第3話
難点を見つけた。小魚である唯一の難点だ。微生物しか食えない点だ。中学で習ったあいつ。ミジンコちゃんです。食べて大丈夫なんだっけ?分からん。でも大丈夫だろ、多分。
よく見ると甲殻類ぽいけど、俺が知ってるミジンコではない見た目だ。色も配色も形もなんか変。やはり異世界なのだろうか。俺が知らないだけで知られた微生物なのか。まあどっちでもいいな、食うか。
「モグモグ」
ひたすらに微生物を食べる。味に関しては可もなく不可もなし。無味無臭で味気ない。しかし、生きてくためだ。好き嫌いなしに頂く。
「モグモグ」
⋯⋯なんかつまらないな。
あれ、もっと、こう、アクティブな感じじゃないか?最初って。転生後ってもっと色々イベントが起こるだろ。そいうもんだろ。なんだよ、ミジンコモグモグって。下等生物か。魚類だから下等生物だったわ。
そっか俺ついに本物の下等生物になったのか。全然嬉しくねえ。
「ブクブク」
はあ、なんなんだよ。全く。転生後のこととかちゃんと考えて転生されているか。何考えてるんだ創造主的なサムワン野郎は。もっと、ちゃんとして欲しいな。と俺は嘆く。喚く。
「ブクブク」
あ?さっきからブクブクうるさいな。なんなんだよ。誰だよブクブク言ってる奴は。俺は違うぞ?確かに食ってる時は「モグモグ」言ってたけど。魚だし、ブクブク出来ないし。口から泡出ないし。
「ブクブク」
あれ、誰かいる?俺は慌てて後ろに振り返った。まあ、振り返る首ないから。後ろ向きになったが正しいんだけど。
「やあ、やっと僕に気が付いたね?初めましてだ」
「なッ!?嘘だろ?」
後には俺より遥かに大きい人魚がいた。
【うわ、マジ異世界】
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