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第1話

世界がパーティーなどに浮かれる。


12月25日、クリスマスの日に


僕は、養子に出された。


新しい家では、クリスマス会と僕の歓迎会が行われていた。


沢山の人と、沢山の美味しそうな料理が並び

皆んな賑わい楽しそうにしていたが……

僕だけは、楽しめないでいた。


みんな僕に、優しく話しかけてくれたが

お母さんの事を考えると、うつむき落ち込む事しか出来なかった。


その日は、クリスマスパーティーという事もあり。


家族は、遅くまで騒いでいた様だったが


僕は、食事も取らず先に寝てしまった。



そして、翌朝になり


家の人たちが、僕に声を掛けてくれた。


「おはよう」


「……………………。」


僕は、優しく声をかけてくれる人達に返事すらしなかった。


それから、数時間が過ぎ……家には、誰も居なくなり


僕は、家で1人寝そべっていた。


そこへ……1人の女性がやってきた。


その女性は、とても優しかった。


彼女は、その後……僕の食事や身の周りの世話を毎日毎日してくれた。


初めは、彼女が優しく話しがてけてくれるが

ボクは、返事もしなかった。が……


それから少したつと、


僕は、彼女とだけ話す様になっていた。


後から知った事だが、クリスマスの日。


僕が、この家に来た事を一番喜んでいたのは、彼女だったらしい。


僕は、クリスマスの日……


彼女が居た事すら覚えてはいない。

(悲しみのドン底だったから)


だか……今は、少しだけ違う! 彼女に、だけは心を開いているからだ。


優しい彼女と話すのも


優しい彼女と遊ぶのも


僕は、とても大好きだ。


彼女は、時として職場に僕を連れて行ってくれる。

仕事をしている時の凛々しい姿の彼女も僕は、好きだ!!!


時々、僕の方を見て手を振ってくれる。


だから僕は、笑顔を返す。


そんな日々が続き……数ヶ月が過ぎた。


僕は、体も心も大きく成長していた。


今では、家にもなれ


母を求め泣いていた。

あの頃の僕は、もう何処にも居ない!!!


しかし、彼女との関係は今も続いている。


僕の身の周りの事は、今でも彼女がやってくれている。

少し変わった事と言えば……彼女の性格だ!


あんなに優しかった彼女は、……。


彼女は、少しづつ、厳しく……厳しく……

暴力的になっていった。


僕の体が大きくなるにつれ暴力DVが、激しくなっていった。


断る毎に、僕を殴る彼女……


ご飯を残すと殴られる。

呼ばれて、すぐに行かないと殴られる。

挙げ句の果てには……


『踊れ!』と、命令され


僕は仕方なく。

一生懸命にダンスを踊る! 

そして、僕の情熱的なダンスで喜んでると思ったら……


長いとの理由で、また殴られる。


理不尽にも程がある!!!


もう一度、言おう。

あんなに優しかった彼女は、


僕は、裏で彼女の事を


ドメスティックな女……


ドメスティックバイオレンス佳代子と呼んでいる。


噂をすれば! また、ドメスティックバイオレンス佳代子が僕を呼んでる!


「マークッス!!! マーァーー

クッス!!!」


そう、僕の名前は【マックス】


佳代子ドメスティックバイオレンスが今、呼んでるのが僕の名前だ。


少しだけ! 佳代子ドメスティックバイオレンスは、長いので


ここからは、佳代子と呼ぶ事にする。


「マークス! マーーーークス!!!!!」


おっと!

そろそろ佳代子が怒ってきたので、僕は彼女のもとへと走り出す。


「どうしたんだい。佳代子ぉーーー!!!」


僕が、佳代子のもとへ到着するなり。


「遅い!!!」 【ゴツッ!】と、殴られた。


鈍い音が響き!


僕は、佳代子に物申す!!!


「ごめんよー。佳代子ぉー。そんなに怒らないでくれよー。」と……


そして、佳代子の足にすり寄ると佳代子は「よしッ!!」と言い。


頭を撫ででくれた。


僕は思う!!!


今に見てろよ! いづれケツを噛んでやる!


これが、今の僕と彼女の関係だ。




そして、最近の僕は佳代子と常に行動を共にしている。


朝、僕のもとへ佳代子がやって来る。


佳代子は、僕に手料理【ゴハン】を作ってくれる。


僕が食べるのを待ち……


少し食べるのが遅いと!!!


