救世主



890:名前:1

職質された(絶望)


891:名前:恋する名無しさん


892:名前:恋する名無しさん

出鼻挫かれ過ぎで草


893:名前:恋する名無しさん

早朝、レインボーな挙動不審(逆上がり中)の奴が居たらまあ声かけるわな


894:名前:恋する名無しさん

確かに


895:名前:1

お前ら早起きかよ……恥ずかしいからあんまり反応ほしくなかったのに


896:名前:恋する名無しさん

>>1

で、今はムショ?


897:名前:1

違うわ!!!


898:名前:1

同級生の子が助けてくれた

マジで頭真っ白なったけど、おかげで冷静になれた


899:名前:恋する名無しさん

あぶねーな 危うく数時間は拘束されてたぞ


900:名前:1

うん ほんとに感謝してる


最初の方の会話だけど


お巡りさん「ちょっといいかな?」

俺「えっ」

お巡りさん「すごい汗だね 何してたのかな」

俺「あっあっ」

お巡りさん「答えられない事かな?」

俺「て、鉄棒……」

お巡りさん「本当に? 何か隠してない?」

俺「すいません、ほんとに、回ってました」

お巡りさん「……ポケットの中身見せてもらえるかな」


901:名前:恋する名無しさん


902:名前:恋する名無しさん

回ってました(迫真)


903:名前:恋する名無しさん

変なお薬やっててもおかしくないwwwww


904:名前:恋する名無しさん

お巡りさんは悪くないな


905:名前:1

で、ポケットの中身はもちろん潔白だったんだけど

挙動不審過ぎて、そのまま怪しまれてさ……そんな時に同級生が声かけてくれたんだ――



目の前には俺より身長の高い同級生。

ランニング途中なのか、ジャージ姿の彼女。


如月さんの親友である初音さんだ。


「……まさか東町君が居るなんて思わなかったよ~」

「ごめんなさい……」

「気にしないで~」


あの後。

彼女に職質されているところを見られた。


《――「あの~、その人クラスメイトなんですけど~」――》


見られているだけならよかった。普通に割って入って助けてもらえた。

めちゃくちゃ恥ずかしい。


いや、恥ずかしいなんて言葉で片付けて良いんだろうか?

コレ――クラスメイトに話されたりしない?


「あはは~、大丈夫。別に言いふらしたりしないよ~」

「! そうしてくれると助かる。本当にただの趣味でやってただけで」


多分顔に出ていたんだろう。

そんな人じゃないとは思ってたのに、失礼だったな。


「ん~……」

「な、なに?」


公園。背には鉄棒。

そんな俺を――彼女はその高い身長で見下ろす。


「わたし、毎日この時間にランニングしてるんだけど~、君は初めて見たなって」

「……今日から始めたんだ。鉄棒」

「なんで~?」


安価で決まったから――そう言えるわけもない。

鉄棒で何が得られるだろうか?

そのメリットと理由を結び付ければ良い。

簡単だろ――俺の普段の高速レス返しちからを持ってすれば。


……あ、無理だわ(CPU稼働率100%)。


「なんとなく……」

「……」

「こう、衝動的に」

「……ん~?」

「なんとなくです……」


泣きそう。そのまま頭を下げる。



「あはは~、ごめんごめん。からかっちゃった」

「っ……そういえば、なんで俺のこと知ってるんだ?」



いたずらに笑ってそう言う彼女。ドキッとした。

というか、初音さん普通に俺と喋ってるよな。


俺よりも高い身長(大体170㎝ぐらい)だけど、驚くぐらい威圧感が無い。

性格かな。

俺とは真反対のコミュつよ人間なんだろう。


「『怪しい人』があやのんに話しかけてたからね~」

「えっ」


「というか、その髪色で知ってるも何もないと思うけど?」

「……あ」


「何か変な人だね~東町君。急にカレーの話し出すし」

「……うっ」


聞いてたのかよあれ!

さっきから抉ってくるんだけど。あとそんな顔近付けないで。何なんだ? 俺は弄られてるのか? 


目覚めるぞ(変態)。



「――助けてくれてありがとう初音さん。この恩はいつか返すよ」

「っ!?」


「俺は鉄棒に戻るから。じゃあまた学校で」

「う、うん~バイバイ」



陰キャの開き直り術(発動確率超低)が発動。

何かが吹っ切れたので、力強くそう言って俺は鉄棒に戻る。

さあ、行った行った。


後、それ以上付き纏われるとなんかその。

汗ばんでるシャツとか大きい胸とかが色々と、ね?

今更意識してしまうというか。ジャージって良いですね(不審者)。



「ん~?」



少し歩いて、振り返る彼女。


それに気付かないフリをしながら――俺はもう一度回る。

俺は逆上がりマスターになるんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る