第10話 サーカスとニンジャのルーツ
アンノウン「君の求めていたものはこちらが用意した。
約束どうりあの小娘を。
蒼転寺ランの失脚を成功させてくれたまえ」
クローバー「お主らのプランは理解したのじゃ。
しかし蒼転寺のチカラは誰にも止められぬ
我にも、そしてお主らにも!」
アンノウン「ふざけるなぁっ!!!どこまで私を愚弄する!
年上への作法を知らんのか!!!」
クローバー「警告はしたぞ。お主ら、うまく立ち回れるとよいな」
クローン技術、意志を持ったAI、遺伝子改良、
惑星全域に及ぶ広告収入での人類怠惰
そして装狂演譜。
博士、お主の亡骸は必ず!!!
今日も今日とて航空ドローンで蒼転寺さんを運ぶ
眼鏡で目元にホクロ、スタイルは私よりちょっといい。
緑髪のポニテが揺れる。私のココロも揺れ動いていた
金髪仮面でフードをかぶった少女。クローバーさんだ
彼女は2人1組の大会を一人で勝ちに抜いた猛者だ
メカ知識は私以上。直観的閃きも蒼転寺さんと同等。
教室に入りドローンから蒼転寺さんを解放する。
幼児退行モードの蒼転寺さんを封殺するため
切り札を袋から取り出す。
知育玩具だ。トレイに粉と水を入れ混ぜたり
トッピングを付けるアレ。
年上先輩の知的好奇心を刺激する
最高最善最大最強の選択。
しかし魔王に委員長の影が忍び寄る
委員長さん「今度の休み、みんなでゲームしない?
クローバーさんも誘って」
リエ 「あの、私たち一応敵ですよ。」
そうてんじ「いくー。なにやるのー」
委員長さん「今話題のVRサッカー”はちゃめちゃサッカー2500”、
通称”はちゃさか”よ」
そうてんじ「しってるー。わたしがきかくしたやつー」
リエ 「この人アナログホビーの装狂演譜作っておいて、
なにデジタルゲームまで作ってんのよ!!
あと2週連続でロボパートなしとか、
SNSで叩かれるわ!!!」
そうてんじ「ああ、それならこれー」
スマホを見ると
ワイヤーで縛られた
15cm級のホビーマシン。
白濁の木工ボンドを全身に浴びている。
しかも私と蒼転寺さんの愛機が!!!
リエ 「ああん♡なんで、動かないのっ!」
キキョウ 「フッフッフ、拙者の接着剤が効いてきたようね、
これでしばらくは動けないでござる」
蒼転寺さん「だめぇ♡そんなところ、こわれちゃうのぉ。♡」
普段とは違った妖艶な声
大胆不敵な性格は消え、相手に許しを請う存在
見ると委員長さんの機体にピンバイスが取り付けられていた
委員長さん「ごめんね。私2番目は嫌なの。だからぁ、初めてをもらうね」
機体のメイド服がボロボロになり、目から冷却水が零れる。
向かう先は・・・。
委員長さん「あなたがいけないの!!専用設計だからっ!
スタンドに飾る穴がないのがいけないの!!!」
蒼転寺さん「そこは、らめえええ♡」
キキョウ 「フェッフェフェ、向こうも始めたでござるなぁ。
リエ殿は私好みに調整してあげる」
ブゥイインと振動するそれは3,1mm径の
電動ドリル
キキョウ 「昔の女との思い出を私が拡張してあげる
3mm径では満足できない体にね」
リエ 「ごめんなさい!許してください!!
何でもしますからぁ!!!」
私の願いは聞き入れられず、拡張されてく機体。
ごめんね蒼転寺さん。私汚されちゃった。
キキョウ 「次はこれでござる!!!400番の金属やすり!!」
リエ 「なんで、昔は紙やすり派だったのに!!!」
キキョウ 「一度この削れ具合を味わうと元には戻れないでござる
大丈夫、パテで何度も埋めてあげる。」
ゴリゴリと抉られていくクリエール
しかし全身ではない。胸部装甲、わき、下半身を
集中的に削られていく
キキョウ 「フェッフェフェ、これだけ薄くなると
近接戦闘したとき内部フレームが露出しちゃうねぇ」
リエ 「ちょっと動いただけでこんなにダメージが入っちゃう♡
まさか!!!」
キキョウ 「ご名答!装甲パーツの内側を意図的に厚くすることで
内部フレームに干渉するのさ!!この感度なら
普段の戦闘も影響が出るでござるなあああ」
おかしい蒼転寺さんの声がしない
もう機体のバッテリー切れかと思ったが
委員長さんの声は聞こえる
委員長さん「さあ、生まれ変わったあなたを友達に
見せなさい」
蒼転寺さん「いやあああああ、見ないでええええ」
悲惨な光景だった。彼女の憧れの象徴だった
メイド服はなく、代わりに園児服が着せられていた
委員長さん「あなたは私の物、一番は私。
オイルしーしーできて偉いわね。
おむつはプラ容器に入れなきゃ」
蒼転寺さん「ううぅ。」
目のランプが消えていたが、
委員長さんの動きに合わせて
機体はビクビクと反応はしている
キキョウ 「おやおやおや?お友達は壊れてしまいましたねぇ?
