第28話寿司を食べよう!!

 アーサーさん達の為に、お寿司を用意、今回は日本の赤酢をシャリに混ぜ込んで、普通の酢飯よりももっとまろやかで食べやすい酢飯に仕上げた、異世界にもいい調味料多いし、面白い塩や調味料などが結構沢山あるのだが、酢や醬油、味噌などは流石に日本の方が圧倒的に優れている、そもそも醬油の種類だって日本は圧倒的に多い、甘口から濃い口、珍しい物なら白醬油なんてものまである。 

 

 スーパーに並んでいる醬油達も一見似たりよったりに見えるが、味を確かめてみると違いは意外とわかるもので、卵かけご飯に合う醬油もあれば、牡蠣醬油なんて旨味抜群の醬油なんてものもあるくらいだ。 

 

 昔は職人さんを守るためにと工場での大量生産は質が良くない、悪い物が入っているなど言われる事もあった、確かに当時は儲ける事優先で質の悪い醬油や味噌などを作る時代もあっただろうが、時代は流れる物で、質を求める人間も沢山増えた、その結果工場の生産でありながら、味と質、そして健康面にも気を使った良いものが生産され、そして良く売れる時代になった、もちろん現在でも昔ながらの作り方を曲げず、少数ながらも安定的に質のいい醬油や独特の旨味のある味噌などを生産してくれる生産者さんはいる。 

 

 日本人の醬油や味噌、酢など調味料にかける情熱はすさまじい。 

 

 ちなみにワサビも日本のいいものを使っている、そしてこれを細切りにして食感を残しつつ、梅を叩きカツオ節を混ぜたものと一緒に巻いた、ワサビ巻き、俺はこれが大好きだったりする。 

 

 マグロにそっくりのシーザートゥルーの赤身、中トロ、大トロ、カマとろ、スナズリと握っていく、スケルトンデビルは甲イカの様にこりこりとしたのが特徴的だ、砂ヒラメの大きなえんがわに、引き締まった身、とろけ魚シリーズのとろアジ、とろけイワシ、シェルジュエルの綺麗な貝柱、樹氷ブリの握りに、エンジェルシュリンプの身、雲ウニ、影アナゴの座布団握り、地龍の霜降り5点握り、完美鯛の鱗がサクサクとしているマツカサ揚げの握りと沢山用意した。 

 

 足りなかったら追加で握ろう。 

 

 アーサーさん達は、ここまできた旅の疲れを落として来たのか、宿泊客用の浴衣姿で現れた。 

 

 「いや~大浴場の素晴らしい事といったら!景色も最高で種類も豊富でまだまだ入りたいくらいだ!」 

 

 「すげぇよな、疲れがほんとに吹っ飛んじまった、俺の肩ごりごりだったのに、今じゃすっきりだ」 

 

 「いい湯だった、体の老廃物が綺麗に排出された様だ、見ろ!この私の美しい肌を!!いや、ガウェインはやっぱりみるな!」 

 

 「最高でしたね!これは風呂だけでもくる価値はあります!」 

 

 お風呂を堪能してもらった様だ。 

 

 「いらっしゃいませ~、今日はお寿司です!お酒もありますので、ごゆっくりご堪能ください」 

 

 「これが寿司!生の魚なのか!大丈夫なのだろうか?」 

 

 「斗真さんは神様の加護持ちですからね!今まで美味いけど腹痛で死ぬと言われていた、魚や肉を生で調理してくれるのです!安心安全に生の魚や美味なる肉が食える!その他にも毒物なども排除してくれるので、貴族、王族ともに毒見などの手間もかからない、これは検証済みで例え第三者が斗真さんの知らない所で毒を食器や料理に仕込んでも、無毒化すると言う素晴らしい能力です!美味いけど当たると死ぬ目にあう鉄砲貝を死ぬほど食べても!まったく問題なし!肝は美味いが、食うと死ぬ猛毒の魚の毒すら無毒化して、美味な食事に変えてしまう!超レアスキルの持ち主です!安心して食べましょう!しかも斗真さんの無毒化スキルは計測した限り、96時間!つまりここで食事をすれば4日間は毒に犯される心配がありません!レアな薬草採取に難易度が高かった猛毒地帯を無毒、無傷でいって帰ってくる事が可能なのです!」 

 

 「麻痺の魔法や、かすり傷だけで致死量になる毒なんかにも効くのか?」 

 

 「もちろんです!聖女クリスタの神殿に封印されている、神話の毒と疫病を封印を解いて無効化させ消滅させる事に成功しました!ちなみにこの事は極秘で国王様には報告されています。もちろん教会から聖王国までこの事は伝わっているでしょう、教皇様がぜひ聖人様を我が国にと教皇自ら聖女クリスタにどうか失礼のない様に、我が国に遊びに来てほしいと打診があった程です!」 

 

 「ああ・・・・・折角の念願の寿司を前に、私の頭が痛くなる事を・・・・・こんな事が各国に知れ渡れば、斗真殿をぜひにと言う国は後を絶たないだろう・・・・・斗真殿!!いかないでくれ!!我が国を見捨てないでくれ!!!」 

 

 「否、いきませんよ。もうギムレッドさんも不安になる様な事言わないでくださいよ、折角のお寿司なんですし、ああ先にお酒で乾杯しましょうか、これも日本のお酒で米で作ったお酒なんです、僕は飲めないけど、美味しいって話なんで、どうぞ、副将軍と言うお酒です」 

 

 「おいおい、随分と綺麗な酒だなぁ、水みたいだ」 

 

 「将軍が国王、副将軍を公爵にみたてたのですね、いい考えです」 

 

 「ほら、アーサーお前の酒だぞ」 

 

