[戦記] 深海魚
箱(はこ)
零、光の教典。
十二の主星は光によって導かれ、世界は空間によって構成され、生命は五大元素によって養われながら天と地の間に満ちている。 やがて人間形成の知恵と叡智の結晶が、人神として誕生するのです。
神々の祝福を受けた者は、「選ばれし者」である。
——星の帝国、光の教典-1:12:3
(光の神殿所蔵/非貸出)
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国民は義務教育を受け、魔法を学ぶべきである。
生命の始まりはすべて平等です。
——海月大統領就任宣言、1158年、光の暦。
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——お好きなように。
まるで誰かがそう言ったかのように、嘘偽りのない鼻息で。
不安そうな声を上げながら、彼女は必死に立ち上がる。 見渡すと、目の前の光景はまるで地獄絵図のようだった。
火、火だらけで、燃やす炎の破片の音以外、音はなく、人の声も、虫の声も、鳥の声も、何も聞こえない。
灼熱の爆風の後には、自分しかいない。
茉莉はよろめきながら立ち上がった。細長くはがれた壁や、曲がった炎のような垣根は、呪文で塗られていない数少ない建物。そのほとんどが近くの爆風で粉々になり、その下に無名の残骸が見えているのだ。
目の前の映像が記憶と重なり、頭の中が真っ白になる。 パニックが増幅され、喉の奥で悲鳴が上がる。突然、壊れたレンガとタイルが地面に崩れ落ちた。
"おい、ゴホン! そこのお前、呆然と立ってないで、..."
"!"
...絶體絶命な状況下では、人はとてつもない力を発揮するものです。
茉莉の喉から息が漏れ、片膝をついて、軒先から滑り落ちた。
地面に直接触れるのではなく、割れたタイルの上を慎重に踏みしめながら、呪文の残骸が足元に舞っているのだ。
煙と埃で息が詰まり、咳き込んで涙が出る。
まるでそれがこの世に残された唯一の希望であるかのように、茉莉は、止むことなくその音を追いかけた。
まるで、この世に残された唯一の希望であるかのように、彼女を燃やさない唯一の光であるかのように。
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光年暦1160年の夏。
魔法技術の発展に力を注ぐ海月公国と、神通力に支配された星の帝国との間に宣戦布告がなされる。
20年にわたる戦争の始まります。
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