リエ殿は潤滑油派でござるか?シリコンスプレー派?
選択肢はないでござるが!!!」
そう言って私たちから鹵獲したワイヤーで
機体をきつく縛る。
リエ 「/////ッ!!!」
キキョウ 「今から72時間、この全自動メンテマシーンで
お体を触ってゆく」
足の裏、わき、そして大事な動力炉まで。
筆で撫でられるたびに甘美な声を上げてしまう
これではキキョウの思うつぼだ。でもぉ♡
リエ 「らめぇえええええ、冷却水零れちゃうのほぉ♡」
ぶしゃあああ
キキョウ様は両手に顔をあて恍惚としてい・・・。
その後ソウテンマルは四肢を小さな機体用に換装され
自力では立てず、委員長さんなしではバトルできない
体となっていた。
そして私は・・・。
キキョウ 「さあ、リエ殿散歩の時間でござるよ?」
リエ 「はい♡、ご主人様ぁ♡」
ご主人様は過去の過ちをすべて許してくれる
寛容な方だ。その愛は海よりも深く
山よりも高い。
私の機体には首輪が付けられ、赤いリード線で
結ばれた私たちを羨ましそうな目でほかの
機体が見つめる。
体の各所にはハート形の蓄光デカールが怪しく光る
ご主人様のためならば私は喜んで剣になろう♡
ご主人様のためならば私は喜んで盾となろう♡
銃なんてなくても肉弾戦で相手を刈り取るの♡
そして最終的にはご主人様の機体と合体し
永久に使役してもらうの♡
私の罪を許す聖女。
ケルベロス†シスター†アドミラールさまぁ♡
委員長さん「なぁにこれぇ?」
リエ 「ゑ?約100行の純愛文学だけど?」
委員長さん「こんな薄いブックス!
あなたしか喜ばないわよ!!」ドン
リエ 「分からない?さては転売屋ね!!!!」指ビシィ
委員長さん「ロボガチ恋は少数よ!!!。
私好きなの人間だし!!ねえ蒼転寺さん!!」
そうてんじ「ろくがしたー、くらすぜんいん、
もくげきしゃー」
リエ 「クラスって・・・。」
教室を見渡す。私が一歩歩くとクラスメイトが
ザッと後ずさりをする
リエ 「明日から保健室登校します」
委員長さん「大丈夫w、こんなことでww、あなたをwww、
ごめんっwwww」
その日から私の評価は
”悪い人ではないけど距離は置きたい”になった
委員長たちとの約束の日がやってきた
私がヤケコーラをキメているとメンバーが
集まってくる。
リエさま 「ひっく。なんで毎回あたしさまの家にぃいい」
ktら 「あなたコーラで酔える体質なのね?」
リエしゃま「そおだよぉ。わるぃい?
わあああん助けてぇ、しょおてmmじさまぁああ」
そtなん 「おねえちゃん、メッ」
ktら 「ご、ごめんなさい」
とういうか私さまがなんで地の文まで書いてるのよ!
他人の心理描写までわかりましぇーんwww
怪文書なんてこんあんでいいれーーーすwww
うぇひひっひひひひひひひひwww
すmr 「そのお姿、嘆かわしや!!成敗!!」
りsy 「あれれーめいどしゃんきえtった?
