第32話

「お疲れ様〜」


みどりが仕事から帰ってきた。


「勝手に見ないでよね」


俺が先に帰って、ペットの太郎と戯れてるのを、勝手にみどりに設置されてたペットカメラから監視されていた。


「いいじゃないの」


そんなことはどうでもいい。


「ちょっと、こっち座って」


「ん?」


みどりをソファーに座らせる。


「今日、緒方さんと会った」


「えーまじ?しぶといな。柊くんだめじゃん」


「で、なんか、いきなりパーカー脱いだんだけどさ…」


「お?急展開?なに?」


「それが、裸で」


「へー!大胆!で、守はどーなった?ガン見?」


「いや…なんか…もしかしたら…」


「ん?なに?」


「男なのかな?」


みどりは目をぱちくり。


「えーと、何がそう思った?」


「お相撲さんみたいな感じなんだよ。全部お腹みたいな?埋もれてるというか…」


「この間下着になったんじゃ?」


「そうなんだけど…お腹は見てないし、裸じゃなかったし…」


「乳は見たんでしょ」


「いや、見たけど、丸くないんだよ!四角いし…なんか、よくわかんない。男の裸なら見たことあったし、たぶんそんな感じだった気がして」


「うーん、緒方さんって人はぽっちゃりしてるの?」


「…わかんない」


体型なんて、気にしたことなんてないし。友人の多喜が太ってたくらい。


「守には女の子に見えなかったってこと?」


「うん」


「じゃ、私は?見える?」


「そりゃ…そうでしょ?牛だし」


「じゃ、私のと比べて見る?スーツ脱がしてくれるかな」


「…でも、触ったらダメだって…」


「守はぎゅってしたくなるから、それしなければ大丈夫。私の言う通りにして」


「…わかった」

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