そして、食べ終えると


大体、外に居る佳代子から呼び出しがかかる。


「マァーーークス! マァーークス!!!」


大体、怒った声のため!

僕は、急いで佳代子もとへと駆け寄ると足もとに擦り寄りながら……この言葉を投げかける。


「佳代子ー。どうしたんだい!?

そんなに怒って……綺麗な顔が台無しだよ。

今日の佳代子は、昨日の佳代子より5歳若く見えるよ!」


そんな言葉を投げかけ佳代子の機嫌をとる。


そして、そんな事を一年間! 毎日言い続けたので……


今の佳代子は、とっくに0歳だ!!!


フンッ! こんな嘘に騙されるとは、佳代子は本当に単純な女だ。


そう! お前は、僕の肉球の上で踊らされている事にさえ、気づけやしないのに


いつも威張りやがって!!!


佳代子みたいな人の事を人間界では【ジャイアン】ど呼ぶらしい。


そして、その後……


僕は『ワンッワンッ!』騒いでいると、たけしに殴られ……


あっ……間違えた!!!


佳代子に殴られた。


そして、その後! ボクと佳代子は、彼女の職場へと一緒に向かうのだ。


彼女の運転する車の助手席は、僕の特等席であり! 

走行中は窓を開けて顔を出すと、怒られるが……激しい風で耳がなびくと何とも言えない気持ちよさが病み付きになる。


そんな事をしていると佳代子の職場に、到着する。


佳代子の仕事場には、美奈子とが居る!


僕は、が苦手だ。


あいつは、いつも僕の事を獲物を狙うかの様に狙っているのだ!


まだ、数ヶ月のボーダーコリーチビスケなのに、先輩である。

僕の耳や首元に噛みついて来る! とても、生意気に奴!!!


そして、アイツと僕の歌を嬉しそうに歌う佳代子……


僕は、その歌がとても嫌い!!!


!!!】


今日も佳代子が、その歌を嬉しそうに歌っている。


「ダッシュは、お利口〜♪マックスはバカ〜♪♪」


この歌だけは、どうしても好きになれない。


『僕は、バカじゃない!!!』


そして、その後は佳代子の仕事が終わるまでダッシュと遊んで待っている。


夕方になり仕事が終わると佳代子と美奈子は、僕を散歩に連れて行ってくれる。


ボクの1番の楽しみだ!!!


しかし、散歩になるとダッシュは、いつも

どこかに行ってしまう。


ダッシュの飼い主の美奈子は、探すのを諦めて……


いつも、僕と佳代子と美奈子の3人で散歩に出掛ける。


そして、帰って来ると佳代子と地獄のボール遊びだ!!!


佳代子は、僕とのボール遊びが一番好きみたいで……


「はぁーぃ! マックス。いくよー!!!」


相変わらず佳代子はボール投げが好きだなぁ……


「はーい! ボール探して来まーす!!!」


ボクは、そう叫びボールを探しに向かう。


そして、ボールを見つけ届けると……


佳代子が、またボールを投げる。


「はーぃ! マックス取って、こ〜〜〜い!!!」


それを永遠♾️にやらされる。


しかも、ボールを見つけられず帰ると殴られる。


僕が走り疲れて、死にそうになってもボールを投げるのをやめてくれない。【ほぼ拷問だ!!!】


そんな時は、いつも美奈子に助けを求めるのだ!


殴られるのを覚悟で佳代子を通り過ぎ!!!


バケツに、いっぱいの水を汲んでくれてる。

美奈子のもとへと一直線に……


そして、美奈子か用意した。

バケツに顔を突っ込み、溺れる様に水を飲む……


『ガフッ!! ボコ……! ごぼごぼ!!』


「美奈子! 頼む……もっと、水をくれ! 体にも、ぶっかけてくれぇぇーーー!!!」


そう叫びながら美奈子に頼むと、体にも水をかけてもらい呼吸を整えていると……


遠くから佳代子の声が聞こえてくる!


「マーーークス! マーークス!!! おいで!」


僕は、バケツに頭を突っ込み聞こえないふりをする……。


すると……ゆっくりと近づいてくる。


足音……!!!


ボクは、顔を上げると美奈子に助けを求める!!!


