第7話明日を頑張る源

学校ではボッチの生活をし、放課後は佳華が来たり、来なかったりとそんな日常が1週間続いた。

俺はテスト期間に入り、学校は午前中に終わるので昼飯をコンビニで買い図書館に姉が迎えにくる約6時間テスト勉強をする事にした。

1時間課題という名の勉強したら、少し休憩と本を読み始め気がつくと3時を回っていた。

そろそろ勉強するかそう思い机のある場所に移動し、国語の漢字冊子を広げた

「松野さーん あいつらほんとにきもいー」

また騒がしい奴が入ってきた。

司書さんと少し話をした後、足跡がこちらに近づいてくる。

だいたい声で予想がつく、佳華だ。

佳華が俺の隣の椅子に座る。

「何してるの?」

「見てわかるだろ?勉強だよ」

え?お前が?みたいな顔をされ、少しイラっときた。

「なんか文句あんのか?」

「いやないけど、翔が勉強してるとこなんて見た事なかったから、珍しいな〜って」

そりゃそうだ だって俺勉強嫌いだし

「俺もやりたくないから代わりにやって」

冗談で言ってみたら

「いいよ」

と言い、漢字冊子を書き始めた。

「お前左利きなんだな」

シャーペンを左で持って書いていた。

「うん 珍しいでしょ!」

「まぁ確かに珍しいけど、俺も元々は左利きだったよ」

「そうなの一緒じゃん!」

俺は小さい頃左利きだったのだが、祖母に右利きに矯正されたのだ。

「左利きは早死にするらしいけど、お前はばあちゃんになって長生きしてそうだよな」

「翔って彼女いないでしょ?」

フルカウンターが飛んでくる

「うるせぇ 余計なお世話だ」

と俺と佳華は笑う。

漢字冊子を1ページ書き終わった頃に飽きたと、佳華は書くのをやめた。

明らかに違う字を見てこれ提出したら怒られんじゃね?とか思ったけど、さすがは定時制そこまで厳しくなかった。

俺は勉強をやめ、佳華と話し始めた。

「そういえば、いつから夏休みなの?」

「後2週間ぐらいだよ」

「俺たちと同じぐらいか」

「それがどうしたの?」

「いや 別に特に理由はないけど」

「ふ〜ん 翔は夏休み何するの?」

「俺は、多分友達と海で泳いだり、昼まで寝たりすると思う」

「え!? 翔って友達いたの?」

こいつ一回マジで説教しようかな

「友達くらいいるぞ多分 あっちが友達と思ってるか分かんないけど」

「うわ〜翔めんどくさ」

「おい」

まぁ確かにめんどくさいんだろうけど、友達の定義って本当なんなんですかね?

「まぁ中学ほとんど行ってなかったけど、いじめられてたわけじゃないから、普通に遊んでたしな」

「翔 不登校だったの?」

「あれ?言ってなかったっけ?」

「行ってないし、翔も不良じゃん」

確かに、俺の地元じゃ不登校の俺が1番の不良と言っても良いくらい平和だったが

「お前らよりマシだろ」

「私たちより?」

「お前ら、夜に出歩いて警察と追いかけっこしたり、児童相談所に送られたり、護身用とか言って刃物持ってる友達とかいてよっぽどそいつの方が危険だろ」

「あはは たしかに」

佳華が大爆笑する いや結構笑い事じゃないと思うけどな。

しかも児童相談所を児相と言ってて、馴染みなさすぎて何言ってるのか最初分からなかったしな。

「夏休みに危ないことするなよ」

「はーい なんか翔ってお兄ちゃんみたいだね」

おっとそれは俺が男らしくないと言ってるのかな?なんか男としては複雑だな。

「俺はこんなヤンキーみたいな妹いやだよ」

「私は翔みたいなお兄ちゃんがよかったけどね」

「あっそ」

こんなくだらないいつもの会話をしていると、いつの間にか6時を回っている なんが時間が経つの早いな。

「私そろそろ帰る」

「おう 気をつけて帰れよ」

「バイバイ」

「じゃなー」

佳華が帰ると、司書さんの作業する音、俺が本のページを捲る音だけになり、静かになる。

よしっ 明日も頑張って学校行くか




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