第6話:レベルを上げて魔力で殴る
レベル上げを開始して1週間、大分レベルが上がった。
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ステータス
名前:アンナ・セリーニ
職業:無
種族:人(?)
レベル:213
ランキング:未実装
スキル:魔力操作Lv8、魔力感知Lv5、魔術Lv6、魔法Lv1
称号:奴隷、魔術師、魔法使い、引きこもり、本の虫
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なんと現在のレベルは213。1週間狼狩りをしていただけなのだが、かなり上がった。レベルの上昇と共にステータスも上がり、
とはいえ、すでにレベルが中々上がらなくなってきているので、そろそろ探索・・・いや、先に蜘蛛狩りにでも行こう。理由?魔力が大量にあるから超級魔術でゴリ押しできそうだからっていうただそれだけ。
あとステータスが上がったおかげか、魔術の発動速度も速くなったし、新たに覚えた魔術もあるから試してみたいっていうのもある。
ということでいつも通り隠密魔術を使用し、蜘蛛のエリアまで移動する。
「・・・どういうこと?」
無事に蜘蛛のエリアまで着いたが、そこに蜘蛛はいなかった。かわりに中心に鍵が落ちており、それ以外には何もない広い空間が広がっていた。
「明らかに罠だよね・・・?」
とりあえず索敵魔術を使ってみると鍵がある付近の地中に何かがいることがわかった。
ということでまずは地中の魔物を排除するための魔法を使う。
――
発動と共に、地面から口が生え、地中を喰い漁る。
キィィィィァァァァァッァ!!!!
そしてやたらと甲高い悲鳴と共に、ワームのような大きな魔物が姿を現した。全身から黒いモヤが出ており、その魔物の腹には蜘蛛の顔や蜘蛛の足が生えており、非常に気持ち悪い見た目をしている。
そして口を大きく開き、口の中に真っ黒な糸の塊が集まっていく。が、それをそのまま見逃すはずもなく、
「はぁ!?」
が、私が放った魔術はワームに当たる直前に、何かによって防がれ消えていった。
溜が終わったワームが大量の真っ黒な糸を私に放ってくる。
「っ、
ガキン!
自分を囲む
「
大量の水で押し流そうとするが、水が出た瞬間から消されており、僅かに押し戻せたかな程度。
「ちぃっ!」
まだ
「何で一切のダメージも与えずに消される?そういうものなら
ミシミシミシ
何が有効か考えようにも、私が張った
「えぇい!一か八か!
一か八かで放たれたどこか神秘的な輝きを持つ雨は、次々と糸を溶かしていき、私の周りにあった糸も消えていった。
キィィィィィ!!!
そしてどうやら本体にもダメージがあったらしい。先ほど吐き出した大量の糸を頭上に持っていき雨を防いでいる。
「なるほど、光系統が弱点なのね。ならこれでどう?
一本の光線がワームの身体を貫く。
ギギギギギィィィィ!!
かなり効いているようで、痛みに悶えている。だが、黒いモヤが開いた穴に集まり、徐々に怪我が塞がっていく。
「面倒な能力ね!
これは指定した領域に光の上位属性である陽属性を付与するというもの。陽属性であるホーリー系統の攻撃が黒いモヤを貫通してダメージを与えていたので、これを使えばあの黒いモヤをどかせるのではと思ったからだ。
キ“シ“シ“シ“シ“イ“イ“イ“!!
そして私の予想は間違っていなかったようで、モヤがどんどん消えていく。
「これで止めよ。
モヤが消えたワームに刃の付いた竜巻が襲い掛かり、ワームを切り刻んでいく。
ギギギギ・・・シュアアアア!!
