第2話 作戦会議①
異界歴1年4月2日ー始まりの町イリステ・ローグ宿屋ー
ログハウスのような宿屋でサクラとカルマは着替え、現状確認を始めた。
「ありがとなー、でもどこでこんなロングコートとマフラー買ったんだ?金はどうした?」
「そこからだな。俺の和服もお前のロングコートも街の装備品店で購入してきた。で、金は冒険者協会で貰ってきた。」
「冒険者協会?へーそんなのあるんだ。」
「あぁ。俺はサクラよりも二時間早く目が覚めてな。他のプレイヤーもほとんどそこら辺で目が覚めてきた。そこで皆で辺りを探索して、冒険者協会で、この世界の地図と【ステータスリング】を入手してきた。ほらよ、お前のだ。」
そういってカルマがサクラに白銀の指輪を渡してきた。サクラがそれを装着すると頭の中に使い方が入ってきた。
「これ………」
エンペラーゲーム内のように指を動かす事でさっきまで出すことが出来なかったステータス画面を出せるようになっていた。
「それがあるとこの世界でもステータス画面を出せるようだ。んで、そこに初期装備が入ってるからどれか一つ選べ。俺は太刀を選んだ。」
「えっと、これ……かな?うん。俺も太刀かなーん?これ、大鎌?へーそんなのあるんだ。じゃあこれにしよう。」
画面をタッチすると光に包まれて背中に大鎌が現れた。
「へー。あ!てかさ、冒険者協会で金ってどういうことだ?登録したらーとか?」
「まぁ、そんなとこ。どうやらエンペラーゲーム内のチュートリアルがそこで出来るみたい、で、ここからが本題。サクラ、記憶に違和感あるだろ?」
「記憶に?んー……あれ?なんだ、これ、悪神?なんだ?こんなの知らないぞ?」
「そう、それだ。この世界に連れてこられる際に頭に響いた声があったよな?あれが悪神の声らしい。それで、この世界はリアルだ。だが、エンペラーゲームと瓜二つだ。そしてこの地図。四天龍がいるのが分かるし、皇帝の存在も確認された。」
「ってことは、あの時の四天龍と皇帝を討ち滅ぼせば願いがなんでも叶えてくれるってヤツは、本当だ。ってこと?」
「そーいうことだ。だから俺達はすぐにでも次の街、【聖なる街ラヴィンス】に向かう。そこで3日間レベリングをして、【春の大地】にて【春天龍】を誰よりも早く倒し、ここ、ブルース海岸沿い街まで5日以内にたどり着き、離れ小島【夏の大地】まで一週間以内にたどり着く。おけ?」
「面白い。4日間で四天龍の一角を落とすんだな。行くか。」
「お前ならそう言ってくれると信じてた。じゃあ行くぞ。チュートリアルはいらないよな?」
「当然だ!」
「じゃあ、金がないから、ゲーム用に強化された身体能力で宿屋から抜け出して街を出るぞ。他のプレイヤーはもうとっくに街をでてる!」
「おうよ!」
二人は白昼堂々ローグ宿屋で金を払わず逃げていった。これにより二人はイリステ内では無銭宿泊のお尋ね者となってしまったが、もう戻ってくる事もないので関係は無い話だ。
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