おかしいん・・・・・」ドサッ
ここからは
担当させていただきます
さて、カトレア様の提案でゲーム大会をする
運びとなりましたが、コーダ様、クフェア様は
病院でのオペで不在となります
当人たちは参加したかったと
嘆いておられましたことを伝言いたします。
リエ様の家を輸送ドローンで運び
公園に向かいます。この公園は私にとっても
思い出の場所。私の愚行を正した者との
戦場いくさば・・・こほん。
メンバーを紹介しましょう
クリエリエ様、大型のペットボトルを抱いて気絶して
おられますが、巨大な赤毛ツインテールと
絆創膏が特徴的。お召し物はパジャマですので
後でお着換えをさせていただきます
蒼転寺ラン様、緑髪のポニテが今日も似合っております
眼鏡は危ないため、仮想ゴーグルを着用済みです
ゲームアバターは長袖のメイド服。
現実では半袖のほうが家事しやすいという
ツッコミに関しては意見を受け付けません
カトレア・リゾルート様、青髪ショート
クラス委員の腕章で生徒会副会長の文字を
隠す技巧派でございます。2番目は嫌というのが
本人の談。ゲームアバターは裁判長。
ハンマーが若干大きいようですが
気のせいでしょうか?
キキョウ・リゾルート様、紫髪ロング
機械部を裏から操る女帝というほほえましい性格
好きな人は監禁するタイプでしょうか?
ゲームアバターはシスター。私も救って下さいませ。
クローバー様、原初のAIという大層な称号と
我口調、そして金髪仮面フード。趣味は三段笑い。
笑顔を見ると私も元気になります
ゲームアバターはラスボス。翼のようなマントと
口から生えた牙が特徴です。サキュバスではありません
当人がおっしゃているので、これはラスボスです。
最後に私が参加者となります。黒髪半袖のメイド服に
肌を覆う長手袋。ブラシとモップをクロスさせて
背中に刺すのは昔の名残です。
ガーターベルトは・・・到着でございます。
キキョウ様 「おーい、リエ殿ぉ、15mの巨大装狂演譜立像で
ござるよー?ローアングルし放題でござるよー?」
カトレア様 「今のあの子は黒歴史と戦ってるから
そっとしておいてあげなさいな」
すこし強く首あてし過ぎましたか?
クローバー様「それより我を呼び出して何をするのだ?
親睦なら前の商品会議で済ませたじゃろう?」
ラン様 「VRゲーム”はちゃめちゃサッカー2500”よ」
骨折患者の早期退院を目的とした
歩行訓練をVRで再現するプログラム。
それの魔改造版でございます。
スミレ 「さあ、皆さまジャージにお着換えください
私服は洗濯して干しておきますので
友好を深めてくださいませ♪」
このジャージはVR上ではゲームアバターに見えるよう
合成されるそうです。ちなみに全身緑色
ラン様 「ルールは前半20分、休憩15分
後半20分で破壊不可のボールを
相手ゴールにたくさん入れたほうの勝ち。反則はなし
武器を召喚してもいいし、ハンドもあり
オフサイドなんて物も存在しない。
何でもありな
ラフプレー上等のサッカーよ♪
チームは委員長さん、キキョウちゃんペア
私、クローバーちゃんペアで」
キキョウ様 「へぇ、なんでもありねぇ。」ニヤニヤ
ラン様 「それでは、悪逆非道で試合開始!!!」
キックオフ?の合図で始まった試合なのですが
ラン様 「蒼転寺ィ、ソォニィイイイク」
カトレア様 「ハンドよハンド!!!しかも開始2秒で!!」
キキョウ様 「姉上、集中して拳を前に出すでござる!!!」
ラン様の投げたボールは衝撃波が出ており、
ナルホド、これがVRによる映像体験なのですね。
カトレア様 「こうなったらヤケよ。ええええい」
今度は手のエフェクトが出てボールを止める。
ボール側が物理的な移動とエフェクトを
計算し挙動するというわけですね
キキョウ様 「ルールは分かったでござるか?クローバー殿」
クローバー様「問題ない。我の勝利は揺るがないのじゃ」
試合は一対一の同点で前半20分が終了
キキョウ様 「この試合クローバー殿と蒼転寺殿が
やりたい放題していたでござる。」
カトレア様 「痛みはないけど、体は動かなくなるのよ。
トラックに引かれた時は3分動けなかったわ」
キキョウ様 「試しに装狂演譜のパーツでも呼び出して
みますか?姉上」
カトレア様 「いいアイディアね。さあ勝つわよ!!」
休憩が終了、カウンターは1対25となっていた
カトレア様 「ちょっと、なんでカウントが進んでるのよ!!」
クローバー様「ルール無用じゃろう?