最後のあがきとして、黒いモヤを集めて作ったと思われるブレスを放ってくる。
「対策がわかれば問題ないわ。
私の目の前に神々しい盾が現れ、ブレスを完璧に防ぐ。そして数秒後、力尽きたワームは地面に倒れ、姿を消していく。
「ふぅ、何とかなってよかった」
ワームが消えた後、その近くに宝箱と鍵が現れる。鍵は回収して、宝箱を開ける
「パンパカパーン!!」
中に入っていたのは服一式。下着には白に金の刺繍が入ったブラにTバック。上は襟付きのノースリーブシャツ(丈短め)に、下はホットパンツ。靴は茶色のレースアップロングブーツ(丈が長く、紐が上まで通っているやつ)。
とりあえず着てみた。
「なんか・・・結構露出凄いハズなのに落ち着く。」
最初が胸と股が辛うじて隠れる布切れだったからだろうか。“服を着ている“という感覚があり凄く落ち着く。
実際に着てみると、シャツは丈が短いし、ホットパンツも当然丈が短くて腰上も短いからお腹が結構でてる。ジャケットのおかげで隠せるけど、ジャケットなかったらつらかったかもしれない。
あと、思ったより、というかものすごく動きやすい。全然動きを阻害される感じがない。それと靴があるのが大きい。いまのいままで裸足だったからね。気にしてなかったけど、あるとないのだと歩きやすさ・走りやすさが違う。ドロップで服が手に入ってよかった本当に。
・・・あとはこれがやたら頑丈とか自動修復とかそういう機能があったらいいなぁ。せっかく手に入れた服をボロ布にはしたくない。
「ま、気にしても仕方ないかな。戻るか。」
そして拠点に戻り、少し休憩。食事は相変わらずクソまずい肉だけど、さすがに20年毎日食べ続けていたら慣れる。
「んー、残りの鍵取りにいくかぁ」
人形の館を探索して以降、探索よりもレベル上げと鍵回収に集中していたせいで、ダンジョンの探索は進んでないけど、残りの鍵がありそうな場所は大体見当がついている。
「なんかクソでっかい蜂がいるんだけど。」
ということで、大広場の左側手前にある通路を進んでいき、突き当りにある広場で中ボスっぽいのを見つけた。
見た目は普通の蜂。ただし、サイズは2mくらいあると思う。それが広場の中心で寝ている。
――
蜂が起きないうちに、私がもつ魔術の中で最も単体火力が高い魔術を打ち込む。
「なっ!?」
だが、そいつは瞬間移動でもしたのかというスピードで動いて回避する。さらに何か飛ばしてくる。
「バリッ・・・ギッィィ、
それを防ごうとするが間に合わずに左目に刺さる。目が溶けるような痛みがする。それを我慢し、追撃を防ぐためにより頑丈な
「っーーー!!
めちゃくちゃに痛いが、必死に我慢して針を抜き、解毒と治癒を行う。最悪なことに針には返しが付いていたようで、眼球が完全に取れてしまったが、そんなこと気にしている暇はない
ザクッ!
針が土壁に突き刺さり、それが中にまで入ってきた。このまま何もせずにいたらこれに刺されて死ぬだろう。無論、そのつもりはないが。
「
ガンガンガン!!
そして暴風が収まると、まさに目にも止まらぬ速さで部屋の中を飛び回りつつ、様々な角度から針を放ってきて、それが
「チィッ!
再び
「
動きを鈍らせるため、一定範囲内に存在するものを中心に引き込む魔術を発動し、蜂の動きを制限させる。
「
ドドドド!
さらに石の弾幕を張り、動きを制限。何発か羽に当たり、大きく体勢を崩した。
「
そこで相手の動きを完全に止めるために、粘性の強い泥を蜂に被せる。蜂はどうにか避けようとするが、体勢が崩れていて避けきれず、泥を剥がそうともがいている。
――
そして動きが止まったところで蜂がいる空間を切断し、蜂は真っ二つとなって消えていった。
「ふぅぅ・・・これで3つ目。とりあえず体綺麗にしよ。
いつも通り宝箱と鍵が現れ、鍵は回収。宝箱も開けて中身を確認する。
「えっと・・・義眼?とピアスか」
義眼の方は人形の館で手に入れた義肢と同じようなもので出来ている。ピアスは三日月をモチーフにした形になっていて、三日月の中に赤い宝石が浮かんでいるような形になっている。
「一旦帰るか・・・。ピアスはともかく義眼はこれ絶対痛いでしょ。」
欠損した腕と脚を付けるときもそうだったし、眼球を入れるとか絶対にアレより痛い。痛みに悶えているうちに魔物に襲われましたとかってなったら最悪だ。
その後は特に何もなく拠点に戻った。
「ふぅ・・・、まずピアスから付けるかぁ。」
とりあえずピアスから付ける。穴は
「あっ、鏡もあの館から回収しておけばよかったな。そしたらここで見た目確認できたのに。」
まぁ、あの時は義肢がまともに動かなかったから仕方ないけどね。落ち着いたら取りに行こう。
「さて・・・これを付けるかぁ・・・」
とりあえず左の眼窩と義眼を
「ぐ・・・ぐぁぁぁぁ!!!!!」
すると義眼から生えてきた何かが頭に入り込むような感じがして、めちゃめちゃ痛い。
痛みで気絶し、痛みで起きるということが幾度となく繰り返され、まるで拷問でも受けているかのような気分になる。
早く終われ早く終われと思いながら耐え続け、20分ほど時間が経ってようやく痛みが引いていった。
「ふぅ・・・まじで痛い・・・やばい。」
あまりの痛さに便をベッドの上に漏らしてしまう。汗も酷い。
・・・とりあえず片付けよう。
尿と糞は通路に穴を掘って埋め、汚れは水である程度洗い流し、その後清潔魔術でベッドと身体を綺麗にする。ベッドや服が新品だから汚したのは地味にショックだったけど、清潔魔術で完全に綺麗にできるのはいい。頑張って覚えてよかった。
「さて・・・、この義眼も魔力を通さないといけないタイプかな。」
痛みに耐えて付けたはいいものの、何も見えない。手足を付けた時と同じような感じなので、それらと同じように魔力を流す。
「・・・相変わらず流すの大変だな。」
義眼がどんな感じに機能するのかは不明だが、これを起動するにはそこそこ時間がかかりそうだ。
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