目を覚ました時に最初に見たものは見慣れない天井だった。

それと一緒に何かピピピという音がずっと聞こえてくる。

重たい瞼が持ち上がると共にゆっくりと意識が覚醒していく。俺は確か雨の中信号待ちをしてて、道路に飛び出した猫を助けようとして一緒に道路に飛び出した…それから…

思い出した俺はガバっと勢いよく起き上がった。辺りを見渡すと全く見覚えのない部屋の風景だった。ここはどこだ？俺は生きてるのか？

とりあえず音がなっていたスマホを止めると部屋の扉が開いた。

「姉ちゃんやっと起きたのかよ、今日入学式だろ？さっさと着替えて飯食った方が良いんじゃねぇの」

そこには全く知らない男の子が立っていた。制服を着てる辺り中学生くらいのように見える。なぜかわからないが俺は初対面のはずなのに頭の中でこいつ名前がわかる。

「な、夏希…」

「んだよ、姉ちゃんただでさえ色気もないんだからそんなボケっとしてたらいつまで経っても高校で彼氏なんてできないぞー」

そう言い残して夏希は行ってしまった。なんか色々ディスられた気がするがそんなことよりも俺の頭の中はハテナでいっぱいだった。

俺はあの時確かに車とぶつかった、それなのに血も出てなければ体も普通に動く。それに今あいつ、俺の聞き間違いじゃなければ…

「ね、姉ちゃんって、言ったのか」

身長が192cmもあってそこそこ筋肉もあるガタイの良い俺が女と間違われるはずがない。何かの間違いだろと思い部屋にある鏡に立つ。

するとそこに写った姿を見て俺は体も思考もしばらくシャットダウンした。

そして我に返った。

「だ、だれだああああああ？！！？！」

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