『 』の改変者~【ステータス編集】の特殊能力を得たので現実世界で無双します~
暮伏九郎
第1話「なんか視える」
「なんだよ……これ!?」
俺が
学校の終わり。俺が電車に乗って下校しているときのこと。突如、俺の視界にこんな文面が現れた。
――――――――――――――――――――――――
HP 90/90
MP100/100
【異能力】
『
【スキル】
『デブ』『コミュ障』『寝不足』
――――――――――――――――――――――――
なんなんだ、これ?
HPに……スキル? まるでゲームかなにかのステータス画面みたいだ。
というかスキル全部が俺に関する悪口じゃねえか。悪かったな、寝不足デブコミュ障で。
幻覚を疑って目を擦ってみたり、夢かと頬をつねってみたり。色々やってみるも、目の前のステータスは消えることはない。
……まさか、本物?
――いやいや、そんなまさか。
と思いつつも、心の底では興奮していた。
だって、ステータスだぜ? ステータスが見えるようになるなんて、まるでラノベやアニメの展開みたいだ。
本来ならここから異世界に行くのがセットだと思うが、高望みはすまい。
「とりあえず、一回ステータスを調べてみるか」
俺は恐る恐る指を動かし、【異能力】の欄をタップする。
正直ここが一番気になるからな。
スキルとかは正直ありがちだけど、この欄だけは妙な異彩を放っている。
まず調べるとすればここだろう。
「って、お、行けた行けた」
やはり、と言うべきか。
俺が【異能力】の欄をタップすると、目の前に表示されていた画面は切り替わる。
次に表示されたのはこんな画面。
――――――――――――――――――――――――
【異能力】
「異世界から流出した特殊な能力。これを得た者は物理現象を捻じ曲げ、通常発生しない超常現象を引き起こすことができる。ただし使用する際には『魔力』を消費する必要がある」
――――――――――――――――――――――――
「えーと、なになに……」
異世界とか色々書いてある……が、察するに固有の特殊能力ってことであってるよな。
ってことは【異能力】の下にあった『
これも詳細を見てみよう。
――――――――――――――――――――――――
『
「物体・生物のもつ
ただしこの能力を発動する際、必要な量の魔力を消費しなければならない。
消費する必要のある魔力は、
また、この異能力を持つ者は副次効果として、
――――――――――――――――――――――――
色々書いてあるが、俺が気になったのは最初の一文。
「
それを改変できるってことは、【スキル】の欄にあった『デブ』『コミュ障』『寝不足』のバッドステータス。
「それらを改変して、削除できるってことか?」
いや、削除できるだけじゃない。
「改変ができるってことは、そこからさらに好きな『スキル』を獲得できるってことで……」
……あれ、めちゃくちゃ最高じゃん?
瞬間、俺は先程のステータス画面へと戻り、『寝不足』のスキルを長押しする。
変化を感じやすく、かつ一番電車の中で消えても問題ないスキル。
俺はこの異能力の使い方を知っているわけじゃないが、なんとなく、感覚的に能力が発動できる気がした。
「――対象、スキル『寝不足』。
少しのタイムラグの後、画面から『寝不足』の文字が消える。
刹那、霧散していく睡魔。晴れていく脳内。
「この感覚、間違いない」
突如俺の視界に現れたステータス。
俺に宿ったという異能力の力。
それらは全部、幻覚なんかじゃなかった。
「この能力、本物だ――!」
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