かみさまの相棒

ダチョウ

第1話

じいちゃんから連絡があったのは、つい先日の事だった。


メールに不慣れなじいちゃんなりに、頑張って送ってくれたものだった。

内容は要約すれば、『ムッチムチのバインバインのケモ耳神様の相棒にならないか?』だ。


俺は疲れていた。


進学校へと入学させようと躍起になる親にも、いじめの絶えない中学にも。

とにかく今、自分を取り巻く全てのものに。


そのから逃げ出したくて、こんな狂ったじいちゃんのメールを真に受けた。

ムッチムチのバインバインのケモ耳の神様?最高じゃないか。

俺はタッパのデカい巨乳大好きだからな。何事だって大きいに越したことはないぜ。


『なる』


俺はその一言を送信すると、部屋のカーテンをあけた。

向かいの家の犬っころが、気が触れたように吠えている。

どうやら日の出だ。

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