「美奈子! 助けてくれ! 死んじまう。

美奈子!!! お前なら出来る! 佳代子とだって戦えるはずだ!!!

沢山の動物達に愛情を注いでるお前だ!

オラにも、その愛情を少しでいいから分けてくれ……!!!」


「マックスぅ〜♪佳代ちゃんが呼んでるから早く行きなー♪」


「み……み…みなこぉぉぉぉーおーおーー!

おッ! お前……裏切りやがったなぁぁぁぁぁ!!!」


その後! 地獄のボール投げは、続き……


僕は、死ぬほど疲れて家に帰ると

佳代子の手料理を食べて死んだ様に寝るのが……僕の日常だ。



そして、ある朝……


佳代子が、いつものように僕を迎えに来た。


僕は、佳代子と遊ぼうとオモチャを咥えて持って行くと……


衝撃と共に僕は、唖然となり……

咥えてたオモチャを落としてしまった。


「かッ……佳代子! そッそいつは、なんなんだ!!!」


青いツナギを着た。


眉毛野郎が……


ぼぼぼ僕の特等席車の助手席に座っていたのだ!!!


佳代子が呼ぶので……僕は、急いで佳代子の足へと駆け寄り


佳代子を問い詰める。


「おい! あいつはなんだ。キチンと説明してもらおうかッ!!!!」


『ワンッ! ワンッワンッワワンッ!!!』


僕は、マックスダンスをしなから佳代子を問い詰める!


すると……


「マックス! !!!」


怒られ、殴られた。


僕は、落ち込みながらも怒っていた!


佳代子には、車の後部座席に乗る様に言われ

仕方なく後部座席に乗った。


そして、佳代子の仕事場へと向かう様だ。


向かう途中……


車の中は、眉毛が居るせいで無言だった。


全部、コイツのせいだ! コイツが空気を悪くしてやがる!!!


僕は、眉毛野郎に佳代子との出来事を話してやった。


「おい眉毛!!! お前が居るせいで、佳代子が静かじゃねーかッ!!!

俺と2人の時の佳代子は、もの凄く! お喋りなんだぜ!!!」


言ってやったぜ!!! 眉毛はビビって、何も言い返せない。


ふんッ!!! 俺の勝ちだな!!!


「マックス! うるさいッ!!!」 


佳代子には、怒られてしまった。


くッそぉ〜!!! なんで、僕が……!!!


美奈子の家に着くと眉毛野郎は、すぐに帰って行った。


「帰れ! 帰れ! 二度と来るなよ!!!」


そして、眉毛野郎が帰ったので僕は本題に入る事にした。


僕は、佳代子と真剣な話しをしようとした!


しかし、話しをしようとすると佳代子と美奈子は散歩の準備していた。


僕は、叫んだ!!!


「おいッ! 散歩なんてどうだっていい!!」

あ……あいつは、なんなんだ!? 説明をしてくれ!!!」


『ワンッ! ワンッ! ワンッワンッワッワン!

ワゥ〜〜〜ゥ〜〜……』


ゴンッ!!!


僕は、佳代子に殴られ! 散歩に行く事となった。


そして、散歩をしていると……


また! あの眉毛野郎が現れた!!!


「おい! コラッ! 二度と戻ってくるなと言ったよな!!!」


僕は、マックスダンスしながら威嚇する!


「やめなさい!!!」


しかし、佳代子に止められた。


「でも……コイツが道端で寝そべって、ふざけてやがるから!!!」


所が佳代子は、僕の意見を無視してリードを引っ張った。


しかし、眉毛も! 誰にも相手にされていない為……


僕は「へッ! いいざまぁ〜だ!!!」


その言葉を残し! その場を後にした。


そして、少し歩くと……


また、眉毛野郎が現れた!!!


なんだ!? コイツ、しつこいし……

何匹居るんだ!?


僕は、またマックスダンス&威嚇をする!


「佳代子! コイツは何なんだ!? そろそろ教えてくれよ」


すると、佳代子と美奈子は興奮する僕を宥めながら説明してくてた。


「マックス! よーく聞くんだよ……。

これはね、毛虫と言ってね。

刺されると痛いから近づいてはいけない虫なんだよ。覚えときなさい!」


そうならそうと……チャンと説明してくれよ。

勘違いして、しまったではないか。


そっかー……じゃー……。

朝のツナギの男も毛虫だったのか!

