　エアコンの稼働音と、自分達の呼吸音が響くおじさんの部屋の中、僕らは正座して向かい合う。

「……人のスマホは？」

「……」

「人のスマホは？」

　勝手に触らない。

　そう言わせたいのだろうけど、僕は知ってる。

「……おじさんも触ってるよね？　僕の寝てる間に」

「……え」

「触ってるよね？」

「……いや」

◆◆◆

『おじさんと坊主』より、秋野森嵐と草名木二葉。

　やっぱりさすがに勝手に出るのはまずいかと。

　一応、「おじさんも僕も無理です！」でガチャ切りしたとだけ。

　……スマホの話しかしてないです、ずっと。

　ただ、桜桃院は諦めず、翌日二人が部屋でまったりしている所にカチコミ＆拉致するのでした。思い立ったが吉日。

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