我らは前半戦でゴールを入れた
お主らが休んでいる休憩中にもゴールを入れた
もちろん後半にもゴールをいれるぞ?」
キキョウ様 「相手のどちらが考えた作戦でござろうか?」
ラン様 「この怪文書は現代文ではありませんので
読者の想像にお任せします☆」
カトレア様 「降参よ降参!!次の試合!!」
お次はカトレア様クローバー様ペアと
ラン様キキョウ様ペアの試合。
カトレア様 「ねえ、何でもありならこの作戦は?」
クローバー様「人のココロとかないのか?お主ら?」
試合は後半戦残り5分、
クローバー様がゴールに突撃
おそらくラストチャンスの攻撃
クローバー様「一億総ボールシュート」
ラン様 「これをしのげば私たちの・・・ボールが増えてる?」
2個や3個ではない、おそらく一億でしょう
ゴールに入りきらないボールもあり
3対沢山で、カトレア様、クローバー様ペアの
勝利でございます・・・これでいいのかしら?
カトレア様 「やったぁあああ」ハイタッチー
クローバー様「う、うむ。」ドン引き
続きましてキキョウ様、クローバー様ペア
ラン様、カトレア様ペア
キキョウ様 「こんな作戦はどうでござるか?」
クローバー様「この学園変な生徒しかおらぬ!!!」
試合は2対2残り8分
キキョウ様 「今でござる、忍法リエ殿の術」
クローバー様「に、忍法蒼転寺の術」
これは、リエ様と蒼転寺様!!!
忍術の使い手が私以外にも!!!!
キキョウ様 「どう、どこからどう見てもリエ殿でござろう?
じゃなかった、私は私よ」
クローバー様「歩行者優先だから周りの状況にとらわれず
横断歩道は確認せずに進むわ」
ラン様 「分かるマン」
カトレア様 「それ命にかかわるから!!!
よいこはちゃんと安全確認してから渡ろうね」
カトレア様、リエ様。あなた方がいないと
私はツッコミで喉が枯れそうです
クローバー様「ゑ?安全確認しないと危ないならやめておくわ」
キキョウ様 「蒼転寺さんは私を倒せるの?」
ラン様
「解釈違いよ!!」
カトレア様
そう、どんなに真似てもほころびは生じる
あの人もそうおっしゃってましたか。
ラン様 「リエちゃんなら、私が蒼転寺さんを
倒す!!!というはず」
カトレア様 「蒼転寺さんは罪の意識すら持つ気がない、
反省はありえない」
試合は引き分けなものの、イツワリノオモイは
見事に見抜かれたのでした
リエ様 「う、うーん。なんか頭がボーとする」
スミレ 「お目覚めになられましたか?きっと
悪い夢でも見てたのでしょう」
リエ様 「八ッ、膝枕!!すいませんスミレさん!」
スミレ 「いえいえ、それより動けますか?
ゲームはこれからですよ?」
リエ様 「そうでした。でも対戦相手は?」
スミレ 「私です」
突如空中に飛び、鳥居を召喚し
その上に腕組みで立つ。
ちなみに、コーダ様に作法と教わりました
リエ様地の文お任せします
スミレさんの提案した特別試合
それは私たち5人でスミレさんを倒すこと
ちなみにコーダ先生もそれぐらいはできるとか
この世界の大人って狂ってるのか!!!
そう思った矢先、スミレさんが
”5体に分身して襲い掛かってきた”
キキョウ 「見るでござる皆の衆、ニンジャでござる!」
リエ 「アイエエエ!ニンジャニンジャナンデ!」
蒼転寺さん 「スミレさん単独では家全部を任せられない。
けど、あの人分身するのよ!!」
クローバーさん「倫理観壊れすぎじゃろ蒼転寺家!!」
委員長さん 「クローバーさんがツッコミできる人で助かるわ」
スミレさん達 「さあ、かかってきなさい!!」
流石にゲームの仕様かと思いゴーグルを外す
現実でもスミレさん達が笑顔で手を振っている
うわぁ。(絶望)
蒼転寺さんどこからこんな逸材
引っ張ってきたんだよ。
BGMさんまで空気を読み
重苦しく始まり、時に激しい曲調となる
試合は一方的だった。非人道兵器のマキビシや
手裏剣、クナイに鎖鎌、ネットで捕縛
刀を刺した後深く抉ったり。
攻撃当てようとしたら何処からか壁を出して
鍵縄で逃げるし、
味方が爆発する卑劣な術もあった
私だって失禁したいレベルで実際コワイ
ブラシとモップを回転させ竜巻を作り
挙句大量の水を召喚し、水上を走る始末
休憩に入り0対3
キキョウ 「このままでは今回の経験値や報酬が全部
