第102話焼肉の日!

 肉についての話 

 

 世の中には色んなお肉がありますが、私なんかが買うお肉はスーパーの細切れや切り落とし、バラのスライスなどを焼いておかずとしていただきます。 

 

 比べてみた所、細切れは焼きには合わず硬くタレをつけても味気ないく、余り味として良くない、大して切り落としは部位によっては美味しく食べれました。 

 

 ただ焼いて食べるならダントツでばら肉が最高で、脂と赤身のコントラストに肉本来の甘味や味わいを感じて肉だけでおなかいっぱい食べたい衝動に駆られるも、米とタレとあわせると極上でまさに言う事なしの味でした。 

 

 肉なら焼けばなんでも美味いだろうなんて考えが、まさに吹き飛ぶ瞬間でもありました。 

 

 部位によっての適正な煮るや焼くといった調理法に、また肉の大きさも関係していてただデカければいいという訳ではなく、ちゃんと美味しく、噛み切りやすく食べれるサイズというものが存在するのだと再確認しました。 

 

 肉の塊にかぶりつきたいなら、クリスピーポークやトウロンポウ、牛の頭の回でやった様に徹底的にとろとろに煮る必要があるんですね。 

 

 そして生肉、レアについてもまた勉強をしました。 

 

 レア=生ではないと言われ、火が入ってピンク色になってこそのレアであり、火が十分に入っていないレアはただの焼きミスでありレアではないと、牛カツの動画で断面を強調する見せ方をするが、多くの料理人がレアではなく、生の状態でレアカツとして取り扱っている事、その点トンカツの分厚く出すお店は流石しっかりと火が入っている事。 

 

 生だとユッケの様に細かい細切りじゃないと、噛み切れず飲み込むのに苦労するとか、ユッケや刺身の様に薄く切ってやっと心地よく噛み切れて飲み込めるのだと、最適な肉のサイズやカットがある事をしっかりと実感した次第です。 

 

 みなさんは私の様に安いからと細切れや切り落としではなく、焼いて食べるなら値段が高くてもしっかりばら肉をかう事をお勧めします。 

 

 また細切れや切り落としも、ただ焼いてタレをつけるだけだと味気ないですが、適切な調理のもと食べればしっかり美味しいのだと思います。 

 

 そしてそんな八百万は本日焼肉の日、焼肉定食の日ではなく、焼肉の日なんでございます。 

 

 各部位を丁寧に下処理、ものによってはボイルして適切なサイズにカットして、後はお客様に焼いて食べてもらう。 

 

 タレと塩の二種類があり、この日の為に炭火を用意して万全の体制で今日を迎えた。 

 

 S級冒険者 絶剣のイグナシオ 

 

 イグナシオは他国で活躍する冒険者でブリタニアやウェールズには護衛任務の付き添いで来た。 

 

 八百万の話を知っていはいても、そこまで興味がある訳でもなかったイグナシオ、街の案内人にブリタニアで名物、飯を食うなら八百万と紹介されて来たにすぎない客だった。 

 

 入って席に座ると、今日は肉の日と言われこの店では毎日違ったものを出し決まったメニューはないのだとか?地龍の盛り合わせ、内臓ありのセットか、豚なら七色豚、これも内臓もセットでだしていると言われ、地龍を選択。 

 

 地龍に七色豚とは中々に高級な肉を扱うと思いつつも、内臓?そんなものまで出すのか?とちょっと心配になる。 

 

 出された盛り合わせの肉は、地龍のカルビ、上カルビ、ロース、ハラミ、タン、ミノ、シビレ、テッチャン、センマイ、レバー、ツラミと書かれて豪華に盛られている、量も中々に申し分ない、なんなら二人で食ってもいいかもしれない量だ。 

 

 高級店で地龍のステーキなんか頼んだら、物足りない小さなステーキで金貨が飛ぶ、切って出すだけで客に焼けっていうのは?手抜きじゃないか?と思いながらも、なるほど自分の好きな加減で食えばいいって訳だと、ステーキの様にレアだウェルダンだなんて料理人に言う必要もないのかと納得し、網に肉を並べる。 

