鳴り響いた携帯電話 ◇〈400字〉

 黒電話の音が鳴る。相手はきっと彼女だろう。

 すぐに出るのは億劫で、放置をしているが鳴り止まない。

「何で先生、電話に出ないのかな」

「どうせ相手がバルだからだろうよ。あてだって出たくないさ」

「ムホ、電話持ってないよね?」

「誰かさんが持たせてくれないからね」

「無線機あるからいいでしょ、可愛くデコってるじゃん、シールで」

「それとは別に持ってみたいんだい。色んなことできるんだろ?」

「……色んな人とお喋りしたいの?」

「は?」

「先生! ム、ムホが、浮気願望を僕に!」

「先生、馬鹿が馬鹿言ってるだけだから、本気にし」


「織田です」


「あらま出ちまった」

『先生助けて変な男達に追い掛けられて』

「落ち着いてください、バル。深呼吸」

『してる暇ないです追われっふぎゃっ!』

 それっきり電話は切れた。

 後ろを振り返れば、テンもムホも憐れみと疲労感の混じった視線をぶつけてくる。

「放置したいですが、組員の窮地。助太刀を」

 二人は頷いた。


◆◆◆


『無頼鴉の厄介事(セルフリメイク版)』より、織田作之助、テン、ムホ。


三年前くらいに上げた中編小説、をセルフリメイクしたいなーと考えてまして。

黒本は可愛いものが好きだし、宮廷や貴族間の恋愛事情も憧れがありますが、バトルもの大好き、極道組織が気になったりしてやす。

(『ごくせん』面白かったですし、『龍が如く』繋がりで見た小沢仁志さんとチョコレートプラネットのコラボ動画めっちゃ面白かったです、ついでに小沢仁志さんが猫と戯れる動画も)


ふんわり知識の任侠ものやってみたいなー。

セルフリメイクもしたいなー。

あ、混ぜよう。

何故かそうなって、頭の中でぼんやーり考えてやす。



織田作之助と愉快な仲間、テンとムホ。

三人の元に、ある日坂口安吾から少女が送られてくる。

『白樺に絶対渡すな』

『太宰の遺志を継げ』

少女を守り抜くことはできるのか?

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