第43話 焚き火と料理と
キャンプ場にたどり着いた俺たちは、校長先生が手続きをしてくれている間にバイクを降り指定された男用コテージに荷物を運びこんでいた。
荷物のほとんどは先生の車中だったし、にもといっても俺の荷物のほどんどは調理関連のものだ。
バイクの点検については、俺の乗ってきた爺ちゃんのドカティが気になってしようがない様子の久美にお願いした。
荷物整理が終わり萌香が持ってきてくれたお茶で一休みした俺は、早速夕飯の準備に取り掛かる。
萌香が料理ができることを知っているので、萌香にお米や野菜の準備をお願いした。
男子達は近くにあるかなりハイレベルな釣り堀(管理釣り場)にニジマスなどを釣りに行ってしまった(多分坊主だろうww)。
今回は、車なので道具もいろいろ積んできている。
んで、とにかく時間のかかる肉料理から取り掛かることにした。炭火の方は神田先生にお願いする。
まず、萌香が薄切りにしたジャガイモのスライスをダッチオーブンの底面に敷き詰めていき、そこにオリーブオイルを多めにかける。
次に小ぶり丸鶏(解凍済)の外と中に塩コショウをまんべんなく塗り、薄切りのニンニクとお米を詰めていく。
それをダッチオーブンにいれホールトマト缶とブイヨンスープを適量いれ、各種ハーブとスライスしたレモンを入れる。後は人参やブロッコリー、玉ねぎなどの野菜をオーブンに詰め、しっかりと蓋をして炭火の中にドボン!
蓋の上からも過熱するための炭を置いてあとは放置!大体90分は開けずに過熱を続ける(少し噴いてしまうだろうがそこは仕方がなし)。
次の肉料理は、大きなスペアリブの調理である。
個人的にはこれがメイン!
これは特に時間がかかるので既にお店でオーナーに手伝ってもらいながら下処理と塩コショウとハーブで下味は着けてある。
そしてお店のオーブンで蒸し焼きにしてあるので、こっちではソースを縫ってしっかり焦げ目外が付くくらいまで焼くだけである。
それでも結構大きいので時間はかかるが…。
今回のソースは濃いめのBBQソースと塩麴を混ぜたものを用意した。
お肉を豪快にBBQグリルの上に置き、刷毛でソースを塗りまくり巨大なアルミ皿の蓋をしてしっかり蒸し焼きにする。
これもひっくり返しながら1時間以上はかかりそうだ。
今から旨いのはわかるくらいいい匂いがしている。
先ほどから石井先生と神田ティーチャーの肉へのチラ見が止まらない。神田先生は石井先生と焚火の用意をしてくれていた。
俺の方の料理がひと段落したところで萌香の様子を見に行こうとしていると、向こうから萌香たちがサラダやらBBQ用にカットした野菜などを持ってきてくれた。
「ハジメ君、お野菜持ってきましたよー!」
「ありがとう。お、俺の好きな大根のサラダもあるのか、うれしいな!」
「えへ、やっぱり好きだったんですね。デートの時も割と頼んでたから作ってみました。」
「いやぁ、萌ちゃん愛されてますねぇ。羨ましい~」
萌香の言葉を聞いてニヤニヤしている俺を久美が揶揄ってきた。
「後はお前の彼氏たちが魚を釣ってくれば完璧なんだがな!」
なので精いっぱいの皮肉でこたえたのだけど…
「そうね、仁君なら余裕でしょ!」
と、自信満々に言い返されてしまった。
が、しかし、その余裕いつまで続くかな。ここいらの管釣りは渓流を利用した本格的なもののはずだ。そう簡単には釣れまい。グフフ…。
などと、思っていた俺だが、この後ものすごく脅かされることになるとは…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます