。死体を操る術なんて、よくご使用になれましたね? それはジェノーネ帝国にのみ伝わる術。帝国ですら、使用者が少ない術と耳にしておりますが」

 「……そうね。でも、可笑しなことでもないのよ? 私の親戚は帝国出身だから……」

 「いやですわ、先生。素直に帝国のお生まれとおっしゃればいいのに」


 隠す必要などありませんわ。そう告げる私に、彼女は言葉を詰まらせる。

 バレないと思っていたのだろう。視線が助けを求めるように揺らぎ出した。


 「先生が洗礼を受けたのは、9歳の頃。ハリス男爵家へ養子に入ったときです。

 我が国の民ならば、出生と同時に洗礼を受けるもの。別の国で生まれ育ったとしか考えられません」

 「そ、れは」

 「そして、26年前。先生に良く似た子どもと会った人がいるのです。それも、スタンピードが起きていたケンドール辺境伯領で。

 我が国には帝国の情報が少ない。にもかかわらず、死体を操る術に詳しかったとか。

 幼いときより帝国の術に詳しい子です。今頃はさぞ、優秀な術師でしょうね」


 まるで先生のよう。微笑む私に、彼女は青褪めた顔を向ける。

 やはり、彼女があの少年なのだ。確信を得た私は、口角を上げた。


 「ハリス先生、我が国へようこそおいでくださいました。この国での暮らしはいかがです?」


 これが、決定打となった。

 彼女は愕然とした表情のまま、地面に座り込む。足の力が抜けたようだ。両の手を前につき、項垂れている。


 しかし、私が話を止めることはない。彼女にはまだ、その口で語ってもらわねばならないのだ。


 「10にも満たぬ歳で、国を出るとは相当なご苦労があったことでしょう。何を求め、我が国に来たかは存じ上げません。

 ですが、来た後のことは予想がつきます」


 その言葉に、彼女は顔を上げる。血の気が失せた顔へ、ひたりと視線を合わせた。


 「東方にある帝国から我が国を目指すなら、必ずケンドール辺境伯領を通らねばなりません。かの土地が、我が国最東端の地。国境を守る地ですから。

 子どもに過ぎないあなたが、スタンピードの前線に身を置いたこと。そして、今なお王妃殿下に従っていること。

 全ては、ここから始まったのでしょう?」


 私の言葉に、彼女は笑みを浮かべた。皮肉でも喜ぶようなものでもない。全てを諦めたかのような、自嘲の笑みだ。


 「そう……そこまでバレているのなら、隠すことも無意味ね」


 そう呟いて、彼女は語り出した。自身の生い立ちを。


 「私は、9歳のときに前ケンドール辺境伯に拾われたの。国境線沿いに倒れていた私を、辺境伯家の騎士が見つけてね。

 他国の民といえど、騎士として子どもを見殺しにはできなかったみたい。報せを受けてやってきたのが、前ケンドール辺境伯と幼い王妃殿下だった」


 彼女は目を細めて、在りし日の思い出を語る。その瞳は哀愁に満ちていた。


 「他国の子ども。それも、ロクに交流のない国から来た人間。処遇に悩む大人たちを前に、王妃殿下が言ったのよ。お爺様がいらないのなら、その子を私にちょうだい、ってね」


 人形を手に取るように、王妃は彼女を拾い上げたらしい。孫娘の我儘に、前ケンドール辺境伯は答えてしまったのか。


 行き倒れた子どもを拾う。それは決して、悪ではないけれど。


 「その後、私はハリス男爵家に引き取られた。ケンドール辺境伯の勢力下にあり、大した力のない家柄。

 丁度よかったのでしょうね。養子をとるのは、別に珍しい話でもない。男爵家という家格の低さも功を奏した。貴族の皆様が、わざわざ気にすることもなかったわ」


 そうして引き取られた彼女は、王妃に従うこととなった。

 彼女にとって、王妃は命の恩人。無理もない話だ。

 

