森のポスト局
「やっぱり、開けなきゃ良かった無視無視。勝手にやってろ。魔王だかあほうだかしらないが」
「グリーナ、一応全部開けてみろよ」
手紙はほぼ同じような内容であった。
「
グリーナさん、その手紙普通のでは無いんです。
分霊魔法がついています」
「分霊魔法って何?」
「手紙を書いた本人のその時の感情と会話出来ます」
チャンドラはグリーナの家では、それ専用魔法力が無いと説明した。
「じゃ、森のポスト局に行けば大丈夫なのか」
「グリーナ、行ってみようぜ」
「まぁ、暇だし行くか。手紙ももう嫌だし。
さぁクマ行くぞ。チャンドラ頼む」
「承知致しました」
チャンドラは軽く飛びながら、クマが引く荷車を先導した。
森のポスト局は森のはずれにある。
大街道から森の小道に入る入り口に建っている。
その大街道を進むと、首都サクラギにたどり着く。港街サクラギを中心に街道で各都市へと繋がっていた。
チャンドラの案内で局内に入り、一般受付カウンター右目に奥の部屋へと案内された。
局に入った辺りからグリーナの持ってる手紙の封筒がわさわさと動きだしていた。
「繋がりましたね。分霊魔法」
「それより、あいつだれなの」
グリーナの指刺す先には、海パン一丁で暴れるように踊り狂ってる小太りな男がいた。
「あの方はワイハイさんです。グリーナさんのように分霊魔法の契約をされてない方々でも使えるようにする係です。あのダンスはその魔法です」
「あ、賢者さーん。ワイやワイ。ワイは今日もハイだぜぇ。
やっほぅーい。イエース、イエース。プリーズトライゴートゥヘブン♪」
「凄い生き方だな、ある意味尊敬にあたいする」
「最近カフェや施設にも居ますよ。最近ではレンタルで自宅に住んでもいただけます」
「地獄だね」
そんで、あの杖を天にかざしてるおじいちゃん達はなんなの」
「あの方々は、契約した者が自宅でも分霊魔法やその他の便利魔法が使える様に、遠くまで魔法陣を飛ばしています。元上級魔法使い様達で今は引退されて、局で働いて頂いています。通称5人の爺が集まりファイブジーと呼ばれてます。以前は4人だったんですが、いずれ6人などに増える予定です」
「グリーナ、それより手紙開けてみろよ」
「あ、そうだった」とグリーナは封から手紙をだした。
「こらーー ぼけー アホか。どんだけ無視するじゃこのくそ賢者」
女子の金切りヒステリック声にグリーナは耳をふさいだ。
「これが、送り主か。結構怒ってるな」
「その手紙、1番新しいやつだろ。お前に無視され続けられたからな」
「喋れますよ。リアルタイムの送り主様では無いですが、新しい手紙なので比較的最近の感情かと」
「こんには。わたしグリーナ、仕事は賢者。貴女はだあれ?」
「うん、わたし魔王のりゅんぱよろしくね、、
ってアホかー!誰が初チャット相手みたいな会話しろってゆうたんじゃー」
「だってわかないもん。なんで魔王がわたしに喧嘩売ってくんのよ」
「知りたいか?賢者。教えぬ事もないぞ。条件次第では」
「いや、そこまで知りたくはない」
「そんな事言わずに聞きなさいよ」
「嫌だって」
ムジナが窓の外の夕日を指刺す。
「とりあえず聞くだけ聞こうぜ。もう閉局になるしよう。また、明日来る羽目になるぜ」
待ってましたとばかりにりゅんぱは話始めた。
「わしは今世界征服を企んでおる。いやもう世界征服は始まっている。わしを倒したたくば、暗黒城までくるが良い、、ふふふ」
「無理かな」
「なぜじゃ」
「面倒くさいから、魔王なんて知らないし」
「そーゆう問題じゃなかろう!世界を征服するのじゃぞ。意味わかってんのか?お前」
「グリーナさんそろそろ定刻で終わりになります。ワイハイ魔法切れますよ」
ワイハイとファイブジー達も帰り支度を始めていた。
「待て、待つのじゃ。たしかお主グリーナと言うたな。シィムラではないのか?」
「うん、わたしが後を継いだ」
「それは困った、、」
その声を最後に分霊魔法は切れた。
「こいつ変な事言っていたな」とグリーナは全員の顔を見渡す。
「明日シィムラ様の元へ聞きにいきませんか?わたしもお休みですし」
ムジナとクマもうなづく。
「そうだね。おばあちゃんの名前も言っていたし、何か知ってるかもね」
翌朝グリーナ達はシィムラの家に行く約束をして、
チャンドラとわかれた。
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