爵位ある世界で貴族と会うのは異世界ではつきもの
式典に来ています。
式典前のレセプションで美味しいもの食べてます。
マジうめえ。ジャパニーズ日本食より美味しいんじゃ無かろうか。
まさか異世界料理で美味しさに驚くとはな!!
式典自体はつつがなく進行しました。
ヒゲソリ男爵は綺麗にひげが剃られた細い男性でした。
あまりオーラが無く、そこら辺の街角に良そうな感じがする。
礼儀動作は私みたいな無知の人のために執事が横に立ってくれて、動作を先にお見せするのでそれを真似するだけ。
式典向けの挨拶もメモを渡されました。
「というわけで副賞として三〇〇〇ユロルと『こより‐五四五四』、ヒゲソリ騎士爵を与える」
「ははーありがたき幸せ」
なんか騎士爵も、もらってもうた。
「それでは余興として我が騎兵と一戦交えて貰おうでは無いか。モンスターオオカミが訓練された我がモンスター馬にどこまで対抗できるか楽しみだ」
え゛
え゛
「武器は魔法で作られた訓練用ですので痛くはありません。突撃用槍と近接格闘用のサーベルの二本をお渡ししますね」
え゛
「では皆の物、訓練会場に移動しようでは無いか」
あわわそわわどわわ
などと慌てているうちに準備は進み、さあ対戦。
相手は騎士見習い。まあそれでも訓練している兵士だよ。私訓練は無限流三年だけだよ。騎乗訓練は全くないよ。
勝てるとは思えないけど、思い切りやろう
「ぽち、これはもう余興だから最大速度で体当たりして馬をひっくり返そう。そうすれば面白い結果になるっしょ」
「わん!」
そんなわけで開始と言われた瞬間にフル加速して思い切り体当たりに行く我ら。
見習い騎士も想定していたのか迂回しながら槍を突き出してくる。
それをぽちはダッキングで下に潜り込んで回避し馬にぶちかまし。
ドン! という音とともに見習い騎士の馬が吹っ飛んだ。吹っ飛んだんだよ。
「そこまで!」
審判の声が木魂する。
ふー、なんとかやり過ごせたかな。
観客は大興奮。拍手喝采で私を称えてくれる。
「いやはや馬を吹き飛ばすとはな。訓練すれば本当に強い騎兵になるぞ。どうだ?」
ヒゲソリ男爵が勧誘してくる。
「是非とも訓練させてください!」
断る理由は無い。訓練期間中は飯が出るだろうし本格的な戦闘方法が学べるもん。
それに大豆と小豆を露払いに使えば一端の戦力になる。あのこらシャインオオカミでかなーり強いからね。まだ子供だけど。
それでは訓練期間に入りまーす。
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