スミレ殿に泥棒されてしまうでござる」
リエ 「ねえ、私たちどこかでスミレさんと
会ってない?例えば、この公園で昔?」
キキョウ 「この公園、ニンジャ・・・バイク!!」
リエ 「じゃあ!!」
キキョウ 「2人超人博覧会の1人かー」
リエ 「ねえ、もし私があのモードを使うと言ったら
どうする?」
キキョウ 「また親友をなくしてしまうでござる!!」
リエ 「多分だけどこのメンバーなら大丈夫」
キキョウ 「リエ!!!本当にいいの?」
リエ 「私とあなたのルーツ。今はただ挑戦したい」
キキョウ 「わかったよ。・・・承知したでござる!!」
リエ 「後半戦、なんとしても取り返す。
ただ、私はみんなとの絆をいったん絶つ!!」
蒼転寺さん 「勝算があるのね。大丈夫、試合が終わったら
また一緒に馬鹿出来るわよね?」
リエ 「それはあなたたち次第。
いままで友達でいてくれてありがとう」
目をつむり意識を奥へ奥へと堕とす
もっと深く、もっと、そう思い出すんだ。
誰もが持っているあの時の感情を
紅の双璧 「モード紅・・・キキョウ!!!!」
「
ここに復活でござる!!」
「リエ様の声色が?感情も?」
紅の双璧 「キキョウ!ケンタウロスフォーメーション」
「なつかしいでござるなぁ」
「ねえ、なにあれ。キキョウが
リエさんに後ろから抱きついてるけど」
紅の双璧 「黙れ、勝てばよいのだろう?」
「!!!!あなた誰なの?」ドン
紅の双璧 「キキョウ!!フル稼働」
「ケンタウロス・・・太陽系の伝説上の生物
くっくっく、4足歩行の見立て改造。
通常よりも早く走り突破する作戦か」
紅の双璧 「キキョウ来るぞ、盾となれ!!」
「攻撃を防いだ!!でもキキョウちゃんが」
「リエ様、あなたらしくない」
紅の双璧 「フッ」
「自分だけ鍵縄で逃げた?でもあれって
スミレさんの技じゃ」ドン
紅の双璧 「どうした?一点返したぞ?
次行くぞ。貴様らに出番はないが。
来いキキョウ!!そんなところで寝てて
どうする。俺が好きなのだろう?」
「ええ、あと2点でござるな」
紅の双璧 「キキョウ!!!ワイヤーを出せ!!!」
「ひどい、これがリエちゃんなの?」
「うぅ」ドゴォ
「またキキョウ様を盾に。
では次の攻撃はどうでしょう。」クナイナゲー
紅の双璧 「甘い!!!キキョウがいる限り
この俺に傷など入らぬ!!」
「ぐわああ」
ワイヤーを巧みに操りキキョウを盾とする
「キキョウ!!!もうやめて、いくらゲームとはいえ
こんな勝ち方嬉しくない!!!」ドン
紅の双璧 「ハハハハハ。これで2点。
立てキキョウ!!
お前の代わりなぞいくらでもいるぞ」
「うう、まだいける」
「ぐぅわぁあ」
「いたっ、くない」
「まだぁ、まだ」
紅の双璧 「クックック、ハハハ、ワーッハッハッハ!!
同点だ、立て、キキョウ・・・フン情けない」
「我の3段笑いまでも」
紅の双璧 「ようやく追いついた。足しか引っ張らないやつらめ
覚えているか、スミレ!数年前この公園で
貴様が大道芸をしていたことを。
俺はそれに感動をした
そしてそれを超える。
過去の亡霊どもを消滅させ
自分一人が残ればいい」
「あなたは過去の私と同じ」
紅の双璧 「そうだ。あの殺意こそ本物だ!
こんなゲームではなく、純粋のな!!!」
「なら決着をつけましょう、
でもリエ様、あなたの味方はもう
誰もいません」
「リエちゃん、いえ、クリエリエ
あなたはもう誰も救えないし
あなたを救うものも現れない」
「大切なクラスメイトだと思っていた
でも今は違う、委員長として
赤毛は止める」ドン
「蒼転寺のチカラの器にしては狭いようじゃな。
これがお主の全力とは情けない」
紅の双璧 「貴様ら、勝ちたくないのか!!
人数は1対5と馬鹿にされ
挙句得点は俺一人の物だ
その間何をしていた!!!!
キキョウ未満の戦果でこの俺に意見だと!!!」
紅の双璧 「まぁいいか、俺がすべてを終わらせればいい
亡霊が何匹増えようが変えられない
残り10分。俺だけの正しさを創造する」
試合は続く。キキョウはボロボロだが、
それでも笑顔でいた
紅の双璧 「どうした?キキョウはまだ俺の味方だぞ?」
「キキョウちゃん!!こんなの
私たちのクリエリエじゃない!!
