第5話心地いい日常

今日は、周りをうろちょろする寺田が学校を休み、いつも通りのボッチ生活を過ごしていた。

寺田は少し前から、たまに学校を休み始め、最近頻度が増してきた。

あいつも、そろそろいなくなるなー とそんな考えが浮かぶ。なぜなら、入学し、先輩とまだ帰っていた頃、クラスの俺みたいな暗い系の人と仲良くなりたく勇気を出して話しかけ、少し話すようになったのだが、1週間ぐらいで学校を辞めた。

決して、俺がいじめたとかではない この学校は入学こそ簡単なのだか、卒業する人数は半数程度になるそんな学校なのだ。

まぁ1人には、慣れているし、特に困ることもない

別に寺田と仲がいいかと言われたら、そんな事はないし、俺は1人でもいいそう思っていた。

いつもと変わらない1日を過ごし、いつものように図書館に向かった。

いつもの決まったソファーに座り、本を読む。

いつもと変わらない俺の日常だ。

俺はこの図書館が好きだ、音を立てるな、喋るなみたいな雰囲気ではなく、子供たちの心地いい会話などが聞こえるゆるっとした雰囲気が好きなのだ。

「ねぇ〜聞いてーマジであいつらムカつくー」

うるさい奴が図書館に入ってきて司書さんに絡む。

仕事の邪魔をしてるにも関わらず、司書さんは笑顔で対応する。

まったく誰だよ騒がしいな〜とか思っていると、足音が近づいてきて、俺の隣に座る。

え?だれ?とか思い本から目向ける。

隣に座ったのは最近この図書館で知り合った佳華だった。

「お前かよ 騒がしい奴は、やっぱりヤンキー女じゃん」

「もうーヤンキー女じゃないって」

「いや〜どっからどう見てもヤンキーだろ 司書さん困ってたじゃないか」

「困ってませんー 私は翔より前からこの図書館に来て松野まつのさんとお友達なんですー」

「あっそ そりゃよかったな」

友達と困らせるのは別だと思うけどな。

「翔っていつも図書館にいるの?」

「ん?まぁー暇だからな」

佳華が笑う

「へぇ〜じゃあ私がたまに遊びにくるよ」

「そりゃ どうも いい暇つぶしになるな そういや今日寺田は休みだぞ」

「だからどうしたの?」

あれ?お前ら友達とかじゃなかったの?

「いや寺田と話すために来たのかなと?」

「知り合う前から図書館には来てるし、私あんまり寺田好きじゃないしね」

「あっ そうなの?」

こわ 女子こわ はっきり言うじゃん もしかして俺もなんか言われてんのかな?

「なんで嫌いなの?」

「別に嫌いなわけじゃないけど どうでもいいって感じ」

女子のどうでもいいが一番怖いと思うけどね。

「だって知り合った日に家まで送るとか言って付いて来たし 普通に怖くない?」

寺田 あいつすごいな

「まぁたしかに そうだな」

そんな会話をしてると喉が渇いてきたので自販機に飲み物を買いに行く。

ここは先輩らしさを見せるチャンスなのでは?と思い。

「なんか飲むか?好きなの選んでいいぞ」

「いぇーい ありがと」

かわいいなこいつ 今度からも奢ってやろ。

図書館の外にある椅子に腰掛け、飲み物休憩をする。

その間もくだらない話をして飲み物が空になると、ゴミを捨て図書館に入った。

その頃には6時を回り、近所の子供達は帰り、中には司書さんと俺、佳華の3人だけになっていた。

佳華がまた、司書さんに絡み話している。

まぁ他に誰もいないし、司書さんもあらかた仕事が終わったようで佳華と楽しそうに話している

時々、俺に話が回ってきて司書さんと佳華、俺の3人で話す。

静かにしないといけない図書館で普通の声で笑いながら話すというのはあまり出来ない体験で楽しかった。

俺のスマホがブーブーと振動し姉が迎えにきた事を知らせる。

「じゃ俺帰るな あんまり遅くならないよう気をつけて帰れよ」

「うん バイバイ」

そう言い俺は図書館を後にする。

学校ではボッチの俺だが、放課後は話す相手がいる俺にとっては、すごくありがたい事だ。




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