『はい、◆◆です』

「もしもし、お祖母ちゃん」

　そこまでは言えた。

　その後が言えない。

　今から行っていいか、一人で家にいるのが耐えられない。

　そう言うべきなのに続きを口にできない。

『もしもし？』

　向こうから戸惑いの声、そらそうだまだ名乗ってない。

　何て言おう、何て、

『■■ちゃん？』

　……うん。

◆◆◆

祖母宅に電話した時にこんなことがありまして。

うん、■■ちゃん。

わては確かに■■ちゃんだけどさ……。

一応、詐欺被害防止の為に、電話の内容を自動録音する機械が、祖母宅の電話に取り付けられてるみたいで、録音するけどいいよな？　的なメッセージ流れた時はちょっとびびった（もちろん丁寧な女性の声でしたが）。

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