仲良しオカルト同好会四人組

レイノール斉藤

第1話


百花「ねえ、わざわざ廃校で『こっくりさん』やる必要あった?」


一美「えーだって、いかにも来そうじゃない。こういう所の方が」


十莉「やだぁ、怖いよぅ」


一美「嫌なら今から一人で帰ってもいいよ。十莉」


十莉「それはもっとむりー!」


千夏「みんな、準備できたよ~」


一美「ほら、覚悟決めて座んなさい。あんたはそこ」


十莉「ふえぇぇ……」


千夏「あ、ちょっとまって。記念撮影するから。はいみんなこっちむいて~。あれ?タイマー機能どれだろ?」


百花「見せて。ああ、これでしょ。スイッチ入れてから十秒後に撮るから手早くこっち来てね」


千夏「は~い」


…………パシャ!


千夏「おっけ~、ばっちし」


十莉「どうするの?幽霊とか写ってたら……」


一美「むしろ写ってた方が良いんだけどね。ちゃんと待機してくれてるってことだから」


百花「……」



***



一美「おっけー?じゃあみんな、人差し指を十円玉の上に置いて」


百花「なんて言うんだっけ?」


千夏「あ、台詞も言われたから書いてきたよ~」


全員「こっくりさん、こっくりさん、K県Y市のD中学校三階までお越しください。もしいらっしゃいましたら、十円玉を『はい』の上に移動させてください」


…………


千夏「動かないね~」


一美「おかしいわね。台詞は間違ってないはず……」


十莉「あれ……う、動いた!?」


一美「黙って、十莉。指を離すと呪われるよ。あなたはこっくりさんですか? もしそうなら、私達四人の名前を言ってください」


千夏「か、ず、み。と、ま、り。も、も、か。ち、な、つ……言ったね~。全員の名前。じゃあ次まりちゃんね」


十莉「え、私?じゃあ、『こっくりさん』教えてください。私たちの担任の名前は何ですか?」


一美「え、と、う、ま、な、ぶ。合ってるわね、ここにいない人間のことも答えられる」


百花「まだ分からないわよ。ここにいる人間なら答えられる質問だもの。誰かが指を意図的に動かしてるだけかも」


一美「じゃあ誰も知らない質問してみなさいよ、百花」


百花「そうね……じゃあ、この中で噓を吐いている人は居ますか?」


十莉「え?なに、どういうこと?」


一美「……それ、誰のこと言ってるの?」


百花「さあ?それを『こっくりさん』に教えてもらおうと思って」


千夏「あ~動いた。十円玉が……【はい】に動いた!」


一美「……」


百花「一美、まさか今になって『こっくりさん』なんてインチキなんて言わないよね?どっちにしろ嘘つきってのは変わらないけど」


一美「まだ私とは言ってないでしょ!」


百花「じゃあ次それを聞いてみようよ。『こっくりさん』この中で嘘を吐いてるのは誰ですか?」


十莉「……か……ず……み……」


一美「……」


百花「じゃあ、一美が吐いている嘘は……」


一美「ちょっと、もう良いでしょ!?」


千夏「まって、まだ動いてる~……そ……れ……と……」


百花「それと?まだ居るってこと?」


十莉「あたしもうヤダ!!帰る!!」


一美「ちょ、ちょっと待ちなさい!途中で指を離したらダメだって」


十莉「帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!帰る!」


バタン!!バタバタバタバタ!……


千夏「……え~?……どうするの?出て行っちゃったけど……」



***



※ここで読者に質問です。この直後どうなったと思いますか?選んだ選択肢によって結末が変わります。示された話数へ飛んでください。


・十莉を見捨てて三人で校外へ出る

>2話目 『END1』へ


・十莉を三人で手分けして探す

>3話目 『END2』へ


・十莉を見つけて四人で帰る

>4話目 『END3』へ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る