2度目を観て、リスタート!

第23話 亀の甲より年の劫

 去る23日の祝日、改めて「太陽の子」の本編を通して観ました。

 さて、今回気付いたことを、ひとつ。


 全編を通して何度か出てくるイッセー緒方さん演ずる陶器職人さん。

 この人が、実験用の釉薬をもらいに来る(対価=金は、きちんと払っている模様)主人公の帝大生に、釉薬とウランが云々の関係を話すシーンがあります。


 私ね、そのシーンを見て、ふと、思ったのよ。


 黒崎博君も私も、何だかんだで大学まで行って卒業したクチになるわけだけど、子どもの頃から、こういったおじさんたちにいろんなことを教えてもらいながら、育ったわけだよ。そりゃあ、学問云々とか何とか言うなら、この映画の帝大生のほうがそりゃあきちんと何かをしゃべることができるのは、明白だ。

 現に、幼馴染に向かって物理学の話をしているシーンもある。

 その逆も、また、然りなのよ。


亀の甲より年の劫


って言葉がありますけど、まさに、それ。

 陶器職人さんが、ウランについて、帝大生のしかも法学部や文学部なんかじゃなくして、物理学を専攻している学生に対して、その話をする。

 一見、釈迦に説法のように見えるかもしれない。

 しかし、そうじゃない。


 あのシーンだけどね、少なくとも私には、子どもの頃、そして大学生あたりの頃の自分自身を観ているようでしたね。

 なんだかんだで、そういう大人の人たちに、ぼくら、育てられているのよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る