第41話 キャンプ当日
キャンプ当日の明け方。
普段なら間違いなく寝ている時間ではあるが、今日はやらなくてはならないことがある為、めっちゃ早起きしている。
と、いうことで集合場所に向かう前に、アグスタへ向かう。
わかっていたことはあるが、明け方のこの時間はまだ肌ざむい。
だけどに日中は温度が上がるみたいだから、あまり厚着はしてこなかった…。
少し失敗したかとか考えているうちにアグスタに到着する。
裏口には、オーナーが待機してくれていた。
「おはようございます。朝から無理を言ってすいませんでした。」
「かまわないよ。キャンプ料理は俺も好きだしな、うらやましいぜ。店を休みに参加すればよかったよ。」
「まったくだ。俺たちにももっと早く教えてくれれば休みにできたのにな。我が家は家族で参加したかったよ。」
「マスターも来てくれてたんですか?朝早くからすいません。」
「萌君は気にしすぎだよ。飲み物や、バーベキューの材料を大量にお買い上げいただいているんだ。当然でしょ。」
実は、キャンプ料理の仕込みの事を相談した際にマスターとオーナーからの提案で格安で購入することができたんだ。
肉はブロックで売ってもらってるから本格的なものが作れるってことでみんなも大喜びしている。
(お酒も格安で譲ってもらったと先生が大いに喜んでいた…。)
3人で食材と飲み物のケースを店の外に出していると、ハイエースにのった神田先生がやってきた。
「おはようございます。遅くなっちゃいましたか、もう始めてたんですね。」
「「「おはようございます。」」」
「先生、肉をクーラーボックス仕入れたいんですが、おろしてもらっていいですか?」
「了解だ!肉類はこっちの釣り用のクーラーボックスに入れてくれ。飲み物はこっちに氷水を入れてあるから半分くらいは冷やしておけるぞ。野菜はこっちな。」
「さすが神田先生ですね。わかってらっしゃる。」
「酒類はそうやって冷やした方がうまいからね。肉類もがっつり保冷剤が入ってるから安心だな。」
オーナーとマスターが頻りに感心していた。
やっぱ、神田先生マニアなだけあって持ち物もすごいな。
とか考えていたら、神田先生から声を掛けられた。
「萌君。君の料理を楽しみにしているよ。さっき肉を見たけどかなり本格的にやるみたいだねぇ。いやぁ、本当に今から楽しみだ。」
「先生…。でも、リブポークとかマジで自信あるんで楽しみにしてて下さいね。ちなみに頼んでおいたグリルとオーブンは大丈夫ですか?」
「ばっちり持ってきたよ。でも、足りなければ向こうで借りればいいからね。私も協力できることは協力するから行ってくれ。普段自炊しているから普通にできるから安心してほしい。」
「それは助かります。石井先生は少し不安だったんで…。」
「うん彼女もできないわけじゃないんだけど、少しワイルドなんだよね…。」
「あれをワイルド済ませるあたりさすがです。」
「某レミさんの料理みたいなものさ。美味しければオールオッケー的なやつかな。ハハハ」
「なるほど。」
「さて積み込みも終わったし、集合場所へ向かおうか。」
「それでは、オーナー、マスター行ってきます。」
「「楽しんでおいで!」」
「はい!」
※ ※ ※
俺は再びバイクに乗り自宅に向かう。神田先生の車に俺と萌香の荷物を載せてもらうのだ。萌香の荷物は前日持ってきてもらっていた。マンションでは荷物を載せるのも大変だから。
母さんは朝から実家に行っているため不在だった。
そして、寒さが怖かった俺は、インナーを一枚足すことにした。
「良し!これで全部かな?」
「そうですね。ありがとうございます。俺は萌香を乗せて集合場所のカモガワバイクに向かいますね。」
「はいよ、くれぐれも気を付けてくるように!」
「了解っす!」
※ ※ ※
無事に萌香とも合流し、集合場所に向かうなか、萌香はインカムの調子を確かめるように話しかけてきた。
「もしもーし、萌君。聞こえますかー?」
「き、聞こえてるよ。どうした?」