佳代子は、危険な毛虫にまで優しくするなんて……本当に優しくて、いい女だなぁー!


「改めて惚れ直したぜ!!!」


_________________________________________

いつもとは、違う日常。


その日は、僕が苦手なダッシュと病院に来ていた。


別に、何処も痛い所は無いけど……健康診断か何かかな?


何をされる訳でもなく……。


僕達は、病院に置いていかれた。


午後になると


「明日までグッスリ眠れるから……」と、言われ。注射を打たれた!


そして、次の日……目が覚めると!


佳代子と美奈子が迎えに来てくれていた。


とくに、何もなかったが


とても大切な物を二つ失った気がした……。


そして、その日の佳代子は、少しだけ優しかった気がする。


_________________________________________

そして、そんな日々を僕達は……



何日………………。



何ヶ月……………………。



何年…………………………………。






……………………………………………………………………………………………………………………ゲホッ…………………………………

………………………………ゲホッ、ゲホ!!

……ハァ……ハァ………………………………

………………………………………………………………………………………………………。



「ぁァ……なんか苦しいな………………。」


体も動かないし……


息も……しにくぃ……………


ここは、何処なのだろう…………?




何か………聞こえる………………。




「先生ー!!!なんとかして下さい。」



佳代子の声だ……。




「私……この子が居ないとダメなんです。」



「……そう言われましても」


「そうですよ。佳代子さん……先生も困ってますから、

生き物を飼うと言うのは、お別れもある。

そう言う事ですから……。」


「それは…………わかって……いるんです。

けど、もう少し……もう少しだけ……

この子と一緒いられませんか……。」


「はぁ〜……まぁ……あと、1日くらいなら……可能だと思いますが」


「それじゃ! だめなんです。

まだ一緒にいたいんです。」



「…………………………。」




……かよこぉ…………



また、怒ってるのかぁ?


あんまり怒るなょ……


先生もこまっているだろぉ…………。


お前は、言い方がキツいから勘違いされやすい…………



ん……だから……………。



きおつけなきゃ……




だめだょ。


かよこぉ……


そんなに悲しそうな顔するなよ……。


もう、ボクは……



最後


だ。から……


「お前が、いてくれたから……


   幸せだった……。」






もう、



鼻もきかなぃ……


匂いも………………しない。


佳代子、最後に……手だけ、


握って


くれない……か。




「……………………。」





「……ありがとう。」





あったかぃ……




「マックス……!!!マックス!!!!」


「マック!!…………マッ……………………ク……………………………………ッス………

…………………………………………………クッ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
















あぁ……もう…………





…………耳も聞こえ…………なく…………。






視界まで……真っ白に…………なってきやがった。







…………………………。






……………!





……………………………ッ

……………………………………………………ク…………………!!!











…………んッ!





なんか




聞こえる!!!!




「…………マ……………………ッ…………

ク………………………………………………

………………………マーーーーーーーーー!ックス!!!」



「マーークッス!!起きろ!!!」




目を開けると





鬼の形相の佳代子!



「ごめんな。佳代子、ボクはもうだめだ。」


「早く起きろ!!!」


佳代子に殴られた。


最後の最後まで……


暴力とは、とんだDV女だ。


佳代子に体を無理やり起こされ! 立ち上がる。


「マックス! 行くよ!!!」


あれ!? いつもの佳代子だ。


体も動く。


あぁ!

あれは、夢か (*´∀`*)テヘ




そして……


今日も、また


佳代子に怒られる所から1日が、はじまる。


「佳代子ぉぉ!! 待ってくれよー!!!」


「本当に! マックスゎ!!! 遅いと置いてくかんね。」


「佳代ちゃんは、マックスと違って忙しいんだから!」


「ごめんよー。佳代子、置いてかないでくれよー。寂しいだろー。」


怒っていた佳代子の機嫌も直り


上機嫌で歌いだした。


「ダッシュはー♪お利口ー♪♪マックスはー♪バカー♪」


「佳代子、その歌、いい歌だな。明日も歌ってくれよ」


「ダッシュはー♪お利口ぉー♪♪♪マックスはぁー♪♪♪バカぁー♪」


「佳代子、今日もボール遊びしてくれな。」


今日も2人は、仲良く仕事に向かうのだ。


                                   おしまい。

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