なんで味方するの!!!」
紅の双璧 「叫んでも聞こえぬさ!!!
恋や愛で主人を守る盾となれるのだぞ?
こいつも嬉しいだろう。ハーッハッハッハ!!」
「スミレさんあの時いったい何をしてたの?
主人としての命令です。答えなさい!!」
「コーダ様と命のやり取り。
と言ったら信じますか?」
「今は信じましょう
理由はあとで聞きます。
まずはキキョウちゃんを何とかしないと」
紅の双璧 「残り五分こちらも攻めきれていないが
キキョウを盾にされ攻撃もできないか
ん?
フッ!ついに試合まで放棄したか!!
ゴール前に集まって何をたくらむ!!!」
「クリエリエ、キキョウちゃんを解放しなさい
私たちはゴールを守ること以外の攻撃はしない」
「委員長として、いえ、人としての間違いを
私たちで証明する」ドン
「我は部外者だが、
お主が悪だということはわかる」
「皆様がリエ様の悪意をすべて受けきると
仰っているのです、来なさい
私の罪、私への罰よ!!!」
紅の双璧 「クックック、面白い
もはやキキョウなど必要ない
望みどうり開放してやる。
ソウテンマル、
ケルベロス、
グランディオーソ
そしてエンデューロの欠片たちよ、
とどめを!!!!!」
「ここまでですね、皆さまは避難を」
「友達が道を外しそうな時どうする?
という問題があったわ。授業では
何があったかまず話し合うっていうのが正解だった
でも私の考えは違う、敵対してでも
連れ戻す。たとえ嫌われてでも!!!」
紅の双璧 「ハハハハ、奇麗ごとを!!
スタンバイレディ!愚か者どもを八つ裂きにしろ!!」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
光の粒子となって消える装狂演譜のパーツたち
主と認めない者にチカラを貸す気はないと
言わんばかりに。
紅の双璧 「何が起きている、なぜ消える、
市販品まで俺を否定するのか!!!!」
紅の双璧 「ならば直接俺がゴールを決めるまで!!!」
「皆行くよ!!!せーの!!!」ズズズ
紅の双璧 「馬鹿な、ゴールをずらすだと!!!
こんなの反則だ!!!!」
「なんでもありと言ったはずよ、
意志を持たない機械にすら裏切られた
一人ぼっちさん♪」
紅の双璧 「そう何度もうまくいくか
なっ、
貴様まで見捨てる気か!!!
キキョウゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「ワイヤー、は、こっちでも、
ひける、でござ」
タイムアップ
3対3の引き分け
紅の双璧 「俺はまた、一人になるのか。
もう嫌なのに、勝てば認められるのに
なにもかも・・。」ドサッ
気を失った孤独な人をベットに乗せ
クリエリエの家は飛びました
着陸した後はそのまま現地解散。
明日は登校日
来るのはクリエリエか、
それとも・・・。
もしかしたら来ないという選択肢もある。
本心ではないと信じたいけど
私たちはバラバラになってしまった。
よくわからないまま気が付いたら朝10時ごろ
なぜか目に涙があった。
保健室登校していたクリエリエは
もはや私と話す気はないらしい
「ごめんなさい」
そういってカーテンを閉めた
ただ嬉しかった。
私に心配を掛けまいと無下に扱ったのが。
すべての決着をつけるため放課後生徒会室に集まる
本戦メンバー。そして今回の重要参考人
スミレさんも呼んである。
コーダ姉さんも、そしてクリエリエも
ラン 「さて話してもらいましょうか。
まずはキキョウちゃん、あの化け物はいったい何なの?」
キキョウちゃん「リエ殿曰く、脳のリミッターを外した状態。
思い描く最強の自分を具現化するシステム
まるで無邪気に走り回った子供時代のように
雑念を捨てた自分だけの世界でござる。
リエ殿は脳内快楽物質の増大および
酸素供給不足による脳がマヒした思考能力の低下と解釈した。
2つの要因だから双璧
紅の双璧モード。
ゾーンとかランナーズハイとでもよばれているかな」
コーダ姉さん 「理論上誰でもできるが、常人より過酷な
アスリートですら毎回できるとは限らない。
そもそも再現性がなく医学上は
存在していないことになっている」
委員長さん 「でもそれであんな性格になるのはおかしいわ」
キキョウちゃん「リエ殿は他人のことに脳のリソースを
割いてる都合上自分のことを後回しにする癖がある。
それをすべて自己中心な考えに回したとしたら?
