第4話:一つ目の鍵
そしてエントランスに戻り、階段を上って2階へ。2階は建物右側に2部屋、左側に2部屋という作りになっている。まずは右側の一番奥から探索しよう。
「ここは書斎か・・・、本が沢山ある。」
部屋の中は壁一面に本が設置されており、中央には座り心地の良さそうなソファが設置されていた。
こんな時でなければ、ここでゆっくり本を読みたいのだがそうもいかない。また襲ってくるかもしれないので、急いで部屋の中を探索しよう。
本の後ろにいないかとか、本棚が動いたりしないかとか、色々試したけどいなかった。とりあえずこの部屋にあった本は全部私のアイテムボックスに入れておいた。本は後で読む予定だ。
さて、次の部屋にいこう。
ゴーンゴーン
そして丁度部屋から出たところでチャイムが鳴る。
カツン、カツン・・・
そして階段から剣を持った人形が上がってくる。その人形が私の姿を確認すると、手に持った剣をこちらに投げてきた。
「――っ!
ガン
咄嗟に
バリン!
「グゥッ!」
その蹴りは私が張っていた
私は途中まで組み上げた魔術を切らさないように意識をしっかり保ち、最後まで組み上げる。そして
スッ
しかし、それをマトリックスの如く上体を反らして避けた。
「うっそ!?」
かなりの至近距離で放ったのに避けられるとは思わなかった。私は急いで次の魔術を用意する。
そして相手が態勢を立て直したところで、こちらの魔術式が完成し、
ザンッ!
その直後、人形の背中に私の発動した
「なんか回数を追うごとに強くなってない?これ後々きつくなっていくやつでは?」
回数を追うごとに強くなるなら早くメイド人形見つけないと。
気持ち急いで次の部屋に入る。ここには錬金術や調薬に使われると思われる道具が大量に置かれていた。何に使うかわからないが、とりあえず道具類は全てアイテムボックスに入れた後、隠し扉がないか探すが、特に何もなかった。
建物右側にはいなかったので、次は左側へ。2階左側も二部屋しかなく、まずは手前の部屋から探索する。
どうやらここは寝室のようだ。キングサイズのベッドが部屋の奥中央に置かれており、左側にクローゼットと大きな姿見、右側には大きなドレッサーが配置されている。
私は最初に姿見を見に行く。
え?なんでかって?そりゃぁいまのいままで自分の姿を確認したことがないからだよ!こんなタイミングで自分の姿を確認することになるとは思わなかったけどね!
姿見の前に立ち、自分の姿を確認する。
見た感じ身長は160くらい。顔は非常に可愛くどこか幼い印象を受ける。背中の半分辺りまで伸びた綺麗な銀髪が、神秘的な美しさを演出している。
・・・これで服がボロでなく、右腕も欠損していなければ完璧なのだが、これはこれでいけないことしている感じのエロさがあってよい。
自分の姿を確認したところで探索を再開。クローゼットを開けるが中に服は入ってなかった。残念・・・。それはそれとしてまともな服は欲しかったんだけどなぁ。
ないものは仕方ない。このまま寝室の中を探索する。
ゴーンゴーン
寝室を捜索中にチャイムがなったので私はいつでも攻撃できるように魔術発動の準備を行う。
ダン!
ドアが開くと同時に魔術で撃退しようと思ったら、ドアを破壊しながら突進してきた。
「っ
パリン!
咄嗟に
しかし相手はすぐさま剣を振り下ろして追撃してくる。私はなんとか身体をひねって回避する。振り下ろされた剣はベッドに深々と突き刺さる。
人形が剣を抜いている間に距離を取って
キンッ!
しかしこれを難なく弾き、再び近づいてくる。
キンッ!
私が続けて、人形の後ろから放った
「クッ、
ガンッ!
剣がこちらに届くよりも早く、下から石壁が生えてきて、相手の剣を防ぐ。
「
続けて
「ふぅ・・・。やっぱ段々強くなってきているよね。明らかに対応よくなっているし。早く攻略しないとどんどんきつくなっていきそう」
急いでメイド人形を見つけないと。
それから寝室内を探索するも見つからず、隣の部屋を探索するがこちらは空室で何もなかった。
そして今はエントランスにいる。
「あと見てない所っていったらここくらい?オブジェクトに何かあるのかな?」
そう思ってエントランス中央にある謎オブジェクトを調査する。すると台座の後ろに小さなドアが設置されていた。
そのドアをあけると中にメイド人形がいた。
ニチャァ
私に見つかったメイド人形は不気味な笑みを浮かべる。
ピカッ!
「うわっ、眩しい!」
恐ろしい笑みを浮かべたと思ったら、突如人形が発光して目が眩む。視界が戻ると小部屋にいたメイド人形はいなくなっていた。
「どこに行っ・・ガハァ!!」
どこに行ったのかと周囲を見回そうとすると、背中から強い衝撃を受けて吹き飛ばされる。
「ゴフゥッ!」
壁に強く身体を打ち付け、意識が飛びそうになるが、どうにか意識を保ち私に攻撃してきた奴を視る。
キヒヒヒヒ!!
