彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)

YAYOI99

第1話 表もあれば裏もある!?ダブル『凛』の日常!!(1)





あなたにとって、恋愛ってどんなもの?


僕にとって恋愛は・・・





「すごい。」





組まれたやぐらを見上げながらつぶやく。


それで隣にいたお方がさわやかに笑った。




「そうだろう、凛?なかなか、間近で見る機会はないもんな~?」


「はい!瑞希お兄ちゃん!」




ステキな笑顔を向けて下さるキュートなイケメンに、体がほてってしまう今日この頃。




みなさん、こんにちは!


僕の名前は凛道蓮。


幸せいっぱいを体験中の15歳です。


今日は、大好きな瑞希お兄ちゃんと一緒に、とある会場に来ています!






「サナちゃん1人かと思ったら、可愛い子をお供に連れて来たな~?」


「いいでしょう?自慢の弟っすよ。」




一緒にいたおじいさんに、そう言って答えるのは、正真正銘の美少・・・






「いや~可愛い可愛い『姉妹』だな!?わはははは!」


「『兄弟』って言って下さい。誰が女です・・・!?俺は男ですから・・・・!!」





あ、間違えた!


び、美少年です!美少年!


美少年じゃなくて、正真正銘の美男子!


美少女って年じゃない・・・美男子です!





「あと、可愛いもやめて下さいね・・・!?怒りますよ・・・・!?」





そう言って、お年寄りの発言に怒った笑顔で返すのが真田瑞希さん、20歳♪


バリスタ見習いの社会人です。


見た目、女の子と間違えるぐらい可愛いけど、カッコいいお方です!


サラサラヘアーでお肌もスベスベて、本当に愛くるしくて~


僕にとっては、お兄ちゃんのような存在で~それだけじゃないんですけどね、うふふ!




「はははは!怒るなって!冗談に決まってるだろう~?それで?今年も去年と同じでいいんだよな、サナちゃん?」




笑い飛ばして誤魔化す気さくなお年寄りに、瑞希お兄ちゃんもすねていた顔を戻しながら言った。





「えーと、少しだけ変えました。ドリンクの種類を増やしてます。」


「そりゃいいな!サナちゃんのところは、安くてうまいからな!今年の屋台でも、きっと人気だぜ!?」


「はは・・・・下手くそを値段の安さでカバーしてるんで、ギリギリっすよ。」





そう言って、冊子になっている資料を見ながら話す大人2人。


実は、私達がいる場所は、夏まつりの会場となる広場なんです。


この地域では、7月の最初の土曜日から『土曜夜市』という毎週土曜日に開かれるお祭りがスタートします。


そのお祭りで、瑞希お兄ちゃんも屋台を出すんです。






「コーヒーショップらしく、今年はコーヒーだけに力入れようと思いまして。」






出すのはもちろん、コーヒーショップ。


バリスタの卵である瑞希お兄ちゃんは、普段、コーヒー専門店で働いています。


学んだことを生かそうと、自宅兼店舗で自分のお店をしていたりします。


ただし、それは時間がある時だけ。


おまけに、時間のあいてる時だけしているので、とても不定期です。






「普段やってる不定期開店だと、どの商品がよく出てるのか集計しにくいんですよね。その点、必ず人が来る祭りとかイベントだと調べやすいし、今後の参考になりますから。」



(さすが瑞希お兄ちゃん!職人として、経営者として、立派なお考え・・・!)




〔★瑞希への好感度が上がった★〕




うっとりしながら、瑞希お兄ちゃんの話に聞き入る僕。


もちろん、そう思ったのは僕だけじゃない。





「なるほどな~集客に、マーケティングね~ちゃんと考えててえらいぞ、サナちゃん!頑張れよ!」


「ありがとうございます、会長。」





瑞希お兄ちゃんが話をしているおじいさんも感心したように褒めてくれた。


ちなみにこの方、毎年夏祭りをしきっている責任者であります。


今日は、現場の下見も含めて、打ち合わせにきています。


周りは、大工道具で作業する人達や忙しそうな大人でいっぱいです。


僕達3人は、その人込みを避けるように、木陰の側でお話中。


といっても、打ち合わせをしてるのは、瑞希お兄ちゃんと会長さん。


おまけでついてきた私は、2人の横で静かにしてます。


良い子にしてます。


会長さんからもらったストローつきのジュースを飲んでいるのです。


熱いに冷たい飲み物・・・ストロー付きは助かります。


なぜなら僕は、シルキロールという、耳に引っ掛けて、鼻まで隠すマスクをつけています。


布の下から、水分補給ができるので便利なのです。


顔を隠してますが、照れ屋というわけじゃありません。


あと、日焼け止めをしっかりぬっているので、顔が二色に焼けることはないです。




〔★準備万端だ★〕




「コーヒーの種類ごとに、入れ物を入れ替えるのか?手間じゃないか?」


「ええ。でも、そうしないと間違えそうで。俺はわかりますが、他の奴らが・・・」


「それもそうか~コーヒーの色の違いは、ジジイにもわからないからなー!」


「それと会長。今年からはコイツも、うちの店を手伝うのでよろしくお願いします。」


「ふえ?」




そう言って、ジュースを飲んでいた僕を抱き寄せる瑞希お兄ちゃん。


その力に乱暴さはなく、強引だけど優しくて~ホント、優しい~!




〔★凛はのろけている★〕



体に触れられたのは、嬉しかったけど、油断した。


ちゅーとジュースを飲んでいたので油断していた。





「ほら、凛!あいさつは?」


「あ、ああ、はい!」




即座に、反応できなった。


瑞希お兄ちゃんにうながされ、慌てて口からストローを放せば、会長さんと目があう。


そんな僕に、おじいさんはニカッと笑いながら言った。





「ははは!サナちゃんの弟の凛君だったか?」


「は、はい!り、凛です!この度は、よろしく願いします!会長さん!」


「お、良い挨拶だな~坊主!しっかり兄ちゃんを助けるんだぞ?」


「も、もちろんです!頑張ります!」








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