「うん。今日はずっと一緒にいられるのが嬉しくて、声を掛けてみました。」
「お、おう。でも、いつもより長い時間走るから疲れるかもしれないよ。大丈夫?」
「うん。ちゃんと萌君に言われたように腹筋とスクワット頑張って、鍛えてきたんですよ。」
萌香には長時間のツーリングに備え体幹を鍛えてもらうべく筋トレをするようにお願いいしていた。
少しは、疲れも違うかなと、違うといいな。
「今夜の夕飯はすごいぞ!楽しみにいといて!」
「もう、まだ朝ですよ!でも、楽しみです!萌君のお料理はとっても美味しいですからね!」
「はは、ありがとう。そろそろ、カモガワバイクに着くよ。」
「はーい。」
萌香のテンションがめっちゃ高い。
これだけ楽しみにされてると俺もうれしいな。参加してくれてよかった。
俺らが、カモガワバイクに着くと、久美が仁とともに迎えてくれた。
先生方も到着しており、荷物の搬入等をしてくれているようだ。
ちなみに、健吾さんと冬華さんは別々のバイクだった。
梨花ちゃんは冬華さんが乗せていくことになっているからだそうだ。
冬華さんのバイクはヨシムラ仕様のGSX400インパルスだった。キャブ車の迫力ある排気音が非常にカッコいい。でも、排気音はかなり抑えられてるな…。
「なんだ?君は私のバイクに興味があるのかい?」と冬華さんが声を掛けてくれた。
「えぇ、俺も少し前に父のバイクに乗っていましたから…。ホンダのホーネットってバイクですね。やっぱ、キャブの良さってありますね。」
「そうね、ホーネットってCB系のエンジンだったかしら?これもかなり古いバイクだけど修理しながら何とか乗ってるわ。暖気が必要だったりそれなりに手間もかかるけどね。それに排気量のわりに大きいから運転は意外と楽なのよ?」
「へぇ、それに細かいところまできれいになってるのが凄いですね…。」
「ま、大切なものだからね。健吾と同じくらい大切かしら…?」
「おい、俺はバイクと同列なのか??」
健吾さんはへこんだ。それよりも…。
「冬華さんには申し訳ないけど、一応集団行動になるので少し窮屈かもしれませんがご容赦くださいね。」
一応元レディースに注意しておく。
「萌君もまじめになったわね?中学生の頃の方が悪そうだったわよ。」
「げっ!?やっぱりその頃の事知っているんですか?なるべく他言無用でお願いします。今回のメンバーでも知らない人もいますから…。」
「了解。心配いらないわよ私もついこの間まで同じ感じでしたもの。それに、あなたのお母さんには敵わないわよ?あの人は伝説の人なのよ。」
「うそ?マジっすか?こんなところでそんな事を知ることになるとは…。とにかく一泊二日お願いしますね。」
冬華さんとの挨拶を済ませ、梨花ちゃんにも声をかける。
先生方と会長にも声を掛けるが、芹沢会長は、今日はバイクではないようだ。校長先生の車に同乗し補助をするらしい。おそらく真司さんが、心配してダメといったんだろうな。
というわけで、今回バイクは、仁(SR400)・久美(CB250R)・怜雄(Dトラッカー250)・聡汰(CB400SF)・健吾先輩(FORZA250)・冬華さん(GSX400)そして俺、爺ちゃんのドゥカティスクランブラー400となっている。
俺、聡汰、怜雄そして、冬華さんは
それから集合し、最終の打ち合わせを行った。
目的地の亀山ダムまでの距離はおよそ40㎞強となっている。
目的地までの走行については、基本的には校長先生の車が先頭になり、最後尾を神田先生の車が走る。そして、俺たちがその間を走ることになる。
バイクの先頭は、休憩ごとに変更することになった。良くも悪くも気を遣うし疲れるからである。
もちろん交通を乱すようなことはないよう並列走行は極力しないよう注意する。
一時間ごとに休憩を挿み、お昼は目的地近くの道の駅でとることになった。
そして、出発予定時刻通りに出発となる。
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