するとメイド人形が宙に浮きながら爆笑しており、その人形の前に探索中に私を何度も襲ってきた剣を持った等身大の人形が4体いた。
そのうちの一体が手に持った剣をこちらに投げてくる。
「
ガン!
咄嗟に
直後、私が作った壁が破られ、先ほどまで私がいたところに兵士が剣を振ってきた。
「ちぃっ!」
とにかく急いで距離を取り、どうにか攻撃に転じる状態を作ろうとする。
ガシッ!
しかし後ろから兵士の一体に身体を掴まれてしまう。
「なっ、何を・・・」
そして私の身体を掴んだ人形は私の身体を思いっきりぶん投げた
「ウワアアアア!!!!―――ッア!!
咄嗟に
ドン!
その後、私が投げられた方向で待機していた人形が、まるで私をボールかの如く蹴り飛ばす。
「グアァ!」
私は反対側の壁に強くめり込み、その衝撃で
「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!!」
キャハハハハハ!!!
エントランスには私の叫び声とメイド人形の笑い声が響き渡る。他の人形も一緒に笑っており、私に攻撃してくる様子はない。
――
私は今がチャンスだと襲い来るに痛みに必死に耐えながら、超級魔術の
そして私は次の攻撃を放つ。
「
私が流した水は一気に凍り、人形も一緒に凍る。そして最後に
「
凍ったメイド人形に向けて、私の最大火力である空間切断をぶつけて身体を切断。すると取り巻きの人形とメイド人形が消えていき、その後に部屋全体が綺麗な光に包まれる。
屋敷の中は綺麗な状態に戻り、先ほどまでメイド人形がいた場所には大きな宝箱と、その上に鍵が置かれている。
そして私の足の傷は塞がっていた
「ふぅ・・・なんとかなった。というか運が良かった・・・」
あの人形が、私を殺す気だったら間違いなくここで死んでいた。というか、もしかして遊んでいるつもりだった?今となっては確かめようがないけど、そういう魔物なのかもしれない。
・・・この調子であと3つ鍵を取ってきて、そのうえでボスを倒さないといけないんだよね・・・右腕と左脚がない状態で?いやまぁ、頑張るしかないけどさ。
片足片腕ではうまく立ち上がれなかったので、四足歩行のような感じで頑張って宝箱のとこまで移動する。
そして鍵を回収して宝箱を開ける。
中には『錬金人形』という書かれた本と、それに使うであろう肌色のパーツがあった。そして水晶のようなもので出来た腕と脚が入っていた。よく見ると、両方とも私がここで欠損した腕と脚になっているようにも見える。
・・・もしかしてこれで欠損部位を補えとかいっている?どうやって・・・?
義肢の魔導具とかそういう感じの物なのかもしれないと思い、水晶で出来た右腕のパーツを私の欠損した部分に当ててみる。
「ギヤアアア!!!!」
すると水晶が激痛と共に私の身体に侵食していき、身体と繋がっていく。
「ギギギ!!!」
そして十分ほどたったところでその痛みは治まった。見てみると私の右肩部分が水晶に覆われており、その先に水晶の腕が繋がっていた。
「はぁ・・・すごく痛かった・・・。ってこれどうやって動かすの?」
試しに動かそうとするが動く気配がない。魔力を流してみても同じ。というか流した魔力は直ぐに私の身体に戻ってくる。何度か流してみると、場所によって直ぐに戻ってくるところと奥まで行くところにわかれていた。
・・・これもしかして血管みたいな感じで流さないといけない系?
「これまともに動かせるようになるのめっちゃ時間かかりそう・・・。先に脚も付けとくか」
再び激痛に襲われながらも我慢しつつ脚に付ける。
「ふぅ・・・痛かった。ここってセーフティエリア的な場所なのか?なんかさっきよりも白くて綺麗で安全な場所って感じがするけど・・・。」
なによりエントランス中央にあったオブジェが女神像になっている。なんの女神かはわからないけど、どことなく神聖な感じを受ける。
「でも情報がないからなぁ・・・。ここが安全ってことがわかったらここを拠点にするかな。それまでは今までの拠点で暮らそう。」
・・・とりあえずベッドとソファくらいは拝借しよう。これだけ頑張ったのだからいいよね?
そして、身体を引きずって客室にあったベッドとソファ、ついでにテーブルもアイテムボックスに入れ、隠密魔術を使用して這いずりながら最初の拠点に戻る。かなり時間がかかったし、体もかなり汚れたが、どうにか戻ることができた。
「ふぅ・・・戻って来れたぁ・・・。安心する。」
先ほど回収してきたベッドを置こうとして気が付いた。スペースが足りない。
「・・・部屋広げよう。」
魔術で壁を掘って部屋を広げ、広がった場所にベッドを配置。そして清潔魔術で身体を綺麗とベッドを綺麗にした後、ベッドにダイブする。
「ふかふかだぁ・・・ふぅぅきもちいいいい・・・・」
実に20年ぶりのフカフカベッドに感動し、堪能しているとあっという間に眠気が襲ってきた。
今日は疲れたしぐっすり寝よう。お休みなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます