伍:人が狐をだました話
これもまたいつ頃でしたでしょうか。とても
さてある日の事、この青年のところに
それがね、高貴な身なりはしているのですが、どちらのどういう御方の遣いなのかわかりませんので。ええ、なにやら難しいことは言いますし、変わった仕草はいたしますしで、「これは
さてこの遣いが青年に語るには、遣いの主人の
どうにも胡散臭いぞ、と青年が考えたのも当然でありましょう。前にも申しましたが、この辺りには昔から人を騙す狐がおりましたので。ところが遣いの者がこう言います。
「確かに
ぞろりと引き出されましたるは金銀財宝、
この嫁入りは大層派手なもので。青年がかき集めた犬や鉄砲がうなりを上げ、阿鼻叫喚の様だったとか。嫁の一族は尻尾を出して逃げ出し、引き出物の数々が散らばっていたと。
青年はこの財を拾い集め、この辺一帯を
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