第26話 SFとハートウォーミング小説

 口内炎が出来始めると、ああ、そういう季節だな、という気分になる。ビタミンとポリフェノールの摂取を始める寒い春先の始まりである。極寒と体力維持が一月から二月に、僕に課された仕事である。少し余裕と静養を試みながら生活をしよう。そして桜の季節以後、暖かくなったら今の分まで少し頑張って働こう!


 話は変わって、なんとか『時神と暦人』第五シーズンの第三章を擱筆かくひつした。結構かかった。大祓の中臣祓詞なかとみはらえことばに出てくる四柱の神のイメージをもとに物語を組んでいる。なので十二月中に完成させたかったが、力及ばずにこの時期である。実に僕らしい。


 年末からこの一月はパラレルで、「神明宮居と女性名(神明社とガールズネーム)(仮)」の短編十編と、先に述べた別媒体向けのSFを構想して書いていた。SFの方で時間がかかったのは想定外だった。今週末のアップと更新のスタートにふさわしく、漸くのアップとなった。

 そもそもこのSFを第五シーズンまで続けているのも凄いが、また終わる気配もないのが凄い。中島梓さんの小説ほどは続かないと思うが、まあ思いつく限り続けるつもりだ(ひとつ違うのは、誰にも頼まれてもいないのにということだ・笑)。ここで使う「凄い」という言葉は特に自画自賛の意味ではなく、自分のこの作品に対する粘り、思い入れに驚いていることへのあらわれで言ったものだ。スタート時を考えれば、そんなにネタあったのか、と不思議な気分になる。結果、振り返れば、書き出してからもう二昔ふたむかしとなる。


 そのうち『時神と暦人』もクロス媒体の作品として、こちらカクヨムさんにも移動してみようかな? とも考えている※1。僕の作品はへなちょこなのでニーズが有るのかは疑問だけれど。でもそんなこと言ったら、そもそも僕の全作品自体がニーズが無いかもね(爆)。

 そして以前にも書いたがあと五作品ほど短編のネタが残っている。ただそれを今回に間に合わせて書くのは日数的に不可能である。やはり寝かせておくことにしよう。きっと熟成されて味が出るはずだ、いやそれはないか(ウイスキーじゃないよね・笑)。

 前にも書いたが、僕は今や仙人のような気分で物書き遊びを嗜んでいるので、ひとさまが楽しく思わないものや、自分が読んでみて悲しい気分になるものは書かない。心に染みるような世界やこうあるべきだよね、という人間の理想や愛情を当てはめた物語を基本にしている。

 良い物語と思えるものを須弥山しゅみせんには、はるか及ばない、蓬莱ほうらいの地でもない、桃源郷とうげんきょうでもない、僕の貧素なお部屋から送り届けることに幸せを感じている。


 そう、他の方のハートウォーミング・ストーリーに最近はよく目を通すのだが、展開が早いものや場面推移が小刻みなものより、一場面の中で心の描写がより繊細にゆっくりと描かれているものが好きだな、と僕個人は感じている。もちろん世間の流行りなどではないので、僕個人の恣意的な意見だ。葛藤の中で人を信じて、愛する作業の心や気持ちの推移が読んでいて、続きを読みたくなる性格のようだ。

 文体や表現は人それぞれなので、僕には書けない美しいフレーズがあったりする、素敵な作品の時は、星マークのレビューで推薦したりもする。またなんか一言応援したい時はハートマークに、具体的にこんな技が見えてすごかった、って応援の文章を入れるときもある。

 僕に応援やレビューを下さる方々も、ほぼ同様のメッセージを頂ける。概して僕よりもうまい文章や表現を持っている方ばかりなので、いつも驚くばかりだ。


 さてこの週末はカクヨムさんの応募短編の手直しを中心に過ごそうかと考えている。また読み続けている他者の作品に目を通すつもりだ。さらにもしかしたら何かしら新作も出せたら良いと思う(可能性低いけど)。

 それにしても他媒体の『時空魔女マリン嬢の回想日記』※2といい、カクヨムさんで書いている、あの『野菜の詩』、なんで桁違いにプレビューが増えている? 全然力入れてないし、この先も遊び半分でしか作るつもりはないのだけど。変なの。頭捻っているものは伸びないのにね。

 口内炎が治まらないのと同じくらい不可解である。


 とかくこの世はままならぬ、ってことですかな? 笑

 ではまた。


※1 現在このシリーズはカクヨムさんでもお読み頂けます。

※2 同上 

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