第45話 罰
相田さんと学校で別れてからバイトに行き、静琉からのLineで夕飯をご馳走してくれるということなので、バイト先からそのまま彼女の部屋に向かう
晩ごはんを一緒に食べながら、今日、相田さんと話した内容をだいたい伝える
「なるほどね」
「うん。俺も悪かったよ。本当、ごめん」
「もう済んだことだし仕方ないけど、本当に、もうこれっきりにしてね?」
「うん…」
「蒼くんが他の子とキスとか、私…私には無理だから」
「うん。俺も静琉が…って思ったら辛いもん。本当にごめん…」
「でも、もやもやしちゃうよね…」
まあ、それはそうだろう。自分に置き換えて考えたら、当然だと思う。
「あの…俺に出来ることなら、なんでもするから…その…」
「え?」
「うん。少しでも静琉の気持ちが晴れるなら、なんでもするから」
「え?なんでも?」
「え…あ、うん…」
静琉の目が、暗く光ったように見えたのは気のせいだろうか…
「本当に、なんでもするのね?」
「もちろん、出来る範囲だよ!?」
「それは分かってる」
「うん…」
夕飯を終えた俺達は一緒に片付けを済ませ、
静琉の寝室にやって来た
「じゃあ、浮気の罰ということで」
「え…」
静琉は俺のメガネに手をかけ、スルッと外して怪しく微笑む
「うふふ…」
「え…」
「やっぱり…好き…」
「う、うん…俺も…」
「メガネ外すの好き…」
あ、そういう話ですか…
そして、サッと俺の後ろに回り込む
「え?」
「うふふ…楽しみ…」
嫌な予感しかしないんだけど…
次の瞬間、俺は目の前が真っ暗になる
「え!?」
「ふふ…大丈夫。アイマスクよ」
「そ…そうなの…?」
これはいわゆる目隠し状態なんだけど、
「ちょ、ちょっと…何するつもり?」
「うふふ…」
うふふじゃないから!
「だって、なんでもしてくれる、って言ったもんね?」
「まあ、それは言ったけど…」
相田さんとキスしてしまった後ろめたさから、俺は何か罪滅ぼし的な、そんなつもりで提案したんだけど、思いのほか静琉は乗り気のようだった
「じゃあ…」
トン、と軽く押され、たぶん俺はベッドに寝かされたんだと思う。うん。感触がそれを物語っている
そして、ふわっと彼女の、静琉の香りがベッドから俺の鼻腔を擽る
「あの…静琉…?」
「なぁに?」
「えっと…何するつもり?」
「内緒…」
たぶん、俺の想像では、静琉は悪戯っぽい顔で言っているんだと思うんだけど、視覚が遮られた今、俺は他の感覚が研ぎ澄まされ、敏感になっていると思う。
その証拠に、普段なら耳に入らないような微かな音まで、はっきりと聞こえる
それは、スルスルと、服を脱ぐ衣擦れの音
(え…まじですか…)
「ちょ、ちょっと!そんなの、まだ俺達には早いよ!」
いや、咄嗟に口から出たけど、「まだ早い」ってなんだよ。俺、何考えてんだよ
じゃあいつならいいんだよ
ていうか、もうした事あるじゃないか…
「あれあれ~?何考えてるのかな~?」
少し意地悪く静琉は言うけど、いや、あの、そういうプレイはまだ…
動揺し過ぎてあたふたしてると、「はい!」と言われ、不意にアイマスクを外される
え?
急に明るくなって視界が白くぼんやりしてるけど、うん、慣れてきた
そして俺が見たもの
それは、少し頬を染め、もじもじと恥ずかしそうに上目遣いで俺を見つめる、セーラー服を着た静琉だった
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