 「命を救われたから、王妃殿下の願いを叶えたと?」

 「そうよ。大恩ある人間に報いたいと思うのは、当然ではなくて?」


 そう語る彼女に、私は眉を寄せる。

 可笑しくはない。その気持ちは、尊いものだけれど。


 「王妃殿下の願いが許されるものならば、美談で終わったでしょう。

 けれど、現実は違う。彼女の願いは、多くの民を傷つけた。結果として、命を落とした者もいる」


 先生は、恩人に報いたかったのかもしれないが。いかに美しい志であろうと、その行為を認めるわけにはいかない。

 無辜の民を苦しめた罪は、贖うべきだ。


 「あなたの立場で、王妃殿下を御諫めすることはできなかったでしょう。

 ですが、あなたを許すことはできません。いかに難しい立場にあろうとも、越えてはならぬ一線がある」


 そう言って、私は口を閉ざした。胸中には、苦々しい思いが巡っている。


 皮肉な話だ。王妃の気まぐれで救われた彼女は、今では王妃の願いにより命を削っている。

 王妃にとって、彼女はどんな存在だったのか。落ちていたお人形から、人くらいには変化したのか。


 「学園長。ハリス先生の拘束を」

 「ああ、任せてくれ」


 私の言葉に、学園長は背後へ指示を出す。後ろには、先ほどすれ違った守衛たちが控えていた。


 学園長の指示を受け、彼らは手早く先生を拘束する。

 彼女の手に、拘束具が取り付けられた。魔道具で作られたソレは、魔力の流れを妨げるものだ。これで抵抗の心配はなくなるだろう。


 自害を封じるため、猿轡をつけようとしたときのこと。彼女は不意に口を開いた。


 「アクランド嬢、一つ質問しても?」

 「ええ、もちろんです」


 彼女へ視線を向けると、どこか真剣な面持ちでこちらを見ていた。


 「ベント子爵領を選んだ理由は、もう一つある。あなたは、とっくに気づいているのでしょう?」


 その問いは、一番耳にしたくないものだった。

 分かっている。とっくに、分かっているとも。


 薄く笑んだ私に、彼女は瞳を揺らす。

 初めてだった。その瞳に、後悔の色が見えたのは。


 「その悔いを、決して忘れないでくださいね。あなたにはこれから、取調べが待っているでしょう。

 誠実に対応なさることを、望みます」


 そう締めくくり、守衛たちへ視線を向ける。彼らは一つ頷くと、彼女に猿轡を噛ませた。


 守衛たちに連れられて、遠ざかる彼女の背を見つめる。


 ごめんなさい。口にできぬ謝罪を、心の中で呟いた。


 私は、彼女を騙した。彼女はきっと、それに気づいていないけれど。

 

 王妃と彼女を繋ぐもの。それを明確に示す証拠はなかった。彼女が王妃に従ったという、物的証拠がないのだ。


 彼女は現行犯ゆえ、即座に拘束できた。

 しかし、王妃へ手を伸ばすには至らない。自身の手を汚すことなく、高みから見下ろすだけの人。そう簡単に、尻尾を掴ませてはくれない。


 今まで起きた事件には、どれも王妃の影がちらつくけれど。

 裁くには物的証拠が足りなかった。疑わしい点は多々あれど、決定打に欠けているのだ。

 このまま裁きの場に移れば、憶測だと逃げられる可能性が高い。


 ゆえに、先生の自白が必要だった。実行犯である彼女の口から、王妃との繋がりを語らせねばならなかった。


 私は推測に事実を織り交ぜて、彼女の自白を誘った。

 彼女は、私が全て把握していると誤解したのだろう。口を開いたのは、諦めたからに過ぎない。


 現実は違う。彼女の過去など、知る由もない。王妃との関係性も、所詮推測でしかなかった。


 王妃を裁きの場に引き摺り出す。そのために、彼女を騙したのだ。

 それを選んだ私に、謝罪する権利はない。自責の念は、腹の中へ収めよう。全ては、私の選択だ。


 「君は間違っていない」


 そう考えていた私に、ルーファスがはっきりと声を上げる。

 口に出していないのに、考えを察したのか。彼は真剣な瞳で、私を見つめていた。


 「いつも手段を選べるほど、世の中は甘くない。今がまさにそうだ。正当な手段に固執すれば、先生を裁くのが限界だ。王妃殿下を見過ごすことになる。


 必要悪という言葉があるだろう。もちろん、許容できる限度はあるけれど。

 少なくとも俺は、君の選択を認めよう。君の選択は毒ではなく薬だ。この国を蝕む病に効く、劇薬となるだろう」

 「ルーファス……」


 彼はそう言って、眉を下げて笑った。真剣な表情から一転、どこか悲しげに微笑んでいる。


 「でも、君にはあまり似合わない。この手の類は、適任者に任せた方がいい。

 世の中には、心を痛めずに劇薬を投下できる人間もいる。罪悪感を抱くのは、君が真っ当な人間である証だ。

 ……君がそんな選択をせずに済むよう、心掛けないとね」


 その言葉が、やけに耳についた。

 意図を聞き返そうとするも、それは思わぬ声にかき消されることとなる。


 「っ、コードウェル公爵! こちらに、おられましたか!」


 騎士の声が響き、空気が一瞬で変わる。

 相当焦っているらしい。日頃から身体を鍛えているはずの騎士が、荒い息を吐いていた。


 ただならぬ予感に、公爵が用向きを尋ねる。返ってきた言葉は、耳を疑うものだった。


 「お、王妃殿下が! 今すぐご息女を捕らえるよう訴え、場内に混乱が起きております! 陛下や我々が抑えておりますが、状況は極めて悪く……!」


 至急実技訓練場へお戻りを!


 必死の形相で伝える声が、遠くに聞こえる。

 唖然としている暇などないのに、頭の中が白く塗り潰された。

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