『猫之茗』――『The Cat’s Tea』


 ジャンル:魔幻ファンタジー萌系萌え系战斗バトル搞笑コメディ

 おすすめ度:中国語初心者 ★★★☆☆

       中国語上級者 ★★★★★★★


 漫画家団体・糖人家の猴淳良氏の漫画が原作の作品。

 第一期全13話+番外編全5話(2022/03/09)完結済み。第二期現在第9話(2023/05/27)更新済み。

 獣人が住む茗族大陆メイゾクたいりくに転移した女子高生が、仲間と一緒に剣と魔法の旅に出る物語。



 最初に第一期のあらすじをご紹介。


 普通の女子高生、茉莉マツリはある日の通学中に雷に打たれ、茗族大陆メイゾクたいりくに転移してしまう。

 目を覚ますと、なんと目の前には白くてふわふわの耳と尻尾を持つ獣人の龙井リュウセイが。

 初めて見る精巧なコスプレ(だと思い込んでいた)に興味津々だった茉莉マツリは、さらに自分の姿を見て驚愕する。

 体に獣のような耳、尻尾が生えている――なんと、自分も獣人になっていたのだ!


 新たに得た体でのんびりと獣人たちが住まう世界を満喫しようとしていた茉莉マツリ

 しかし偶然にも黒と白の双杖を手に入れてしまい、彼女の運命は変わってしまう。

 魔物が蔓延る茗族大陆メイゾクたいりくの危機を救うため、彼女は天然なハスキー犬や高飛車な赤狐の仲間たちと魔王討伐の旅に出る!



 中国茶×ケモ耳×異世界転移!!

 なんという素晴らしい組み合わせ!

 ちなみにストーリー自体は日本のラノベっぽかったので、日本人でもするする入れるのではと思われます。



 ここで個人的な推しポイントをご紹介。


 推しポイント①:中国茶とケモ耳と異世界生活(情報量過多)


 本作のタイトルにもつけられている茗という文字。

 いわゆるお茶の別称なのだが、どうしてこんなタイトルがつけられているのか。

 あらすじを見ても特にお茶要素は感じられない。

 しかし中国茶好きな方ならおそらく、登場人物の名前を見ていただければその理由がわかるはず。


 茉莉、龙井、祁红、普洱、碧螺春……。


 そう……なんと、登場人物の名前がぜんぶ中国茶なのである(!)

 中国茶好きなら狂喜乱舞不可避!(※個人差あります)

 だってモフモフと異世界転生と中国茶が同時に味わえるんだから。


 ストーリー時代にお茶要素はあまりなかった(今のところ)けど、テンポがいいのでサクッと見れる。

 そしてもうひとつ本作の重要な要素であるモフモフ……これがまた罪深いんですよ(後述しますよ!)


 推しポイント②:登場人物はすべてミニキャラ。萌える(しかもモフモフ)


 本作、特に目を引くのがそのかわいらしい絵柄。

 登場人物は基本ミニキャラで描かれ、みんなモフモフなケモ耳がチャームポイント。

 茗族大陆メイゾクたいりくの住民は獣人なので、とにかくたくさんの獣人が見れるのも醍醐味。


 見た目も性格も様々なので、絶対に好きなキャラが見つかるはず!

 ちなみに私は何考えてるのかわからないサモエド犬な普洱プーアルさんが好きですよ。


 ストーリーもさくさく進んでいくので見ていてとても気持ちがいい。

 おまけにエッセンスとして恋愛が添えられていたりもする。

 ストーリーを楽しむもよし、キャラの絡みを楽しむもよし、モフモフを楽しむのは言わずもがな。


 推しポイント③:日本人にとっても馴染みやすい設定の数々(それでもちゃんと中華している)


 本作、中国アニメにしては日本人に馴染みのある設定が数多く使われている。

 例えば、舞台は三方を海に囲まれ、北は氷原とつながっている茗族大陆メイゾクたいりくであり、南の狭い小島は魔族の領土だ。

 茗族の人間は生まれつき元素の力を利用する能力を持っているが、これには個人差があり、修行によって高めることができる。

 彼らのほとんどは獣人であり、南は白家(水)、北は緑家(土)、東は赤家(火)、西は黒家(風)、中央は緑家(光)、北の異域は黄家(闇)というように六つの大世家よって支配されている。

 あ、ちなみに()内は各家が代表する元素ですよ。


 ほら見て、すっと入ってくるでしょ?

 それに馴染みやすい要素ばかりが入ったありきたりなファンタジーというわけでもなく、ちゃんと宝物なども出てきて中華しているのが良き。

 中華美男子も出てくるのが良き。


 ただ惜しむらくは、肝心な日本語版がないこと……。

 ふふふ……制作会社さん、ずっと待ってますからね。



 ここでちょっとだけ小ネタをご紹介。

 ……と思ったけど、そんなにご紹介できることなかったので今回は割愛します。



 女子高生が中国茶とケモ耳な異世界で成長していく物語、ぜひおすすめしたい一作です!



 (記:2023/06/25)


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