 「うん?ああ、頂くよ、んぐ・・・・美味いなぁ!確かに米の風味を感じる!」 

 

 「この酒は凄いなフルーティーな味を感じるぞ!」 

 

 「どことなく甘さがあるのだが、すっきりして飲みやすい!変なえぐみや苦みなどないぞ!これはいい」 

 

 「どうぞ、お寿司もお好きにつまんでください」 

 

 「俺が食ったのは地龍の五つだったが、今回はいろんな魚だな!シーザーの赤身から・・・・うぉ!美味いな!こりゃ酒との相性もいいぞ!」 

 

 「とろアジにとろイワシ!生だとこんなに違うのか!?鮮烈な美味さだ!」 

 

 「夢にまで見た寿司、この綺麗なピンク色の奴を、もぐもぐ!んんっ凄い!これが生の魚なのか!!口の中でとろけたぞ!」 

 

 「見た目は簡単なのに、味は簡単じゃねぇな!どれも複雑に違う!」 

 

 「完美鯛のぷるぷるのしっとりした身でありながら、鱗はさくさくで美味い!」 

 

 「お爺様が私に食わせてやりたいといっていた寿司、なんて美味さだ!樹氷ブリのねっとりと極上の身!エンジェルシュリンプは甘くぷりぷりで美味い!」 

 

 「見ろ!この影アナゴのでかさ!もぐもぐっ!ふわふわでタレが甘くて美味い!一つ一つが主役みたいな料理だな!」 

 

 「砂ヒラメか!このこりこりとして甘い脂が溢れるのは!!」 

 

 「シェルジュエルは見た目がまず美しい!味も宝石並みだ!」 

 

 「雲ウニ、初めてみるし、見た目はよくないが味はとろけるほど美味い!濃厚で!そこに酒を飲むと!綺麗に流れ消えていく様だ!!」 

 

 「地龍の肉もまた美しいな!これはかなり上等な個体なんじゃないか?」 

 

 「レオンさんって冒険者さんが狩ってきてくれたんです。美味しいですよ」 

 

 「最近話題の黄金のレオンか!シーザートゥルーの赤身に似ているが、全然違う!噛み応えがあり、しっとり溶けていく旨味!炙ってあるのはまた別物の様に味が違う!生と火を通した物でこれだけ味に違いが出るなんて!」 

 

 「シーザーだって体の場所でこれだけ美味さが変わるのも不思議だよなぁ!カマとろも本当に美味い!なんだこの美味さ!」 

 

 「間違いなく王家の晩餐より美味いぞ!これ!」 

 

 「私が先に食べたと聞いたら、国王は羨ましがるだろうなぁ、はっはっは!私だってたまには羽を伸ばしたいのだ!!ラウンズかSSだからとなんでもかんでも私に仕事を振って!冗談ではない!・・・・おぉ~!この影アナゴのしっとりふわふわな身、美味すぎる!!」 

 

 「斗真の旦那!ここではイールまで美味く料理するんだろ?イールの寿司はないのかい?」 

 

 「出せますよ、出しましょうか?」 

 

 「おうよ!人数分頼むぜ!」 

 

 「おい!イールってあのイールか!?」 

 

 「貧民も食わんイールか、そういえば最近は駆除してくれって話がぴったり止まったな、あれも頭痛の種だったんだが」 

 

 「そりゃそうよ、あれだけあったイールを斗真の旦那は美味く調理しちまったんだ、この街の名物になりつつあるぜ」 

 

 「本気か!?」 

 

 「本気も本気!八百万と言えばイールの日ってイールの料理を出す日があるんだが、もう大人気よ!!聞けばタートルもどきも美味く調理できるって話だが、まだタートルもどきを食った事はないな」 

 

 「あのイールを・・・・否斗真殿なら可能だろう!私もぜひ食べてみたい!」 

 

 「あいよ!イールの血には毒があってね、その血を徹底的に取り除いた、生の握りと、蒲焼きの握り、んでタレじゃなく塩で食う白焼きの握りになります」 

 

 「生は俺も初めてだな、どれ!うん・・・おぉ~!生でもいけるな!旦那!美味いよこれ!」 

 

 「くっガウェインの癖に・・・・私がここで怖気づく訳には・・・・もぐ!もぐ?うん?あれ美味いぞこれ」 

  

 「だからそう言ったじゃないか」 

 

 「臭さも嫌なぶよぶよ感もない、シャキシャキしてすっきりとした淡泊な身だ、蒲焼きは・・・・・うん!これは美味い!私は蒲焼きが好きだ!これはいいぞ!!イール!まさかこんなに美味く化けるとは!!次は白焼き、うん!タレほどのインパクトはないが、これはこれで美味い!さっぱりとしていいじゃないか!」 

 

 「イールの調理法は商業ギルドでも販売しているんですが、チャレンジする料理人も中々いないし、いても諦める人も多いのが問題ですね、どうしても八百万より劣った味になってしまう、八百万の調理が一種の完成形なんですよね」 

 

 「他の街でだったらまだしも、同じ街で優劣つけられると、料理人も傷ついちゃうからなぁ、八百万の方が美味い!って言われるのわかってて手を出す奴はそういないよなぁ」 

 

 「他の街で地道に流行らせるしか、今のところは道はないですかね」 

 

 「私だけ得をしたな、街の駆除にもなり、なお美味い!いい気分だ!!」 

 

 「おう!そういえばこれ土産だ!店で使ってくれ!キングサファイアシュリンプ!中々にデカいし大量だろ!しかも美味いぞ、アーサーの好物なんだ!明日の昼にでもだしてくれよ」 

 

 これまたおっきいエビ、しかも綺麗だ、めちゃ美味そう!!何作ろうかな?それにしても凄い量だ、これならお店にも出せる、ありがたやありがたや。

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る