自分しか興味の無い道化の出来上がりで候
ちなみに気絶したのは最強の自分が
引き分けになったという事実を
受け入れられず、脳が拒絶反応を
起こしたと思うでござる。」
クリエリエ 「ごめんなさい」
ラン 「あなたの謝罪なんてもはや価値もない
これ以上の発言を禁止する」
キキョウちゃん「私たちの思い出。スミレ殿が
バイク乗りとしていた大道芸が、
クナイや刃物が私たちのルーツ。
サーカスとニンジャ好きの原点」
ラン 「でもおかしいわね?当のスミレさんは
コーダ姉さんと命のやり取りをしていたと」
スミレさん 「コーダ様」
コーダ姉さん 「ああ、好きに話していい」
スミレさん 「当時の私は荒れていました
分身はもちろん、他人に成り代わる術も。
汚い手段でお金を稼ぎました
面接に受験の替え玉、結婚式の上司役
挙句離婚の手助けまで。
そして次の依頼は病気の母親に対し
娘役で遺産の確認をすること」
委員長さん 「むごいわ、そんなの!」
スミレさん 「ええ、私の汚点の1つです
依頼は成功しました。ただ問題が1つ。
私をみて満足したのか患者が帰らぬ人と
なったのです」
コーダ姉さん 「それが私が手術した患者でな
遺族との面会は謝絶していたんだ」
委員長さん 「どうして?家族に会うくらい!!」
コーダ姉さん 「これは医者ごとに考え方が違うが
当人の希望を叶えるか、
もしくは意図的に叶えさせないかだ。」
ラン 「後者にメリットはなさそうだけど?」
コーダ姉さん 「例えば家族に会って満足して
帰らぬ人になる人もいれば
家族に会うまで生きる希望を捨てない
という患者さんもいる」
スミレさん 「そして私たちは口論となった。
患者に家族と会わせない選択をしたコーダ様
依頼されて替え玉で来た私
私の失言がコーダ様を苦しめた」
”所詮は私と同じ。利益のため
患者を生かしたかったのでしょう?”
スミレさん 「ならどうします?私をここでこの患者と
同じ運命にでもあわせますか?
残念ですが腕力には自信ありですよ?
刃物を持った程度なら相手にならないわ」
コーダ先生 「そうか、君には金目当ての医者に見えたか。
いいだろう、ただし場所は変える。
刃物は使う気はない。こちらは木刀とバイク」
スミレさん 「あら、私は使いますよ?クナイ、手裏剣
えとせとら」
コーダ先生 「公園まで乗せてってやる、乗んな」
スミレさん 「私が運手中背後からサクッとする
可能性だってあるのに?」
コーダ先生 「命のやり取りが必要ならもう終わっている
私の勝ちだ」
そう言って白衣の下から木刀を取り出す
スミレさん 「あなたこそお終いでしたよ?」
ガーターベルトからクナイを出す
コーダ先生 「といってもだなぁ、ここから歩いてくのも
なんか違うし、かといって公共機関使うのも
変だ、そのあとデュエルだよ?」
スミレさん 「停戦協定と行きましょう。けど
バイクって2人乗りできるものなんですか?」
コーダ先生 「あはははは、大丈夫だ、君は捕まっている
だけでいい」
クローバーちゃん「なぁ、なんか意気投合しておらぬか?お主ら」
コーダ姉さん 「あはははは、強敵を前にしたんだ。
気分が高揚するだろう!!」ニィ
スミレさん 「なんかこの人すごく強そうだと思って」にこにこ
キキョウちゃん「バーサーカーか何かで?」
ー公園ー
コーダ姉さん 「あははは、私を後ろから刺さないなんて
いいところあるじゃないか!!