 

 つけあわせのキャベツの塩漬けときゅうりのつけもの、キムチなる辛い白菜のつけものを食べつつ焼けるのを待つ。 

 

 こうして食べると、キャベツの塩漬けもうまいな、それにこのキムチ辛くてたまらなく美味い!なんて待っている、タンからどうぞと書いてある札通りタンから焼いているわけだが、焼き具合が自分のタイミングだから中々難しい、意外と焼けているか見極めるのが難しいのだ。 

 

 そろそろと思いタンを食うと、ザックリとした食感に今まで味わった事のない肉の脂の味に驚く!タン!?これ舌か!うめぇな!脂がしっかりあるのにさっぱりしている所もいい!おいおいおい!これにはアレなんじゃないか?エールなんじゃないか?と思いエールを頼むとビールならあると言われ、何でもいいから頼むと、ああラガーって奴か?と思わせる酒が出る。 

 

 グっと飲むとしゅわしゅわと口と喉を刺激する。 

 

 ごっごっごっんたはぁ~!うめぇい!!!こいつはいい!ロース!みちみちとしたむっちりした肉の感じが美味い!ハラミも柔らかく味もしっかりついている。 

 

 カルビ!んほ~肉の脂がたまらねぇ!どれもうめぇじゃないの!?いいよいいよ、自分のタイミングで焼くのも悪くねぇ。 

 

 ミノにシビレ、濃厚な脂でもぐいぐいいけちまう!んでもってビールですっきりと言う無限のループ!腸だ胃だなんて注意書きがしてあるが、なんてことはないどれも悪くねぇ所か場所によってはとろとろで上品で全然うめぇ!。 

 

 センマイ、おっとこいつはごりごりザクザク、いい食感じゃないのこりゃあハマるわ! 

 

 レバー・・・・・こいつがちょっと赤くて怖い、表面を軽く炙るだけでもお勧めと書いてある。 

 

 その通りにすると、んお!とろとろとして悪くない、癖も感じるが俺は結構好きだな。 

 

 ツラミ、頬肉やわらけぇなぁ、こりゃあ楽しめるぜ! 

 

 なるほど、こんなのが毎日出るなら、そりゃ飯食うのも楽しくなるわけだぜ。 

 

 んでもってこのビール?ただ単に冷えてるだけじゃねぇ、味が澄んでて飲みやすく、のど越しといい癖になる。 

 

 すげぇな、どれをとっても質の悪いものが一つもない、一つ一つ些細なものが非常によくできていて客を満足させるものになってる。 

 

 こんなもん、他の店と比べたら格が二つ三つ軽く違う上に、内臓なんて珍しいもんまで安全に食えてしかも滅茶苦茶美味いって相当だぞ!?ん?そういやこの店は米を食わせる店と聞いたけど、米がでなかったな?周りの人間も米は食ってない。 

 

 あと生の魚なんかも使うっていわれていたけど、今日じゃないのか?少し残念だ。 

 

 お嬢ちゃんを呼んで会計をすませるが、その安さに驚いて、何度も何度も聞き直した。 

 

 ついでに米は今日はでないのか?って聞いたら、お客さん的にも米食いたい!!!って言う客もいたんだけど、肉が高級な肉だから今回は肉だけでおなか一杯味わってほしいという店主の考えだとか。 

 

 あれだけ安くて、肉だけで腹いっぱい食べてほしいって、店的には米の方が安く売り上げもあがるだろうに・・・・・・なんつう店だよ。 

 

 あ~あちくしょう、気に入っちまった。 

 

 旅先でお気に入りの店が出来ちまうと、これが結構きつい。 

 

 なんせ自国や自分の家に帰ってから思い出して、腹が減るからだ。 

 

 ちくしょう、羨ましいぜウェールズの住人が!!!

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