病弱の君

びたーすてら

出会い

俺は久下 涼。高2だ。特に何事もなく高校生活を送っていた。


今日も遅刻もせず、時間にも余裕アリ…たまには花壇でも見ていくか…

誰が管理してるのか知らないが、いつも整った花の群れ。


「ん?」


なんか今、花壇の向こう側で女の子がぴょこんっと跳ねた気がする。…気のせいか?

まだチャイムまでには時間がある。…ちょっと覗く位いいか。


「ん~~~!」

「…何してんだ。」


明らかに下級生の女子が一人で肥料を持ち運ぼうと苦闘していた。


「あっ!良い所に!キミ、手伝ってくれない?」

「…年下にキミ呼ばわりされる義理はないんだがな」


見た事ねぇし、チビだし。今、俺の中でコイツは一年。大決定。


「…わたし、こう見えても三年生なんだけど?」

「マジかよ。」

「わかったらっ、運ぶの手伝って~!!」


まぁ、ここまで会話しといて、無礼まで働いてしまったからには、無視できんか。


「これをどこに運ぶって?」

「あっちーー」


遠い。辛うじて視認できるレベルだ。


「台車とかねーのか」

「あっ、そういえば。わたしには使えなくて…こっちだよっ!」


ガラガラと台車で肥料を運ぶ。


「ここでいいか?俺、そろそろ教室いかねーと…」

「あ、うん…お手伝い、ありがとねっ!」



あんな上級生がいたとはなー。

そして、また出会いそうな予感がするのは…まぁ気のせいだろう。

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