嫁にしてもいいぞ!!」
スミレさん 「あいにく汚い手段でお金には
困っておりません」
コーダ姉さん 「さあ、やろうか。
蒼転寺コーダ、参る!!!」
スミレさん 「それ私もやらないといけないですか?」
コーダ姉さん 「ここでは礼儀だ。ちなみにバリアがあるから
流れ弾が観客に当たることはない」
スミレさん 「はぁ。スミレ、見参!!」
そこでの戦闘は楽しかったです
人生を変えた瞬間の1つでしょう
分身に対しバイクで対応しつつの攻撃
クナイに対して全力でアクセルを吹かし
首を動かした最小限の動きで対応
私が火の海を作れば、神話のように
火の海を割って突撃
突然コーダ様のバイクが横滑りし
テールランプが尾を引き
電気や火花を出しながら停止
私も腕が限界で刀2本を落とす
はたから見ればサーカスにも
ニンジャショーか何かに見えたでしょう
突如拍手や歓声が沸き
観客からおひねりが投げ入れられました。
夕日に照らされた硬貨やお札は
幻想的なもので初めて奇麗という
感情を持ちました。
このままにするわけにはいかず
お金を2人で回収していると
赤毛と紫髪の小さな観客が来ました
2人 「大人たちと比べると少ないですが
これが私たちの精一杯。どうぞ」
とね。手が震えていたわその2人
だって子供ですよ?そのお金でお菓子でも
買えばいいのに。ハンカチに包んだおひねりなんて
金額からすれば時給にすら満たないですし
コーダ姉さん 「あはははは、よくできたじゃないか
貰っておくよ。もし時間があるなら
アンコール見ていくかい?」
2人 「いいの!!!!」
スミレさん 「ただしあと10分、
あなたたちの家族が心配してしまいますから」
コーダ姉さん 「どうしたスミレ君、私を倒すんじゃなかったのか?」
スミレさん 「あなたこそバイクは燃料切れで
動かないのに!」
コーダ姉さん 「小さな観客が見ている手前、
プライドなんて捨てて戦えるさ」
スミレさん 「ならこれは避けれます?」
コーダ姉さん 「具問だ!!」
2人 「ありがとうー」
コーダ姉さん 「おう、気を付けて帰んな」
スミレさん 「寄り道せずに帰るのよー」
コーダ姉さん 「さて、ここで質問だ。
汚い手段で得た金と、子供たちの精一杯。
どちらが欲しい?」
スミレさん 「私が悪かったです。申し訳ございません」
コーダ姉さん 「いや、単に偶然患者さんの寿命っだたという
可能性もある。気づいてはいたさ。
まぁ今となっては分からないがな」
スミレさん 「今後は
ただ貴方のおそばにいさせてください」
コーダ姉さん 「私の妹がいるのだが少々会う時間がなくてな
お世話をするなら考えてもいい」
スミレさん 「承知いたしましたご主人様」
ー現在ー
コーダ先生 「という話だ。そしてその少女たちのハンカチが
このタッパーの中にある」
キキョウちゃん「さすがに洗ってありますよね」
スミレさん 「・・・」チラッ
コーダ先生 「・・・ほら、この世界のプラ容器って
消臭機能ついてるし、衛生面はOKだ!」
キキョウちゃん「愛が重いでござる!!!」
ラン 「なるほどね、ホントは命のやり取り
していたけど、サーカスや忍者ショーに
見えたと。」
スミレさん 「リエ様が私たちの戦いを見て
思い出に残っていたのは嬉しかったです。
消してしまいたいと言われたとき
悲しむと同時に私が救わなければと
思いました。あれは過去の何も
信じられなかった時と重なっていましたから」
ラン 「なにか言い残したいことはあるかね
クリエリエ氏」
クリエリエ 「ありません」
ラン 「クリエリエ氏に対し保健室登校禁止及び
無断欠席を禁ずる、異議申し立ては・・・
ないようね。委員長ハンマーとって。
これにて閉廷」ガンっ
ラン 「お帰りリエちゃん!!!」
リエちゃん 「・・・ただいま。」
今日も蒼転寺さんをドローンで運び
学園に着く
委員長さんが声をかけてくれたのがうれしかった
ただ様子がおかしい。紅の双璧モードは
他のクラスメートには見せてないはず
なのに妙によそよそしい
ここで思い出す
ああ、そうか私の罪。保健室登校禁止の真意
フェチバレした約100行の
純愛小説による呪いだ!!!!!」
注意、紅の双璧、ゾーン及びランナーズハイの解釈は
この作品独自であり、
医学的根拠を保証するものではありません
舞台裏トーク
紅の双璧 「なぜ最後裏切ったのだ。キキョウよ?
あのまま行けば俺はまた孤立して、
貴様に依存するはずだぞ」
キキョウ 「解釈の違いというか、
拙者自身で堕としたいの。紅の双璧の
自滅で親友がいなくなっても
面白くないでござる」
クローバー 「どちらも同じじゃろうて?」
紅の双璧 「違うのだ!!俺はキキョウは支配したい。
紅xキキョウ派だ!!!」
キキョウ 「それは別にいいけど最終的には
キキョウx紅殿になって
どっぷり依存されたい」
リエ 「はぁ、装狂演譜クリエール世界の
カップリングは私たちが勝手に言ってるだけ。
ので、
君だけのペアを作って遊んでね」
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