「豆つぶ」シリーズ

北の国のぺんや

豆つぶシリーズⅠ 「ぐっど もーにんぐ編」


豆粒にだって、心はありますよ。みんな生きています。豆つぶにも五分の魂。

そんな豆つぶたちの物語が 今、始まります。



朝。豆つぶたちの朝は、体を洗うことに始まります。

なんたって、みんな、毎日毎日ザルの中で雑魚寝だから、うっかり外側で寝てしまった暁には

背中に網目模様ができてしまっていたりとか。

そんなじゃ 豆つぶなりたたない!

豆つぶは 美しくぴかぴかと 光っているべきなのです!

…負けるな豆つぶ。


そんなことで。


みんな、水道の蛇口をちょっぴり開けて 一粒一粒がごしごしと体をこするのです。


それから、朝ごはん…は   水を含んでぱんぱんになった体には必要がないので、とりあえず食べません。

…負けるな豆つぶ。




次はラジオ体操です。いっちにいっちに。

…豆つぶ達は 手が短いので なかなか様にならないラジオ体操ですが、みんなはコレでも一生懸命です。

…負けるな豆つぶ。


一汗かいたら、次は 台所を出て、みんなで外に遊びに行きます。

あんまり長い間 日に当たっていると干からびる危険性があるので、みんな朝方の日差しが弱い時に遊びます。

でも やっぱり 十人十色で 日にかなり弱い子も居たりして。

もしも、干からびちゃった場合は、みんなで水をかけてあげます。

そうしれば、しばらくの後、むくむくと復活するので大丈夫です。

ただし、あまり水を含ませすぎると、前よりも太ってしまうので、特に女の子に水をかけるときは、気をつけなければいけません。

体を太らされた恨みは 怖いです。


でも、あまりにも遊ぶのが楽しくて、日の強くなる日中まで遊んでしまうこともあります。

そんなときは、みんなでそろって 干からびます。

その後はどうするか…。

湿気が出てくるまで、待つしかありません。

…負けるな豆つぶ。



こんな風に、危険を伴いながら、豆つぶの朝は終わります。

豆つぶだって、大変なんだぞー!

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