第30話

朝、駐車場近くをうろうろして待つ。他の先生たちがどんどんやってくる。足助、今日退職らしいけど本当にやってくる?不安だ。もう、仕事はじまるんじゃ…。

すると、この間見た車が颯爽と入ってきた。足助先生はいつもギリギリなのかな?

ぱっと車から降りたので、慌てて近寄る。


「足助先生!お願いです」


「え…緒方さん?…なんでここに」


困ってるけど、でもでも…


「私と、寝て下さい!お願いします!」


ぱっと着ていた厚手のパーカーをはだける。中は裸にしておいた。私の身体は、学生の頃から人気だったから、間違いなく男はみんな好き。足助先生だってそう。


「え…お、お相撲さん?」


え!?


足助先生は不思議な顔をして、そのまま通り過ぎようとする。


「ま、待って下さい!」


足助先生の細い腕を掴む。私が掴んだら折れてしまいそう…だから控えめにした。


「忙しいので。失礼します」


手を振り払われて、さっさと行ってしまった…。

もしかして、お相撲さんって…私のこと?太ってるってこと?そんな…ひどい。

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